◎iPhoneで撮影

　今回の博多の取材は、リーズナブルな料金で極上の食材を楽しめる「そば旬菜 薬院 なかむら」。古い割烹をリフォームして作られたお洒落な「和」の空間が、実に素敵だ。

　夜のコースメニューには、３５００円、５０００円、７０００円とあるが、食材は出来合いの物は無く、見事な仕上がりの料理ばかりであった。また、ランチタイムもあり、蕎麦の単品メニューの種類が多く、近くに居れば毎日通いたくなってしまう蕎麦好きの筆者である。

　和食の焼魚には必ずと言ってよいほど「はじかみ」が付く。殆どのレストランに行っても、まともな「はじかみ」を見た事がなく、ただガジガジで終わってしまう。同店のものは上質の「はじかみ」であり、ここまで拘るのかと驚いてしまった次第。実は満腹となって、メニューから天婦羅を外してもらったくらいだ。


◎iPhoneで撮影

　本年度上半期だけでも、博多のレストランへ十数回足を運び取材をして来た。しかし、本日の博多「和食」の大きな発見を、取材用の大型機材で取材できなかった事が残念でたまらない。

【そば旬菜 薬院 なかむら】
　福岡市中央区渡辺通2-3-27
　TEL 092-731-4501 FAX 092-731-4505

　

◎東京吉兆の「すき焼き」（帝国ホテル東京地階）／iPhoneで撮影

　筆者が好んで食べる「すき焼き」に、東京吉兆のものがある。８０年の歴史を誇る吉兆グループの中で、唯一「すき焼き」を楽しめる帝国ホテル東京店である。

　極上和牛の霜降り肉の色や艶など、その日の仕入れで最高のものだけを厳選して出される。例えば、今日栃木産であったり、翌日は仙台産だったりするのだ。ちなみに、本日の霜降りの模様や色合いが先日と違うので聞いてみると、仙台産という。

　すき焼き用の鉄鍋がちょんとテーブルの上に置かれる。セラミック製のテーブルの上に鉄鍋を置くだけで調理ができる。昔はガスだとゴムのチューブが煩く感じたが、実にスマートなテーブル席である。

　また、同店の「割り下」と「新鮮な野菜」も地味だが奥深い。吉兆独自の手の込んだ「割り下」はなかなか真似が出来るものでもなく、それは霜降り和牛を柔らかく包み込み、肉の甘みを十分に引き立ててくれる。

　更にヨード卵を付けて食すと、ほかほか白御飯が最高に美味くなる。・・・いつの間にか３杯御飯を食べた筆者だった。

　昨日ご紹介した東京吉兆の「鰻」と同様、一押しの「すき焼き」を、是非ご賞味あれ！！

▼YouTubeにアップしている東京吉兆（帝国ホテル東京店）のすき焼き／iPhoneで撮影

◎黒須浩之料理長（ザ・リッツ・カールトン東京 日本料理「ひのきざか」）


◎鮮やかな手捌き


◎お客の目線を予測した絶妙な配置と彩り／今年夏前の取材写真

　本年度上半期（４月から９月）において多くの料理人を取材して来た。振り返れば、鉄板焼、中国料理（広東料理・四川料理）、和食、寿司、フレンチ、イタリアン、一口餃子など数えきれないほどだ。

　色々迷いもあったが、今回２００９年上半期の「最強の料理人」として、ザ・リッツ・カールトン東京 日本料理「ひのきざか」の黒須浩之料理長に三つ星を差し上げたいと思う。

　奢りの無いアーティストが淡々と語る料理への拘り。ウィットネスに富み、後輩たちの観察と指導を細やかに行っている。また、同レストラン（コンテンポラリーな料亭）の若手料理人たちも、黒須浩之料理長の背中を見ながら日々進化しているところが実に素敵であった。

　筆者が常々思う事は、経営者であれ料理人であれ、先ずその人格と仕事への拘りを最重視する。温かな心なくして、お客の心を奪う様な料理ができるはずもなく、突出したノウハウ無くしては一流の料理人とは言えないのである。

　同料理長との再会を楽しみにしているが、次回はコース全体の取材を行いたいと考えている。

☆☆☆２００９年６月１８日記事☆☆☆
　http://www.dandl.co.jp/blog/index.php?R=438

【ザ・リッツ・カールトン東京オフィシャルWEBサイト】
　http://www.ritzcarlton.com/ja/Properties/Tokyo/Default.htm

【ザ・リッツ・カールトン東京 日本料理「ひのきざか」】
　http://www.ritzcarlton.com/ja/Properties/Tokyo/Dining/Hinokizaka/Default.htm