2011/01/30
兵庫の旅
カチンコチン
姫路から北へ30km。
笠形山(標高939m)の中腹に、毎年冷え込みが一段と厳しくなるこの時期になると必ず氷結する滝があります。
江戸時代に扁妙という僧がこの滝で修行していたことから
扁妙の滝と呼ばれています。
高さ65mの岩肌を流れ落ちる滝の水が
水量と気温のバランスでカチンコチンに凍っちゃいます。
天気予報で最低気温がさらに低くなるとのことでしたので
朝5時に起きて行って来ました。
まだ薄暗いうちに神河町にあるリクリエーション施設「グリーンエコー笠形」に
到着。
入山を管理事務所に伝え、入村料200円を支払います。
(この施設が笠形山への登山口にもなっています。)
コテージ横からアイゼンを装着して沢伝いに800mほど歩きます。
僕が歩く前には鹿の足跡だけ。
その隣に自分の靴跡を並べながらガシガシと氷を踏んで進んで行くと、
普段なら流れ落ちる水の音がゴーゴーと徐々に大きく聞こえてくるのですが、
凍っているため、まったくの静寂の中からいきなり白いカーテンをまとった
断崖が出現します。
沢の流れも雪と氷の下に閉じ込められているので、とても静かです。
つららの奥の岩肌をかくれるように流れる水の音が春を呼んでいるようにも聞こえますが、その声が届き、白く冷たい扉が開かれるのはまだ先のように思えます。
■
登録2011/01/30 14:44:34 更新2011/01/30 14:44:34
コメント
(0) |
トラックバック
(0)
2010/12/08
兵庫の旅
国産み・最初の滴
前回のブログで伊弉諾・伊奘冉の大神による国産みのお話をご紹介しました。
淡路島が、天之瓊矛(あめのぬぼこ・古事記では天沼矛)で混沌をかき回した滴で産まれたという話はご存知だと思いますが、
淤能碁呂島(おのごろじま)と呼ばれる淡路島が出来る前に、小さな滴が矛から滴り落ち、小さな島になったという言い伝えがあります。
それがこの絵島といわれています。
周囲が400mほどの小さな島ですが、遊歩道の橋が架けられていて誰でも簡単に渡ることができます。
この島は古第三紀始新世(約3500万年前)の岩屋累層の砂岩からできていて、灰色の岩肌に赤褐色の縞模様が浮き出ています。
その模様と浸食による特異な形状が明石海峡を借景とした絵のようであることから、この名がついたそうです。
淡路島の北端地域、岩屋の陸地から10mのところにあるこの島。
明石海峡大橋の開通やフェリー航路の休止により、観光客より釣り人の方が多く訪ねるようになってしまいましたが、
一度でも目にすると、瀬戸内の島々の最東端と思わせる姿と不思議な縞模様が、神話の世界に彩られた神秘の島がとても印象深く記憶に残る場所だと思います。
今は防波堤に囲まれて、穏やかな波に洗われる岩の小島ですが、
流れの速い明石海峡を挟んで本州を望むとこの国土の始まりというれk氏のロマンに簡単に引っ張り込まれていきます。
■
登録2010/12/08 02:01:24 更新2010/12/08 02:01:24
コメント
(1) |
トラックバック
(0)
2010/12/07
兵庫の旅
「ニッポン」の生みの親
先日は紅葉と花の寺して淡路市の東山寺をご紹介しましたが、
このブログが始まってから今まで、淡路島を紹介したことがなかったんです。
淡路島は兵庫県に属し、本州を含めた日本のすべての島の中で7番目の面積を有しています。
この淡路島こそが、日本の国土の元と言われているんです。
そう、国産みの神話ですね。
国産みの神話とは、古事記や日本書紀といった日本国土創世譚のことを指します。
日本の国土は、イザナギとイザナミの二柱の大神が天の橋に立ち、矛で混沌をかき混ぜ島をつくることから産まれます。
天沼矛(あめのぬぼこ)と呼ばれる、その矛から滴り落ちた最初の滴が今の淡路島と言われているんです。
そしてこの伊奘諾神宮こそが日本最古の両大神を祀る社と言われています。
ところで、このイザナギとイザナミの大神ですが、二通りの字が存在しているのをご存知でしょうか?
伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)という表記と
伊奘諾(イザナギ)・伊奘冉(イザナミ)という表記です。
前者は古事記に記されている表記で、後者は日本書紀に記されています。
淡路の伊奘諾神宮は日本書紀を元に伊奘諾(イザナギ)大神をお祀りしていることがお解りいただけると思います。
僕が訪ねた時は、写真を撮るには運悪く・・・・でも縁起はとてもいい結婚式が執り行われている最中でしたので、
遠慮して拝殿のさらに外側からパシャッと1枚。
仲の良い夫婦の大神の前で永久の愛を誓ったお二人の幸せを願いながら、震災で倒壊しその後、神明鳥居としては日本最大規模を誇る花崗岩製の石鳥居として再建された、高さ二十七尺の鳥居をくぐって次の取材地へ向かいました。
■
登録2010/12/07 00:10:02 更新2010/12/07 00:10:02
コメント
(0) |
トラックバック
(0)
2010/12/06
兵庫の旅
12月なのに・・・しつこく紅葉
前回の沢庵寺で、最後の紅葉・・・・・・。
実はこの宗鏡寺は庭園と紅葉が美しい寺としても有名なんです。
今回は大根干しの風景を目指してこの時期に訪ねたのですが、
少しだけ残っていたのでカメラを向けてみました。
入佐山の麓にあるとご紹介しましたが、
山を借景とした美しい庭園が見事で、沢庵和尚の手によるものと伝えられています。
庭園については、緑豊かな季節にご紹介したいと思います。
本堂裏手に、山の斜面にそって出石藩主であった小出氏、仙石氏の墓所があり、苔むした石灯籠に陽光を受けたモミジがとても映えていました。
寒さを感じない午後の陽気でしたが、それでも冬の陽射しは正午を過ぎるとすぐに傾いてきます。
風が舞うたびに1枚、また1枚と枝から離れて地面の苔を覆い残った養分を大地に託し、やがて来年の紅葉へと受け継がれていきます。
■
登録2010/12/06 00:22:03 更新2010/12/06 00:22:03
コメント
(0) |
トラックバック
(0)
2010/12/05
兵庫の旅
タクアンの故郷
師走に入りましたが、まだ気温はそれほど下がりません。
そんな中、またまた出石の町を訪ねてみました。
今回の目的地は町の東はずれ、入佐山(いるさやま)の麓にありました。
山名氏清公の開基による宗鏡寺(すきょうじ)は、
一般的には「沢庵寺」として親しまれています。
秀吉の但馬攻めにより荒廃した宗鏡寺を中興した沢庵和尚が
「投淵軒(とうえんけん)」という庵を結び、多くの和歌や書物を残しました。
今ではもっともポピュラーな香の物である「たくあん漬」も、ここで工夫されたと伝えられています。
毎年この時期になると、檀家や近隣の農家から届けられた大根を
道場の軒先に干している光景がみられます。
今年は但馬農業高校の生徒たちが作った大根も漬けるそうです。
先月中旬に但馬農高生が近所の小学生を指導しながら干した大根が、晩秋の陽光に照らされていました。
あと2週間程天日で干された大根は、塩と糠で漬けられ
1〜2週間でたくあん漬になります。
小原住職は「どれ一つとして同じ形のダイコンはありません。皆さんと同じ。食べ物も命も大切にしてください。」と、作業を終えた生徒たちに語りかけておられました。
■
登録2010/12/05 00:07:26 更新2010/12/05 00:07:26
コメント
(2) |
トラックバック
(0)
<< 前のページ
次のページ >>
カテゴリー
兵庫ブランチHOME
BLOG TOP
ひょうご珍(?)風景 (1)
SecondLife (2)
小旅行 (3)
〜A・SO・BI〜 de Photo! (1)
イベント情報 (5)
Photo (4)
特別編 (16)
やっぱりTigers! (1)
ご当地グルメ (3)
兵庫の風物 (7)
兵庫の旅 (42)
Diary (55)
最近の記事
ふたつの「国」を見渡す。。。。
20年に一度の光景
これ、なぁんだ?
写真コンテストの賞品が届きました!
神戸から陸上競技のシリーズ開幕!
但馬にも遅い春。。。
NO TITLE
最後の進水を待つ。。。。。
冬の日本海を楽しむ。。。。。
寒いです。。。
咲いた咲いた、チュ〜リップの花が。。。。
神戸港に最新鋭護衛艦が入港
冬の円山川
何がいる?
2回目のお正月
BLOG内検索
カレンダー
2025 年 05 月
S
M
T
W
T
F
S
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
前月
BLOG TOP
翌月
プロフィール
兵庫県在住、自称”播州人”のShamrockです。
兵庫の折々の出来事や風景などを身近なところから拾って
お伝えできたらいいな・・・・・・。
なが〜いお付き合い、宜しくお願いしますね。
コメント
20年に一度の光景
└
竜舌蘭@@
└
それって密造酒?(笑)
冬の日本海を楽しむ。。。。。
└
こりゃ、違反だ!
└
海の色
└
満喫しました
└
冬の日本海は・・・
冬の円山川
└
積もってますね♪
└
スノーダイブ^^
楠公さん
└
なんこうさん
└
いいところですよ〜
明けましておめでとうございます。
└
美しいですね
└
無駄のない美しさです。
加古川のかつめし
└
勝つ?めし
└
手抜きなのか合理主義なのか。。。。
└
これは、食べてみたい!
└
ボリュームもあります!
須磨海岸の夕暮れ
└
青葉の笛
└
討たれし平家の公達哀れ
皆既月食
└
見事、見事!
└
ありがとうございます^^
└
これはすごい
└
すごい!!
└
ありがとうございます
兵庫ブランチ初の。。。。。
└
なかなか素敵な写真ですね。
└
ありがとうございます^^
飛騨に行ってきました。
└
いいですね〜
└
命の洗濯〜なんちゃって^^
トラックバック
模型で神戸・・・・
└
フジミ模型 deプラモデル通販/ご迷惑でしたらお手数ですが削除してください。
模型で神戸・・・・
└
フジミ模型 deプラモデル通販/ご迷惑でしたらお手数ですが削除してください。
今週の兵庫のイベント情報
└
南あわじの話題
台風9号
└
佐用町 地図
模型で神戸・・・・
└
フジミ模型とプラモデル通販
模型で神戸・・・・
└
フジミ模型とプラモデル通販
過去記事
2012/07 (2)
2012/06 (1)
2012/05 (1)
2012/04 (2)
2012/03 (1)
2012/02 (5)
2012/01 (11)
2011/12 (5)
2011/11 (3)
2011/10 (6)
2011/09 (5)
2011/08 (3)
more ..
pplog2 by Rocomotion
■
Today:001 / Yesterday:167 / Total:260114
笠形山(標高939m)の中腹に、毎年冷え込みが一段と厳しくなるこの時期になると必ず氷結する滝があります。
江戸時代に扁妙という僧がこの滝で修行していたことから
扁妙の滝と呼ばれています。
高さ65mの岩肌を流れ落ちる滝の水が
水量と気温のバランスでカチンコチンに凍っちゃいます。
天気予報で最低気温がさらに低くなるとのことでしたので
朝5時に起きて行って来ました。
まだ薄暗いうちに神河町にあるリクリエーション施設「グリーンエコー笠形」に
到着。
入山を管理事務所に伝え、入村料200円を支払います。
(この施設が笠形山への登山口にもなっています。)
コテージ横からアイゼンを装着して沢伝いに800mほど歩きます。
僕が歩く前には鹿の足跡だけ。
その隣に自分の靴跡を並べながらガシガシと氷を踏んで進んで行くと、
普段なら流れ落ちる水の音がゴーゴーと徐々に大きく聞こえてくるのですが、
凍っているため、まったくの静寂の中からいきなり白いカーテンをまとった
断崖が出現します。
沢の流れも雪と氷の下に閉じ込められているので、とても静かです。
つららの奥の岩肌をかくれるように流れる水の音が春を呼んでいるようにも聞こえますが、その声が届き、白く冷たい扉が開かれるのはまだ先のように思えます。