これは、某スーパーやコンビニに直接電話を掛けた際の実話である。アルバイトと思われるスタッフの電話応対は、決して褒められたものではなかった。
一例として、筆者がある日コンビニに電話を掛けた際、若い女性が応対したが、その口調は家族や友達との会話の延長線上にあった。筆者は、これで大丈夫かと不安に感じつつ質問をした。
案の定、彼女は自分では対応できず、近くにいた同僚の先輩に、筆者が尋ねた内容をそのまま伝えていた。その際の言葉遣いも「少々お待ちください」ではなく、「ちょっと待ってください」であり、「〇〇様ですね?」ではなく、「〇〇さんですか?」という具合であった。さらに、「大変お待たせいたしました」ではなく、再び「もしもし」から話を再開した。
現代はスマホの時代となり、多くの人がテキストベースのコミュニケーションに慣れ親しんでいる。しかし、社会人となれば、対外的なコミュニケーションにおいて電話は欠かせないものである。
「普段からLINEやMessengerを使っているので、電話の応対は習っていません」では通用しないのだ。
かつて、地方の離島でスポーツイベントを企画・開催したことがあった。その際、島外からの問い合わせや、現地でのアスリートや観光客とのコミュニケーションの取り方について徹底的に指導したことを思い出す。
某シティホテルのコンシェルジュとしての経験を持つ女性二人を引き連れ、筆者主催の「接遇セミナー」を開催した。小さな町だが、参加者は島内の旅館、ホテル、土産物店、役場の職員など、百名ほどにのぼった。
最初のセッションは電話応対のロールプレイングであったが、ほとんどの現地の方々にとっては初めての経験で、一言一句が間違っていた。名刺の受け渡し方も知らず、頭をかきながら赤面する参加者が多かったが、セミナーが一通り終わる頃には、皆笑顔で帰っていったことを思い出す。
現代において軽視されがちなものに、電話応対やフロント業務における接遇のノウハウがある。かつてはローカルスタンダードが通用していたかもしれないが、今は常にグローバルな視点で物事を見なければならない。
蛇足ではあるが、スマホ世代の若者たちは、スマホのキーボード入力は迅速かつ正確にできるものの、パソコンのキーボードをブラインドタッチで操作できる者が少ない。それが業務に支障をきたしている一因とも言える。それは、社会に出る前に、自らのスキルアップとして、これらの技術をマスターすべきが必要となる。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、スマホ世代の若者たちが電話応対スキルに欠ける問題を取り上げています。特に、カジュアルな言葉遣いやプロフェッショナルなコミュニケーションスキルの不足が指摘されており、これが顧客とのやり取りにおいてマイナスの影響を与える可能性があります。
エッセイは、筆者の経験を交えて語られており、コンビニのスタッフが顧客の問い合わせに適切に応じられない具体的な例を示しています。こうした実例を通じて、社会人として必要な基本的なビジネスマナーの習得の重要性を訴えています。
また、筆者は自身の経験を基に、効果的なコミュニケーションスキルを身につけさせるための「接遇セミナー」の開催についても触れています。このような研修がいかにして参加者のスキル向上に寄与したかを述べることで、教育の価値を強調しています。
筆者は、テキストベースのコミュニケーションに慣れ親しんでいる現代の若者たちが直面する問題を具体的に描き出しつつ、これらの問題を克服するための具体的な手段として、対面や電話でのコミュニケーションスキルのトレーニングの必要性を訴えています。これにより、読者に対して、スキルアップの重要性とその方法についての認識を新たにさせることを意図しているようです。
このエッセイは、社会人基礎力の一環としてコミュニケーション能力をどう育てるかという課題に対する一つの解答を提供しており、特に人材教育に関わる人々にとって参考になる内容であると言えます。
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文責:西田親生
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