ロゼッタストーン／THE ROSETTA STONE

◎「再」西田親生書

　人生、振り返れば、凸凹、ワインディングロードの連続だ。過去に戻りたくても、ペットボトルで作られたスズメバチの罠のように戻れない。

　さあ、走るしかない。どんなに周囲から騙されようが、誹謗中傷を受けようが、ぺちゃんこに押し潰されようが、前に前に進むしかない。

　特に経営者となると、お尻に付いた導火線の火花を踏んで消しては、また纏わり付く火花を踏みながら、突進しなければならない。しかし、踏み外したら大火傷。

　大抵の経営者は、日頃ニコニコと笑っているように見えるが、よほど恵まれた環境下でバトンタッチを受けた経営者以外、私も含めて、起業家は皆孤独なマラソンランナーや回遊魚のように、途中で止まったり、休憩することなど許されない。

　社会情勢を良く見据えながら、次の戦略、次の企画に知恵を絞り出しながら、会社の大黒柱として鎖骨や腰骨が折れそうになっても、必至で支えなければならないのである。

　色んなボランティア団体や仲良しクラブなどへの勧誘があっても、気楽に参加できぬほど、心身ともに疲弊してしまい、疲労困憊の色を隠しきれない。

　一度、二度凹んでも、再起、再起、再起。七転び八起きという言葉もあるが、七転八倒しながら、再起、再起、再起へ向かってまっしぐら。・・・それが、起業家、経営者の真の姿であり、宿命である。

　起業して22年。筆者の心の中は、寝ても覚めても「再起」の連呼であったような気がしてならない。

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