ロゼッタストーン／THE ROSETTA STONE

◎「天地」西田親生書

　１９９１年の１２月の事だった。当社が本格的なCG（コンピュータグラフィックス）の仕事を開始し、初の納品がNHK衛星放送の「天地創造」という番組のタイトルであった。

　まだ、当時シリコングラフィックスというCG専用マシンを使用しているところは、九州では当社のみ。１台３０００万円以上もする高価なマシンを、その年の９月に導入し、専任スタッフがプログラムを全て把握できていない状態で、そのタイトル制作（動画）に取りかかったのである。

　オフィス２階には、衛星用パラボラアンテナとアナログテレビアンテナが熊本と福岡へ向いており、SONY製のチビモニター（トリニトロン）が７台もあるという、不思議なオフィスだったが・・・年末にNHK衛星放送で流されたCGタイトルをリアルタイムに見た全スタッフは、喜びを身体全体に表し、涙ぐんでいたのだった。

　その初仕事だった「天地創造」を思い起こして、本日の書にしてみたが・・・実に感慨深いものがある。・・・しかし、仕事というものは、他と比較した時に、何か特化した自分なりの「武器」を持っていなければ、全国規模の仕事はできないと思った次第。

　特に、デジタルが普及し、「コピペ」で何でも済まそうとする、安易で質の低い仕事をしている人も多々見掛けるのだが、そのように口先だけのリップサービス業務展開では、何も出来ず、何も残らないと言うこと。

　蛇足だが、とんでもない内容の「おちゃらけセミナー」が流行っているのを遠目で見ていると、日本人精神文化の低迷期である事を再確認せざるを得ないのである。

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