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Kumamoto Hotel Castle (1)古典的フランス料理

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 古典的フランス料理は、素材や調理法、盛り付け、デザインなどを見ると、現代版とはやや異なる。フレンチに限らず、料理は時代の流れの中で流行り廃りがあり、昨年まで人気だったものが、急に目の前から姿を消す事もしばしば。

 近代フレンチの世界では、皆さんがご存知の通り、オーギュスト・エスコフィエ(1846-1935)は突出していた。5000を超える膨大なレシピを持つ神的存在であり、世界のフランス料理人の衆目の的でもあった。

 そのエスコフィエから、秋山徳蔵氏(1888-1974/大正時代〜昭和時代の天皇の料理番)がオテル・リッツ・パリにて学んだものが、少なからずとも日本のフランス料理に影響を与えたことは、史実として残っている。

 戦後のフレンチの匠と言えば、帝国ホテル総料理長となった村上信夫氏を挙げることができる。同氏はNHK料理番組で活躍し、コンテンポラリーなフレンチで、家庭で簡単に作れる洋食調理法(例えば、フォークだけでつくるオムレツ)を全国津々浦々へ広めて行ったのであった。

 前置きが長くなったが、ここで写真下をご覧いただきたい。

 最初の写真であるアパタイザーでは、ウニの上にキャビアと金箔がトッピングされている。底はコンソメジュレが添えられており、小さな赤と緑の点描でデザインが施されているが、これこそ古典的なデザインとなる。

 また、2枚目はフォアグラのダミエ柄(日本では市松模様)も古典的なデザインであり、長芋を海苔で巻いてあり、日本風にカスタマイズしたものであることが分かる。

 デミタスのコンソメスープは、実は、帝国ホテルの伝統的なコンソメのレシピで作られており、蛤とオマール海老の料理も、素材を活かした味付けにて、古典的な盛り付けになっている。

 これら料理は、熊本ホテルキャッスルの元総料理長 佐々良清氏の創作料理であったが、数年前に退職されて、これから先二度と食すことができない貴重なものになってしまった。

 以前、同氏へレシピ集の書籍出版を打診したことがあったが、当時はご本人の自由な時間が取れず、残念ながら、貴重な古典的フランス料理のレシピ集を本にすることができなかった。

 そもそも、シティホテルのレストランの主役はフレンチである。しかし、最近は、特に地方のシティホテルではフレンチが奮わなくなり、フレンチレストランを閉鎖するところも増えてきた。

 何とかフランス料理の素晴らしさを子供や孫たちに伝えることはできないか。高級和食処と同様に、料理を食すマナーや服装、そして雰囲気などが庶民的なものから掛け離れており、それらが障壁になっているに違いない。

 よって、シティホテルのフレンチレストランでは、コンテンポラリーなフランス料理を浸透させるに、我々庶民を惹きつけるものを提供できるような秘策を講じる必要がありはしないか・・・。
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写真・文責:西田親生


             

  • posted by Chikao Nishida at 2023/5/8 12:00 am

料理写真は、全て記憶に残る。・・・瞬間的に香りや食感、味、そして笑顔を思い出す。

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▼西田親生の『極上グルメ百選』(※複写転載は厳禁)
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 時折、取材した料理写真の整理をしながら、気に入った写真を適当に選び、『極上グルメ百選』にまとめることがある。

 左上から右へと進むと、1)ザ・リッツ・カールトン東京 『日本料理ひのきざか』の鉄板焼の野菜、2)同じく蝦夷鮑、3)同じく蝦夷鮑の料理、4)熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源の乾燥アワビのステーキなどと、何処の誰が使った食材で、どのような料理だったかを直ぐに思い出す。

 人間の記憶とは、その時の『美味』の刺激の度合いによって左右されるのかと勝手に思っているが、今では食すことができない料理は、懐かしくもあり、再現して欲しくもあり。

 食すことができない料理とは、料理人が現役を退いた場合、入手できなくなった食材の場合、料理人が他界された場合などが要因となるが、久しぶりに上の『極上グルメ百選』を眺めていると、一瞬にして、当時の会話の流れや、食材の食感、料理の風味などが、一気に頭の中を駆け巡る。

 それが強烈なものとなれば、香りまで脳内を占領してしまい、マウスウォーターが出て、お腹がグルグルと鳴き出してしまうのである。所謂、自業自得なる『食テロ』である。

 この『極上料理百選』の中では、何と言っても、最後の段を埋め尽くす、熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源、当時の総料理長 善家繁氏が創り出した『満漢全席』であろうか。クライアントさんへのご招待という形式をとったゴージャスな宴であった。熊本県内で、僅か10人のみが食したという、それも、善家繁氏現役最後の超レア料理となっている。

 勿論、上の料理の中で、今でも食せるものは沢山ある。吉兆東京の『鰻重』、札幌の氷雪の門の『タラバ蟹』+『毛蟹』+『花咲蟹』、沖縄那覇の『サーターアンダギー』、ホテルオークラ 広東料理 桃花林の薬膳『壺蒸しスープ』、滋賀県栗東市の『鮒寿司』、熊本ホテルキャッスル トゥール・ド・シャトーのアイスクリーム『ベイクド・アラスカ』などなど。

 しかし、全ての料理人の方々には大変失礼な話だが、「こんなに豪華な料理を沢山食べて来て、一番美味しい料理は何?」と問われると、大切な人と一緒に食す『おにぎり!』と答えてしまう。(鼻の下は伸ばしていない)

 誠に、申し訳ない。

▼脇宮盛久料理長監修の『辛子明太子』のおにぎり(熊本ホテルキャッスル ダイニングキッチン九曜杏)
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写真・文責:西田親生

                     

  • posted by Chikao Nishida at 2022/9/18 12:00 am

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