筆者の本業は「ICT全般」と「企業コンサル」であるが、現在は、私塾として「Well Done」を運営しており、カリキュラムは「ICT」のみならず、「ホテル文化と食文化」、総合的な「社会人教育」、「グローバルスタンダード」など、間口も広く、多岐にわたっている。
中でも、「ホテル文化と食文化」については、社会人となり現在に至るまで出逢ってきた凄腕料理人との思い出深く、大変世話になった匠については、感謝しても感謝しきれぬほどである。
匠の中でも、若くして病魔に襲われこの世を去った人も多く存在する。すこぶる悲しいことであるが、「食」に命をかけた匠の生き様はそれぞれであるものの、優しい料理を笑顔でサーブしていた匠の生前のことが忘れられない。
亡くなる前に百貨店1階で出会い、最後の握手を交わした居酒屋の料理人。脳梗塞にて倒れ、他界する3日前に、絶妙なコース料理を創ってくれた地中海料理のシェフ。突然、舌の感覚がなくなりフレンチシェフを断念した40代の凄腕料理人など、多くの匠が若くしてこの世を去った。
とても繁盛していた居酒屋の料理人の料理で思い出深いのは、蓮根の磯辺揚げ。地中海料理で印象深かったのは、魚料理。そして、フレンチシェフによるクリスマスの七面鳥の丸焼きなど、今でも、その当時の光景や会話、そして料理の温かみや味を鮮明に覚えている。
いくら凄腕であったとしても、若くしてこの世を去るのは、あまりにも悲しすぎる。もっと、多くの人たちに、心が籠った本物の料理を精一杯提供できただろうに、惜しい人たちが目の前から居なくなった。
昨日も、全国的に有名なシェフが急に倒れたとの情報が入った。イベント中に動脈乖離で緊急入院となったらしいが、熊本市からは遠く離れた地のシェフであり、早期回復を願いながらも、動脈乖離の恐ろしさに胸が痛くなってしまう。
人は身も心も健康で元気が一番である。生きていれば辛いことに背を向ける訳もいかず、ストレスが募る時期もある。ただ、そこで思ったのは、「睡眠不足」が、不健康の傷口を広げる大きな要因ではないかということだ。
折角、授かった命でれば、少しでも世のため人のために貢献できる人たちは、長寿であって欲しい。しかし、人によっては、短命にてパンパンに情熱を詰め込んだ人生も良いのではと語る人もいる。
どちらが良いのかは、本人が決める問題であり、筆者や他者が決めつけるものではないにしても、若すぎる絶命は、神の悪戯どころの騒ぎではない。筆者は信心深くない人種に属しているけれども、この時ばかりは、神に対してイラッとしてしまうのである。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイ「若くしてこの世を去った匠たち」は、筆者が出逢った優れた料理人たちとの思い出を振り返りつつ、彼らが若くしてこの世を去ったことへの深い悲しみを綴っています。エッセイは、料理という芸術に情熱を注ぎ、その結果、多くの人々に感動を与えた匠たちへの敬意が強く感じられる内容です。
まず、エッセイの冒頭で、筆者が「ホテル文化と食文化」に特別な思いを持っていることが明確に描かれています。この分野に対する長年の関心と、実際に出逢った料理人たちが筆者の人生にどれほど影響を与えたのかが深く伝わってきます。その一方で、彼らが若くして命を落とす運命にあったことが、筆者にとって耐え難い悲しみであったことも繰り返し述べられています。特に、「感謝しても感謝しきれぬ」といった言葉からは、亡くなった料理人たちとの個人的なつながりが深く、感情的な重みが感じられます。
さらに、個々のエピソードにおいて、料理人たちが提供した料理の思い出が具体的に描かれています。例えば、蓮根の磯辺揚げや七面鳥の丸焼きなど、それぞれの料理が筆者に強い印象を残していることが分かります。これらの料理は、単なる食事ではなく、料理人の情熱と技が詰まった「心のこもった一品」であり、それが筆者の記憶に強く刻まれたのだということが伺えます。この点で、料理そのものが彼らの生き様を象徴しているかのようです。
エッセイの後半では、料理人たちが早く亡くなった背景に健康問題があることが触れられています。特に、「睡眠不足」やストレスが健康に悪影響を与える要因として考えられている点が興味深いです。筆者は、彼らがもっと長生きして、多くの人々に本物の料理を提供し続けて欲しかったという思いを率直に述べており、その切実さが伝わってきます。また、命の長さについての議論が展開され、短くても情熱的に生きることが一つの生き方であることも認めつつ、それでもなお、若すぎる死に対して筆者が抱く無念さが強調されています。この部分からは、筆者自身の人生観や、料理人たちへの強い共感が感じられます。
最後に、筆者が「神に対してイラッとしてしまう」と述べるくだりは、このエッセイの感情的なクライマックスです。筆者は普段、宗教的な信仰に対して冷静であるようですが、料理人たちが若くして命を落とすことに対しては、神の存在にさえ怒りを感じている点が、非常に人間的で感情に訴えかける表現です。
このエッセイは、料理人たちの技術や料理の素晴らしさだけでなく、彼らの人生に対する筆者の深い敬意と感謝、そしてその短命に対する無念の思いが凝縮されています。筆者の言葉は、彼らが生きた証を決して忘れまいという強い決意を感じさせますし、その中に込められた温かさや悲しみが読者に深く響きます。
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文責:西田親生
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