実は江戸の遺産どころか、都心には古墳が何基も残っていたりします。いろんな文明や文化の層が重なり合って、過去と現在が共存している場所なのです。
今日は、そんな東京の街で出会う、小さな神様...お稲荷さんのお話です。

ここは、銀座に来るとこっそり訪れる場所。以前お世話になっていた銀座7丁目の画廊のすぐ側にあります。びっくりするほど狭いビルの谷間にいらっしゃる、小さな小さなお稲荷さん...。

銀座で生まれ育った画廊のオーナーは、この豐岩稻荷神社をとても大切にしていらっしゃいました。今でも、たくさんの方がお参りに来ます。 驚いたことに、このお稲荷さんは、江戸の初期からずっとこの場所にあるというのです。数百年前、この辺りにはどんな風景が広がっていたのでしょうね...。

豐岩稻荷神社の近くに、紫陽花が咲き始めていました。忙しそうに働く銀座の人たちも、無意識にこの優しい花の色合いに癒されているような気がします。

ここは、千代田区の富士見にある、桐生稲荷。飯田橋の東京大神宮へ向かう途中の路地にひっそりと隠れていらっしゃる神様です。きっと、古くからこの土地に住んでいる方でないと、この小さなお稲荷さんを見つけることはできないでしょう...。

この桐生稲荷も、起源は江戸に遡り、なんと「番町皿屋敷」の物語に深い縁があるといいます。今では忘れ去られてしまった物語の遺構ですが、地元の守り神として生き続けているお稲荷さんです。今日も幾人かの方がお参りする姿を見かけました。そして、とても大切に手入れをされている神様です。

富士見の街にも、大きな紫陽花が咲いていました。暗い路地に映える、美しいブルーです。
ほかにも、神田の駿河台にお気に入りのお稲荷さんがありますが、また機会があればご紹介しますね。そして、みなさんもおすすめの場所があったら....、是非教えてください。
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