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初めて食した本物の「鰻」

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 これは、30年近く昔の話である。或る商社支店の部長が食事をご馳走してくれると言う。筆者がまだ青二才で、新聞社の係長になったばかりの頃だった。・・・連れて行かれたのが、現在の近代文学館の敷地にあった川魚料理と鰻の老舗「水前寺東濱屋」。・・・現在、140年の歴史と伝統を誇る、熊本でも有名な食事処だ。

 話は前後するが、筆者は元々熊本県北部の山鹿市の出身。山鹿と言えば、清流菊池川の鮎や山手の竹の子、西瓜やメロン、米が有名で、余り本物の鰻料理を食した記憶が無い。・・・或る日、父が釣りに出かけて、たまたま天然鰻を釣ってきた時に、台所でシャーッと鰻の腹を割いて、蒲焼きにしたものを食した程度だろうか。・・・余り美味しいという記憶も無かったのである。

 鰻の本物の味ってどんな?と頭の中は「??????」の状態。当時の水前寺東濱屋は料亭で、周り廊下のある純和風の古い建物であった。一の膳、二の膳・・・眼前にしたのは、過去に見たことが無い、すこぶる肉厚で大きな鰻の蒲焼きだ。芳ばしく、箸で摘み口に入れると、この世の物では無いほどの美味しさに腰を抜かしたのだった。皮がカリカリと、そして身はふわふわと臭みも無く、まったりとした艶々のタレを付けて、ほっかほかの湯気立つ真っ白なご飯の上に乗せ、ガツガツと胃袋に流し込んで行ったのだった。

 それから数年経っただろうか。水前寺東濱屋のあの鰻の味を忘れることが出来ず、近代文学館の真向かいに移転したばかりの同店の暖簾を潜って行った。・・・「あれ、どこかで見たことのある若女将さん!?」・・・じろじろ見ていたら、何と、筆者が2歳頃から世話になった幼友達の従妹さんだった。互いに、じろじろ。また、じろじろ。なかなか言い出せ無かったが、「尚子ちゃん!?」と言うと、「あら、親生ちゃん?」と・・・互いに吃驚仰天。・・・二十数年ぶりの再会であった。

 そんなこんなで、同店には30年近くお世話になっているので、筆者の鰻のスタンダードは同店のレベルになってしまい、なかなか他店でそのレベルを上回る鰻を見付けることが出来ないまま現在に至っている。蛇足だが、四川料理も熊本ホテルキャッスルの四川料理 桃花源がスタンダード、広東料理もホテルオークラがスタンダードとなっており、なかなかそれらを上回る店が出てこないと言うのが正直なところなのである。

 同店の上質の鰻の極旨な理由は、戦後から受け継がれる秘伝のタレ(太平洋戦争で昔のタレは焼失)、そして、独特な鰻の焼き方にある。これから先は企業秘密なので語ることは出来ないが、是非、140年の歴史を誇る水前寺東濱屋の鰻をお試し頂ければと考える次第。・・・熊本に足を運ばれて、食欲無いぞと悩んでいる方。是々非々、この芳ばしくジューシーな極上鰻重をご賞味あれ!!!


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【水前寺東濱屋公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/higashihamaya/Link

               

  • posted by Chikao Nishida at 2013/7/20 12:18 am

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