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トラップを仕掛ける人、トラップに嵌る人。騙すのが悪いのか、騙されるのが悪いのか!?

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 長年仕事をしていると、予期もせぬトラブルに巻き込まれることがある。以下は過去において、筆者が実際に遭遇した事件。筆者の記憶が薄れぬ内に、これからの若くして起業する方々へ、その流れや手口を伝えることで、微力ながらトラップ回避に繋がればと、恥を忍び書き綴るものである。

 冒頭から申し上げておくが、万が一、被害にあった場合は、第三者(紹介者)の顔を立てるなど遠慮してしまうと、筆者のように馬鹿を見る。よって、被害を最小限に止め、徹底抗戦するためには、契約書や覚書をしっかりと結んでおく事が必須。後ほど出てくるが、「太いパイプ」という不確実で無責任な言葉なんぞ、絶対に信用はできない。

(1)仲介する怪しげな人物

 大手企業Kの紹介で知り合った人物H(放送関連)。早々に、人物Hを介して、県外の某ラジオ局アンケート調査分析業務を受注(受注額は500万円)した。

 大手企業Kの紹介なので、その人物Hを放送作家として、全面的に信用していた。しかし、筆者が契約書の話をすると、妙な反応を示したのだった。(この段階で気づくべきだったと後悔している)

 仕方なく送ってきたデータを分析開始、それを終え請求書を送付しても、入金予定日に送金されず、人物Hは突然音信不通となった。発注元のラジオ局に経緯を話すと、既に、人物Hに送金したと言う。

 人物Hは、東京と大阪にオフィスを構えていたので、翌日、大阪のオフィスへ足を踏み入れることにした。

 ところが、大阪オフィスはもぬけの殻。そこで、人物Hを知る方に尋ねると、東京オフィスも既にもぬけの殻で、数週間前に、妻子を捨てて、若い女性と上海へ国外逃亡したと言う。

 筆者(弊社)以外にも被害者が多数いたようであった。しかし、その足取りは正確に掴めず、債権者全員が泣き寝入りすることになった。筆者の損害額はその中でも最小額と聞くから、人物Hの悪人ぶり、豹変ぶりに愕然とした。

 それから数年後、たまたま上海から戻ってきた方の話を聞くと、逃亡した人物Hとそっくりの人間を上海のレストランで何度か見掛けたと言う。情報はそれが最後となり、今も尚、人物Hは行方不明のまま、債権者は大損したままとなっている。

 人物Hの手口は、A社とB社の仲介役となり、A社の業務委託を人物Hが受け、更に、B社に業務を振るという流れである。B社の立場である筆者(弊社)は、A社と直接会うこともなく、結局は、仕事は完了納品したものの、一円も振り込まれず、只働きとなってしまった。

 当時は、電波媒体の業務委託は、口座を設定するだけで、ほとんど契約書なしの、口頭での業務委託が多かったように思える。よって、人物Hのような詐欺師が大勢暗躍する、悪しき環境が出来上がっていたのだろうと。

 面白いことに、このような詐欺、横領事件では、必ず、間に妙な輩が入り込んでいる。優良広告代理店の適正なる手数料(〜20%)であれば健全なるビジネスと言えるが、他人様の金銭全額を持ち逃げするのは、大罪でしかない。本来ならば、刑事訴追まで持ち込みたい気分であった。

 しかし、口頭での業務委託では、被害側に法的証拠が残らず、このように詐欺師が海外逃亡でもしようものなら、刑事告訴もままならぬ状況に追い込まれてしまう。

 よって、業務委託を受ける時点で、いくら相手が拒んだとしても、契約書または覚書だけは締結しなければならない。当時は、「契約書なんぞ、あんたが信用していないからだ!」と激昂し、突っぱねる悪徳経営者も多々いたようだ。(今もいるかも知れない)

(2)或るプロダクションの責任転嫁

 これは、四国の某テレビ局関連プロダクションとのトラブル。受注した業務は、某県商工労働部発注の3D CGシミュレーション動画制作であった。

 当時提示された予算額は4500万円。(1)と同様に大手企業Kの紹介でもあり、四国でも立派なテレビ局関連プロダクションだったので、全てを信用して制作にあたった。

 10月初旬から制作に入り、納品期限の翌年3月31日に四国へ足を運び、完成品(当時としては大作である)を直接プロダクションへ納品した。

 製作費の支払い条件は、着手金は制作総予算の1割、450万円。納品後1ヶ月内に残金4050万円の支払いとなっていた。ところが、その期日を過ぎても、残金が全く振り込まれないので、同プロダクションに連絡を入れると、「某県商工労働部の予算が取れず、支払いができない!」との回答があった。目の前が真っ暗になった。

 スタッフが徹夜を何度も繰り返しながら、一所懸命創り上げた3D CGシミュレーション動画。大容量データのレンダリングに相当時間が掛かった。しかし、その対価が貰えない。とんでもない話である。非常事態、異常事態である。よって、同プロダクションへ、二度足を運び入れ、厳しく交渉に臨んだ。下手すると、弊社が空中分解してしまうような、大損失である。

 ところが、当時のプロダクション会社の役員とプロデューサーが声を揃えて「今後は、太いパイプにて業務委託をしますので、今回の4050万円については、目を瞑って頂けませんか!?」と平謝り。契約書も無く、受注した筆者(弊社)も悪いが、今思い返せば、紹介者を立てることを最優先したことが大きな間違いであった。もしかすると、4050万円を筆者(弊社)へ払うのが勿体無いという話になったのかも知れない。(まだ、フルCGが何処でも創れぬ頃の話である)

 しかしながら、想定内ではあったが、先方が言う「太いパイプ」は付け焼き刃的な逃げ口上であり、結局は、この事件発覚から僅か1件のみの業務委託(200万円の予算)があっただけで、その後は、「太いパイプ」なんぞ、どこ吹く風。

 4050万円の不払いの責任者であるプロデューサーは定年退職。会社役員も入れ替わり、現在は、「太いパイプ」など夢幻となっている。当時、半年間の制作に携わったスタッフたちが、とても可哀想で仕方がなかったが、結局、同プロダクションとは、完全に縁が切れてしまった。

(3)大手広告代理店の大失態と虚言

 任天堂のコントローラーで、無線で操作できるものを開発したという会社Nの話。その会社Nは、飛ぶ鳥を落とす勢いにて、銀行からは即座に数千万の融資を受け、真っ白な新車クラウンを乗り回していた。

 企業Nのコマーシャルを受注したという大手広告代理店AD。筆者が良く知る社長(高校の二まわり上の先輩)から連絡が入った。「制作予算は260万円しかないけれども、コマーシャルをフルCGで作りたいので、協力してくれないか!?」と。

 当時の一般的なCG製作費からすれば半額ほどだったが、先輩からの願いとなれば、受けざるを得ない。それから2ヶ月ほどで15秒と30秒の2パターン、任天堂無線コントローラーのフルCGコマーシャルが完成した。

 手前味噌だが、出来栄えは当時の弊社作品の中でもベスト3に入るほど素晴らしかった。早速、デジタルβカムに録画したものを、同代理店へ納品。

 支払い条件は、60万円が着手金。残りの200万円は納品後1週間以内に支払うことになっていた。

 ところが、ところがである。同代理店の部長から電話が入ってきたのである。すこぶる慌てていていた。「大変申し訳ないのですが、コマーシャル動画のプレビューに会社Nに電話したんですけど、社員全員が解雇されて、代表者が家族共々、夜逃げしたらしんです。勿論、銀行融資の金を握って、逃げたとのこと!」と。

 (1)も(2)も酷い話だったが、高校の先輩と後輩の信頼関係にて受けた仕事が、マグネシウムのようにパッと燃えて消えてしまったのである。絶句しかなかった。完全に人間不信に陥ってしまった。

 ここで、その代理店の社長である先輩から、電話があった。先方の応接室にて説明をして、話し合いの場を持ちたいと言う。

 応接室には、先輩の社長以下、営業部長や課長たちが数人、筆者を取り巻いた。説明は同じことの繰り返し。営業部長が開口一番、「太いパイプで信頼関係を保ち、今後は、その穴埋めと言っては語弊がありますが、業務委託をしますので、目を瞑ってください!」と言う。

 (2)と同じ言葉の「太いパイプ」が、ここにも出てきたのである。筆者は、鈍器で後頭部を殴られた気分であったが、「先輩と後輩」、「太いパイプ」、「義理人情」で仕事を受けることなかれと、心の中で叫んでしまった。

 その広告代理店からは全額返済のないまま現在に至っているが、(2)と同様に、先輩は定年退職し、どこかの会社の専務に天下り。現在も生きているのか否か知る由もないが、とんでもない先輩である。二度と会いたくもない。

 本来ならば、自分が持ち出したものなら、自分で尻を拭えと言いたくもなる。更には、先輩と後輩の信頼関係と豪語するのならば、定年退職前には全て片付けてから天下りせよと言いたくもなる。

 書こうと思えば、まだ数件の事件があるけれども、今回は、この程度で筆を置くことにする。正直、思い出しながら書いていると、じわじわと腑が煮えくり返り、絶叫したくなってしまうのである。

 最後に、標題の結論であるが、トラップを掛ける人間は人に非ず。騙される人間(今回は筆者)は、脇が甘く、常に流され易い大馬鹿者となる。

 勿論、騙すより騙される方が良いと思うけれども、このような失態を繰り返しながら、遅ればせながらであるが、今頃になって、やっと世の中の汚いところや人の悍ましさが理解できたようになった。(遅すぎる!)

 できることならば、経験したくのない事案ばかりである。

 業務を受けるのならば、契約書または覚書を交わすこと。更に、何かトラブルが生じ、相手に非があるのならば、必ず念書を書かせ、穴を埋めてもらうことである。そこに遠慮など、一切不要となる。

 契約書や覚書を交わすのは、双方に信義則を重んじてのこと。勿論、不可抗力により、何らかのトラブルが生じないとも限らないので、そこは、双方の傷口を最小限に止めるための努力をするのが、ホワイト企業としてのプライド、重責であると考える次第。

<追記>
 初手から雁字搦めの基本契約書、著作権に関する契約書、情報漏洩に関する契約書、更に、一方的な業務委託契約書などを、一度に持ち込むところは、逆に要注意となる。内容を吟味すれば、全て何かトラブルが起こった場合に「逃げのブラックホール」が隠されているので、余りにもマウントが目立つようであれば、契約に応じる必要はない。

▼熊本県農業公園カントリーパーク
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写真・文責:西田親生

                           

  • posted by Chikao Nishida at 2022/7/2 12:00 am

死の予告信号・・・

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 ふと、これまでお世話になった方々の突然の訃報を思い出し、この世を去った方々が元気にしていた昔を懐かしんでいた。以下は、筆者の思い込みでもなく、実体験をそのまま書き記したものだが、動物的な第六感と言うべきかどうか分からないが、それら全てに共通の予感(信号)があった。

<優しいシェフの訃報>
 或る日、人気のシェフのところに遊びに行き、いつものコース料理をオーダーした。しかし、いつもとは空気が違う。厨房の中では何度か物を落とす音がレストランホールに聞こえた。奥様が料理を運んできてくれたが、どうも塩味が強く、いつもの料理とは別物だった。

 自宅に帰り、あまりに胸騒ぎがするので、料理の御礼と心配事を奥様へ電話をすることにした。「シェフが、厨房で何度も物を落としていたようですが、様子がおかしいと思い電話しました。料理全体が塩味が強かったので、シェフの体調が悪いのかと思って・・・」と話をした。

 奥様は「最近、疲れているんだろうと思いますが、塩味が強かったのはお詫び申し上げます。主人にも伝えておきます。」と言って、電話が切れた。

 それから数日後に訃報が飛び込んできた。奥様からの電話である。「先日ご心配をお掛けしました。昨日、どうも体調が悪いと本人が言い出したので病院へ連れて行きましたが、本日、絶命いたしました。ご心配をお掛けして大変申し訳ありません。」と・・・・・。

 筆者は絶句の状態で、次の言葉が何も出なかった。数日前に病院へ行っていれば、絶命に至らなかったかも知れないと悔いたのだが、脳梗塞だったらしい。厨房の物音、料理の塩味、レストランの空気など、思い起こせば、筆者の予感など当たらぬ方が良いと思った。

<先輩の急死>
 或るレストランに、十数年ぶりに見る先輩の姿があった。会釈をして近寄ろうとすると、何と筆者が誰なのか分からない様子。前職の時に、すこぶる仲の良い先輩後輩だったけれども、筆者の顔を忘れるはずがないと思ったが、それが現実であった。

 表情を伺うと、目が泳いでいるというか、死んでいる。足元から浮遊しているかのように、「生気」を感じることがなかった。ここでも、第六感の嫌な予感がしたのである。しかし、悪いことは考えまいと、さっさと食事を済ませ、会釈をして店を出たのである。

 それから2ヶ月後。先輩の奥様から電話があった。重苦しい空気を感じる電話のようだ。奥様が開口一番「主人は数年前から脳の萎縮する病気となりましたが、本日、肝硬変が原因で他界しました。亡くなる時は、私のことさえ誰だか分からなかったようです。」と。絶句した。

<夜食を届けにきた知人の急死>
 歳は二周りほど上の知人。或る日の深夜に、イサキの塩焼きを差し入れに来てくれた。「これ、もらいもんだけど、料理人に頼んで、美味しく焼いてもらったので、夜食にしてください!」と。イサキの塩焼きの皿ごと筆者に渡し、俯き加減に玄関を出て行った。何気に元気がない。

 またまた嫌な予感がする。父へ「Aさん、もしかすると、自殺するんじゃないかな!?」と言った。間、髪を容れず、父が激怒して「そんな、不吉なことを言うもんじゃない。それも、人様が自殺をするなんて、失礼じゃないか!」と、目くじら立てて筆者を叱責した。

 そして翌日深夜に、警察より筆者に電話があった。「昨夜、Aさんにお会いされましたよね。何か変わったことはありませんでしたか?」と聞かれた。そこで、「Aさんの顔色が良くなかったので、自殺するんじゃないかと父に言うと、こっぴどく叱られました!」と答えた。

 「あ、そうですか。現在、◯○駅の構内にいるんですが、先ほど、Aさんが飛び込み自殺をされたので、何か心当たりがあればと思い、連絡した次第です。手帳に、昨夜お会いされているとメモに残されていたので、電話したのですが。身元確認をお願いできませんか?」と。筆者の嫌な予感がまた現実となった。

<お客の事故死>
 先輩夫婦で営んでいるラウンジに招待された。指定された席に付くや否や、筆者の目の前を泥酔した男性二人が、出口の方に向かって、よたよたと歩き始めた。その後ろから、店の女性が送り出しに向かっている。

 二人の客の先を歩く男性の横顔が、突然、緑色に見えた。なぜ緑色に見えたのか理解に苦しむが、何度思い起こしても、緑色に違いない。

 それから十数秒後、店の外から「たすけてー!たいへん!」とパニックになった女性の声が聞こえてきた。吹き抜けの高層ビルなので、思いの外、声が館内に響いた。店主と奥様がドアを開け外に出る。そこは3階だが、泥酔していた男性の一人が、手摺を乗り越えて1階フロアへ落ちたと言う。

 即死の状態である。すぐに救急車と警察を呼び、事故に対応したが、その男性は34歳であった。若くして事故死とは、ご遺族の方々も現実を直視できないのではなかろうかと、とても胸が痛くなった。しかし、ここでも、緑色の横顔・・・自分自身の妙な第六感に嫌気がさした。

 このような体験は、母の急死(病死)などを含め沢山あるが、正直なところ即刻記憶を消し去りたい。ただ、人には「生気」というものがあり、その「生気」がぶっつりと切れる瞬間に、筆者のセンサーが作動するのだろうと。癌細胞の臭いを嗅ぎ分ける犬のようなものかと、自分なりに分析しているのだが・・・。

※以上は、筆者の体験であり、フィックションではありません。


▼熊本県護国神社の梅林にて
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  • posted by Chikao Nishida at 2022/2/8 12:00 am

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