ロゼッタストーンBLOGニュース

The Rosetta Stone Blog

タグ » 村上信夫

Kumamoto Hotel Castle (1)古典的フランス料理

castle20230508-1


 古典的フランス料理は、素材や調理法、盛り付け、デザインなどを見ると、現代版とはやや異なる。フレンチに限らず、料理は時代の流れの中で流行り廃りがあり、昨年まで人気だったものが、急に目の前から姿を消す事もしばしば。

 近代フレンチの世界では、皆さんがご存知の通り、オーギュスト・エスコフィエ(1846-1935)は突出していた。5000を超える膨大なレシピを持つ神的存在であり、世界のフランス料理人の衆目の的でもあった。

 そのエスコフィエから、秋山徳蔵氏(1888-1974/大正時代〜昭和時代の天皇の料理番)がオテル・リッツ・パリにて学んだものが、少なからずとも日本のフランス料理に影響を与えたことは、史実として残っている。

 戦後のフレンチの匠と言えば、帝国ホテル総料理長となった村上信夫氏を挙げることができる。同氏はNHK料理番組で活躍し、コンテンポラリーなフレンチで、家庭で簡単に作れる洋食調理法(例えば、フォークだけでつくるオムレツ)を全国津々浦々へ広めて行ったのであった。

 前置きが長くなったが、ここで写真下をご覧いただきたい。

 最初の写真であるアパタイザーでは、ウニの上にキャビアと金箔がトッピングされている。底はコンソメジュレが添えられており、小さな赤と緑の点描でデザインが施されているが、これこそ古典的なデザインとなる。

 また、2枚目はフォアグラのダミエ柄(日本では市松模様)も古典的なデザインであり、長芋を海苔で巻いてあり、日本風にカスタマイズしたものであることが分かる。

 デミタスのコンソメスープは、実は、帝国ホテルの伝統的なコンソメのレシピで作られており、蛤とオマール海老の料理も、素材を活かした味付けにて、古典的な盛り付けになっている。

 これら料理は、熊本ホテルキャッスルの元総料理長 佐々良清氏の創作料理であったが、数年前に退職されて、これから先二度と食すことができない貴重なものになってしまった。

 以前、同氏へレシピ集の書籍出版を打診したことがあったが、当時はご本人の自由な時間が取れず、残念ながら、貴重な古典的フランス料理のレシピ集を本にすることができなかった。

 そもそも、シティホテルのレストランの主役はフレンチである。しかし、最近は、特に地方のシティホテルではフレンチが奮わなくなり、フレンチレストランを閉鎖するところも増えてきた。

 何とかフランス料理の素晴らしさを子供や孫たちに伝えることはできないか。高級和食処と同様に、料理を食すマナーや服装、そして雰囲気などが庶民的なものから掛け離れており、それらが障壁になっているに違いない。

 よって、シティホテルのフレンチレストランでは、コンテンポラリーなフランス料理を浸透させるに、我々庶民を惹きつけるものを提供できるような秘策を講じる必要がありはしないか・・・。
castle20230508-2


castle20230508-3


castle20230508-4


castle20230508-5


castle20230508-6


castle20230508-7


castle20230508-8


castle20230508-9


----------
◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995/熊本県第一号WEBサイト)
 https://www.dandl.co.jp/Link
写真・文責:西田親生


             

  • posted by Chikao Nishida at 2023/5/8 12:00 am

三國清三シェフより閉店のご挨拶・・・次の矢は何処へ放たれる!?

HOTELdeMIKUNI2022


 鬼才・三國清三シェフのドキュメンターリー(コーナー)をテレビで放映していたが、毎年、何十年も、挨拶状が田舎熊本に住む筆者のところへ届いていたのには驚いた。

 昨年末に届いたのが、写真上の『HOTEL DE MIKUNI』閉店の知らせ。とても残念な気持ちを一言で表現できないけれども、同氏の料理は優しいようで、どこかに強いメッセージが込められていたことを思い出す。

 随分前の話だが、大阪にも和食の店をオープンした同氏。早速、熊本県内の経営者グループの勉強会(筆者主催)として、関西テレビの視察などをプランに入れて、食事を同氏の和食レストランにて食すことにした。

 フランス料理と和食がコラボしたメニューもあったが、筆者の感覚としては、大阪の方々には馴染まぬものではないかと、当時を振り返る。

 先ほど、テレビで同氏が帝国ホテルの村上信夫総料理長からジュネーブ行きを命ぜられたところで次回をお楽しみとなったが、実は、同総料理長が頂点に上り詰めたキッカケもまた、『皿洗い』ではなかったか。

 そこは、コメンテイターに突っ込んで欲しかったところでもある。憶測の領域を脱し得ないけれども、多分に、同総料理長の若き頃と目の前の三國清三氏がオーバーラップしての奇策ではなかったかと思うばかり。

 何はともあれ、三國清三という人物が世界に名を馳せたのは、舞台は1989年のニューヨーク『キルテッド・ジラフ』。米国のセレブたちを唸らせた料理である。それも、高熱で舌感覚がないままに成し遂げた快挙であった。

 その話は、筆者が食事中、三國清三シェフが挨拶に来られた時に、ご本人より直接聞くことができたのだった。

----------
ロゼッタストーン公式サイト(since 1995/熊本県第一号WEBサイト)
 https://www.dandl.co.jp/Link
文責:西田親生


               

  • posted by Chikao Nishida at 2023/1/9 12:00 am

1995年以来情報発信している老舗ポータルサイト「ロゼッタストーン」のブログをお楽しみ下さい。詳細はタイトルまたは、画像をクリックしてご覧ください。

behanceオブスクラ写真倶楽部ディー・アンド・エルリサーチ株式会社facebook-www.dandl.co.jp