ロゼッタストーンBLOGニュース

The Rosetta Stone Blog

タグ » 日本料理えのきぞの

地道に歩む食事処に優るものはない。

enokizono20230703


 本日、久しぶりにご紹介するのは、「日本料理えのきぞの」である。筆者にとっては隠れ家的存在であり、粋な食事処として時折利用させて頂く。

 以前は熊本市内の大江地区にあったが、2018年9月19日に現在の新屋敷へ移転。前身は名の通った料理学校であり、そこで教鞭をとっていた三代目の榎園豊成氏が一念発起して世に出したのが「日本料理えのきぞの」になる。

 祖父は昭和の夜明けに東京上野の精養軒に勤務しており、全国の料理人憧れのハイカラ・レストランにて修行を積んでいた。その百年に及ぶノウハウの蓄積が、二代目、三代目に継承され、四代目も裏方にてしっかりと同店を支えている。

 新屋敷に移転して早々にコロナ禍となり、大変な時期を乗り越え、現在に至っている。その間、根強いファンが定期的に弁当を注文したり、家族連れで記念日を祝ったり、お節を注文したりと、地道に歩む「日本料理えのきぞの」を支えてくれた。

 同氏は、熊本県内では名門私立の進学校に進んでいたが、祖父、父の継承を決意して、日本料理の修行のために関西方面に赴く。寡黙で柔和な性格のプロ中のプロの職人であり、地道に歩む姿勢は頑固なまでに変わらない。

 多くのメディアの取材があろうとも、丁重にお断りをして、自らの遣るべきことをしっかりと遣り通す信念には、圧倒される。同氏と奥様、そして長男が営むこぢんまりとした食事処には、筆舌に尽くし難いほどの「日本料理の原点」を垣間見ることができる。

 最初にお会いした頃に、月心寺の故 村瀬明道尼(NHKドラマ『ほんまもん』の主人公)が創り出す「胡麻豆腐」の話で盛り上がったが、熊本県内にて村瀬明道尼の「胡麻豆腐」を知り得る人は、そう多くはないと推察する次第。

 筆者も若き頃(新聞社の若造/RICOH全国講師を受けていた頃)に、村瀬明道尼健在なる時、月心寺に足を運び入れ、精進料理を満喫したことがあった。豪快な村瀬明道尼であり、「胡麻豆腐」の強烈な印象は脳裏に焼きつき、筆者の精進料理のスタンダードになっている。

※NHKドラマ「ほんまもん」の村瀬明道尼役は野際陽子さんが演じた。

 このように、日本料理の歴史と伝統を受け継ぎ、その貴重な食文化、食育を啓発しているのが、同店のような地道に歩む食事処であると言える。

 決して、ローカルテレビのタレントが食文化を学ぶこともなく、宣伝方々わいわい騒いで紹介するような、軽々なる存在ではない。

 畢竟、地道で平身低頭なる姿勢で、究極の日本料理を可能な限りリーズナブルに提供している食事処に勝るものはないということである。

 兎に角、日本という国は、歴史と伝統を誇る歌舞伎、茶道、華道、邦楽、高級寿司店など、筆者のような一般庶民には縁遠いものではあるが、それぞれの原点を軽視して尖りすぎると、最近の報道でお判りのように、スキャンダラスな事件事故が頻発するのではないかと危惧している次第。

 命を支える「食の原点」とは如何なるものかを振り返り、唯一無二なる日本ならではの「食文化」を啓発している食事処に目を向けられてはと思うばかり。

 きっと、〆となる「土鍋焚き立てご飯」の素晴らしさが、脳裏に焼き付くに違いない。

▼月心寺公式サイト
http://gesshinji.jpLink
▼日本料理えのきぞの公式サイト
https://www.dandl.co.jp/enokizono/Link
enokizono20230703-1


enokizono20230703-2


enokizono20230703-3


enokizono20230703-4


enokizono20230703-5


enokizono20230703-6


enokizono20230703-7


enokizono20230703-10


enokizono20230703-11


enokizono20230703-8


▼ランチ、ディナーの懐石料理サンプル
enokizono20230703-12


▼茶懐石料理サンプル
enokizono20230703-13


▼逸品一筆
https://note.com/chikaonishida/m/m8168b0aad056Link
----------
◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995/熊本県第一号WEBサイト)
https://www.dandl.co.jp/Link
写真・文責:西田親生


             

  • posted by Chikao Nishida at 2023/7/3 12:00 am

ロゴ「えのきぞの」に苦悩の挙句・・

D60_6620


 日本料理 ENOKIZONOが、9月上旬に熊本市中央区新屋敷へ移転し、新店舗「えのきぞの」として立ち上がる。

 オープンが約ひと月後に迫る中、唐突に同店ロゴ制作のオファーがあった。伝統ある和食処のロゴとなると、すこぶる重責である。打ち合わせ途中で、間髪を容れず受けたものの、ここ数年遠ざかっている書をもって、ロゴができるか否か、不安の方が先立った。

 時間もない、筆の感触さえ忘れかけているけれども、受けたからには約束を死守しなければならない。倉庫から、当時使用していた筆15本ほど、硯、墨、毛氈、文鎮など書の一式を取り出し、先ずは筆と硯の洗浄、掃除から始めた。

 翌日、文具店に足を運び、半紙を購入し、オフィスに戻るや否や、頭の中で何度もぐるぐるとイメージした文字を指でなぞり、更に筆を持ち、同様に何度もなぞってみた。墨は奈良にある有名店のものなので、じっくりとすり始め、一気に書こうと心に決めた。

 実は、筆者にオファーがある前に、4点ほど候補があると言う。それらを見てしまうと軸がブレるので、一切外からの情報を遮断し、自分流で一気に書いていった。しかし、思いの外、筆が走らない。書けば書くほど、筆先が滞る。手首も指先も固く感じ、どうしてもイメージ通りに動かない。

 そうしている内に、お題である「えのきぞの」という文字を書くのを止め、水墨画みたいなものを描き始めた。絵であれば何度も重ね描きができるが、文字となるとそうはいかない。深夜に始めたロゴ制作が、気づけば夜が明ける頃になってしまった。

 「さあ、最後の一筆!」と自分に言い聞かせて、書いたものが下の書である。当初、何パターンか提出するつもりだったが、今の自分にできることは、この一筆のみだろうと思い、次回の打ち合わせ会議にこの一作を持ち込むことにした。

 重責が果たせるか否かは、現地でのオーナーシェフの反応次第である。・・・「これで、お願いします!」と一言。その一言が出るまでの時間は十数秒だったと記憶するが、筆者にとっては相当長い時間が経ったように思えた。

 結果的に、幸運にも筆者のロゴが選ばれた。正直なところ、ロゴデザインを制作する場合、今回のように頭を痛めたことはなかったが、スタッフが「いつも遊び半分でしたが、今回は真剣でした!」と言われて、なるほどと頷き、苦笑してしまった。

▼過去記事
http://www.dandl.co.jp/rsblog/index.php?UID=1498575600Link
http://www.dandl.co.jp/rsblog/index.php?UID=1499871600Link
http://www.dandl.co.jp/rsblog/index.php?UID=1531050857Link
http://www.dandl.co.jp/rsblog/index.php?UID=1531244928Link


enokizono



◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995)
 http://www.dandl.co.jp/Link

             

  • posted by Chikao Nishida at 2018/7/29 12:00 am

1995年以来情報発信している老舗ポータルサイト「ロゼッタストーン」のブログをお楽しみ下さい。詳細はタイトルまたは、画像をクリックしてご覧ください。

behanceオブスクラ写真倶楽部ディー・アンド・エルリサーチ株式会社facebook-www.dandl.co.jp