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とかくに人の世は住みにくい・・・

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 自然の中に入り込むと、仕事現場での喧騒を逃れ、自然体にて自らの背中を見直すことができる。

 世の中には、自らを含めていろんな人がいる。せっかちな人、のんびりな人、目に落ち着きがない人、手柄を全て自分のものにする人、失敗を他人に押し付ける人、本業を忘れてタレントのような素振りをする人、肩書きにぶら下がり引き際の悪い人、アルコール依存症になり思考回路が狂った人などなど、千差万別である。

 人種差別が叫ばれる昨今だが、人種差別をする人間ほど心が歪みきっている。権力を手にすると暴君と化し、身勝手な行動を正当化し、他人へ迷惑掛けても素知らぬ顔をしている。損得ばかりを最優先し、他人様への気配りなど一切ない人もいる。パワハラ、セクハラなんぞ御構い無しである。

 現代社会の流行なのか、世界各国の元首で尊敬に値するような人格者を見かけることが少なくなった。発達障害なのか、子供のような我儘三昧が罷り通ると思い込んでいるのか、権力の拳を振り下ろすことに快感を覚える暴君たち。民主主義という柔らかな絹の布で覆われている国がどれだけあるかと言えば、皆無に等しい。

 国家間のトラブルでも、相手の言葉尻ばかりを取り上げ、自らを正当化するために虚偽の発言や難癖を繰り返す民度の低い国もある。内政安定のために、恐怖政治を強行し、国民を脅しながら虐げ、身勝手にも保身にのみ走る元首たち。国民の象徴的存在であるべき元首が理想的なのかも知れないけれども、九分九厘、私利私欲に走る。

 そんなこんなを考えていると、漱石が草枕の冒頭で語る「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」を思い起こす。SNS時代になり、電話も取れない、電話を怖がる世代が増えたというが、本来のヒューマンコミュニケーションの欠落が齎した現象であろうと考える。デジタルで忘れ去られつつある、アナログな人とのFACE TO FACEのお付き合い。見直す時期が来たようだ。


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文責:西田親生

                   

  • posted by Chikao Nishida at 2019/7/26 03:06 pm

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