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深い歴史に包まれて・・・老舗の魅力

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 百四拾年の歴史と伝統を誇る、鰻専門店「水前寺東濱屋」を一度に語ろうとしても語りきれない。よって、数回に分けて色んな角度で伝えようとしても、なかなか思考がまとまらず、四苦八苦している筆者が居る。

 同店に最初に足を運んだのは、三十年前の事。当時は現在の位置から道を挟み真向かいにあった。立派な料亭の造りで、足を運ぶ客を圧倒する庭が、その料亭を包み込んだいたのだった。・・・残念ながら、近代文学館建設に伴い、移転を余儀なくされ、現在の位置に同店が新築された事になる。

 それから数年が経ち、再び同店(現在の位置)に足を運んだのだった。・・・そこには、どこかで見たような女性が若女将として店内を忙しそうに走り回っていたのだった。・・・「どこかで見たような?どこかで会ったような?」・・・と、それから20年前まで遡り、頭の中にある少女のモンタージュ写真とその若女将の顔をすり合わせてみたのだった。

 「分かった!・・・失礼ですが、○○ちゃんの従妹さんじゃない?○○ちゃんでしょ!?」といきなり大声を発してしまったのだ。・・・大当たりだった。筆者が2歳の頃からずっと世話になっていた幼友達(2歳年上)の従妹であったのだ。20年ぶりの再会だったので、少女が大人の女性になっている為に、何度も自分の記憶の中にあったモンタージュ写真が揺れ動いたのだった。・・・当たって、良かった。

 そのような再会が同店とのお付き合いの始まりとなり、新聞社当時から現在まで30年間、たまに足を運んでは、極上の鰻をたらふく食させて頂いているのである。

 熊本県を代表する野田健郎画伯も同店に足を運び、余りの鰻の旨さと、周囲の庭の素晴らしさに、咄嗟に絵筆を走らせたと言う。当時、同画泊がさらさらと描いた絵が、壁に掛けてあるが・・・咄嗟の余り、画用紙を引き裂いて、水彩で描いたもの。・・・庭の大きな池の奥に宴が催されており、その人影や電球の光が、水面にゆらゆらと映り込んでいる。実に素敵な絵画だ。

 店主や若女将の話を聴けば、気が遠くなるほど歴史深い老舗だったので、鰻を食すのを忘れてしまうほど、その当時の料亭の様子や足を運ぶ常連客のイメージが頭の中いっぱいとなってしまった。

 しかし、最近はしらす鰻の異常なほどの高騰で、大変な状況下に置かれている鰻専門店だが、何とか日本人の食の楽しみを子々孫々まで受け継いで頂けばと・・・。筆者の写真や駄文ではあるがこのような記事により、微力ながら素晴らしい食文化を継承する同店を応援できればと、ただひたすら取材をしている次第。

 万が一、我々の食文化から鰻が無くなれば、大きな楽しみの一つが消えてしまうのである。鰯や秋刀魚、あなごなどで誤魔化しても、絶対に満足できない筆者が居る。・・・栄養価が高く、良質のタンパク質である鰻料理。・・・その火は絶対に消したくはない。鯨やマグロを食せ無くても、別に何の支障もないが、鰻はちと困ってしまうのである。考えるだけで、心に風穴が開いてしまう。

 個人的な事だが、以前、死期が迫った人から頼まれたことがあった。それは、「死ぬ前に、凄く旨い鰻が食べたい!」と・・・。テイクアウトの鰻重や鰻のせいろ蒸しを、その人に持って行った事があった。末期の癌で余命2ヶ月ほどだったろうか・・・。食欲も全く無くなり、がりがりに痩せ衰えた人だったのだが、「芳ばしい香りと甘辛い、極上の鰻のはたまらない!」と、筆者の目の前で鰻重をペロリと食べてしまった・・・。


▼東濱屋跡の公園内(近代文学館横)
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▼東濱屋跡の公園内(近代文学館横)
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▼東濱屋跡の公園内(近代文学館横)
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▼東濱屋跡の公園内(近代文学館横) 表札は現在の同店玄関に立っている
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▼以下写真は、2012年〜2014年に撮影したもの。
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【水前寺東濱屋公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/higashihamaya/Link

【ロゼッタストーン公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/Link

                 

  • posted by Chikao Nishida at 2014/2/8 02:15 am

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