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『お人好し』と指摘され、何度も考えてみた。・・・結果、『お人好し』だった。

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 最近、心から敬愛する人から「未だに、お人好しが治っていない!」と言われ、これまでの半生を振り返り、記憶に留めている(ほとんど記憶にある)ものを引き出しては、自分の言動、挙動を再検証することに。

 人と人との関わり合いは『如水』であることは十分承知の上だが、何事も、特に仕事関係を振り返れば、結果的に『お人好し』が邪魔をして、バカを見ることが多かったように思える。結論は、指摘された通り『お人好し』に間違いはない。

 セキュリティ管理については万全と思っているけれども、仕事に関しては、相手が語る言葉を鵜呑みにしてしまう傾向がある。それは『性善説』的なものが邪魔をして、頭から相手を疑わない性格のようだ。

 特に、仕事となれば、その人なりとの繋がりにおいて、随分過去のことまで遡り記憶に留めているので、全て、良い方に良い方に物事を考え、更には、過去の繋がりまでをも大切にする傾向がある。しかし、大抵の人は変わってしまう。

 プライベートであろうが、ビジネスであろうが、『如水』というものが最良の基準か否かを考えてみたが、畢竟、心を許し、全幅の信頼を持つ人は例外として、一般的な関わり合いは『如水』に限る、という考えが賢明なように思えてならない。

 ただ、ビジネスのおいては、相手の立場を考えれば、特に、しっかりした職業であり、それなりの職位を持っている方であれば、初手から、相手の言葉一つ一つを信じたくもなる。しかし、冒頭に申し上げた通り、『お人好し』が原因で、『大ドンデン返し』で凹むことが多かった。

 ここ数年を振り返っても、同じような『大ドンデン返し』が、幾つも目の前を過ぎ去っていった。相手の『豹変』ぶりに腰を抜かすばかりか、これまで相手が放ってきた言葉が全て『虚言』となり、その凹みというものは、1mもの厚みのある『信頼』の鉄の塊が、0.1mmの薄っぺらいものになったかのようで、『人間不信』に陥ってしまうのである。

 既述の或る人曰く、「ずっと言ってたでしょ。お人好しなんですよ。皆の言うことを信じてしまい、更に、一所懸命になって全力でサポートしようとしても、その心が伝わる人は少ないんです。だから、お人好しは利用されるんですよ。もういい加減に、お人好しを治してください!」と。

 父が生前、若かりし筆者へ漏らしたことがあった。「お前は、検察官には似合わない。裁判官だったら良いかも知れないが、どうも、お人好しすぎる!」と。法曹界にいた父が漏らした言葉に、当時、腑が煮えくり返ったが、その時、既に見透かされていたのかも知れない。

 元々、母方の人間に近いというか、博多に住んでいる母方の親戚を見回すと、皆、『お人好し』。とても優しい叔父叔母、従兄弟ばかりだ。血は争えず、母方のDNAをしっかりと受け継いでいるのが、筆者なのであろうと。

 つい最近も、『言った・言わない』で、長い間待ち望んでいたことが、目の前で吹っ飛んでしまった。まあ、京都の人間らしい『言葉の綾』なのかも知れない。この時点で数十年間大切にしてきた『信頼の絆』がぶっつりと切れてしまった感がある。

 世の中、そう甘くはないと言うことである。人と人との関わりは、『如水』に限る。『如水←上善は水のごとし』は、思いの外、奥深い人生訓である。尚、『如水』の語義は複数あるので、Googleでお調べいただければと。

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書・文責:西田親生

                     

  • posted by Chikao Nishida at 2022/10/31 12:00 am

「社員を百人斬れば、黒字になる!」という怖い話。・・・使い捨てのような言葉に唖然。

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 或る人物から電話があった。経済界の重鎮である。長年、観光業に携わってきた人だが、ニューノーマル時代となり、ホテルや旅館、特に、大手ホテルの厳しさを語ってくれた。

 「いや、今のままだったら、昔ながらの大手ホテルは次から次へダメになりますよ。まあ、色々と銀行との交渉が鍵を握ってはいるものの、そこで、社員を百人斬ったら、そりゃ、黒字になる。でも、後が続かない。」と。

 開口一番に、『社員の百人斬り』という無慈悲な言葉が飛び出してきた。全国取材で利用させていただくホテルの社員数を振り返れば、二百五十人〜五百人程度が多かったように思えるが、そこで『社員の百人斬り』となれば、小さなシティホテルであればビジネスホテル化してしまう。

 数年前までの華々しいブライダルや大規模宴会などは鳴りを潜め、どこのシティーホテルを覗いても、閑古鳥が鳴いている。地球規模の伝染病によるものなので、仕方ないと言ってしまえばそれまでだが。

 しかし、安直に『社員の百人斬り』という言葉が出るところが、驚きでもあり、怖くなってしまう。勿論、過去において、大企業が工場閉鎖にて、数千人単位で職を失う人たちの姿を見たことはあるものの、不景気だからと言って、『社員の百人斬り』という考えは筆者の頭にはない。

 シティホテルでは、上層部は僅か数人の役員と十数人の管理職で構成されているが、その下に兵隊さんが二百人と仮定すると、その僅か数人の役員の机上のシミュレーションによって、無慈悲な『社員の百人斬り』が簡単に行われること自体、首を傾げてしまうのだ。

 以前、帝国ホテルのドキュメンタリータッチの報道があったけれども、社長自ら全社員へ『秘策』、『奇策』のアイデア募集を願い、社員から数千通のメールが届き、感無量となった社長の表情が今でも心に焼き付いている。

 そこで『社員の百人斬り』なんぞの低レベルな話ではなく、「なんとか打開策を皆で探し出し、全社員と共に、次のステップを踏み出そう!」と語る、人として素晴らしい英断をする同ホテル社長に惚れ惚れとした次第。

 流石に、1887年12月1日創業(135年の歴史)の帝国ホテルである。国内のホテルのホテルとして、食文化ばかりではく、ファッションやブライダル、そしてショッピングモール、ディナーショーなどのお手本となってきた『made in Japan』の同ホテル。筆者のホテルスタンダードのバイブル的存在となっている。

 そこで、カントリーサイドの人間が、『社員の百人斬り』を平気で口にするのだから、恥ずかしくて物が言えない。社員を虫ケラ同然に見下しているからこその発言かも知れないが、それは人として如何なものかと閉口するばかりであった。

 勿論、各地のシティホテルやリゾートホテルは大変な状況下にあることは理解できる。されど、外資系のホテルが次から次へと進出してくる中で、『made in Japan』をもっと大切にしたいという考えが、筆者の心にはある訳だ。

 カントリーサイドのホテル群では、地元の人間が大半を占め、支えているのだから、そこで『社員の百人斬り』はなかろうと。役員たちが給与を放棄してでも、ホテルを死守するくらいの意気込みは欲しいものだ。

 いやはや、『社員の百人斬り』という言葉は、とても信じ難くもあり、核爆弾実験のように、多くの人々を苦しめるように思えてならない。「隣のホテルが『社員の百人斬り』やってるから、こちらも遣ろうか!」程度の考えであれば、それはホテル経営者としては失格というレッテルを貼られてしまうに違いない。

 経営側の数字のシミュレーション(机上の空論)では、客足は遠のいてしまうばかり。常連客も一見客も姿を消してしまう。普通の規模のホテルであれば、『社員の百人斬り』を二度やれば、完全にビジネスホテルと化してしまう。今頃、部屋を毎日埋めても、全体総売上の何割を占めるのだろうか。焼け石に水のような物だ。

 それに比べ、前述の帝国ホテルの社長の英断は、全く次元の異なるところで思考を巡らしているところが、本当に素晴らしいし、その部下となる社員たちの信頼(絆)は、次の世代、更に次の世代へ受け継がれて行くはずだ。

 今から20年ほど前の話だが、帝国ホテル社長の故 吉村勲人氏(熊本市出身)を思い出したのである。社長就任の時に『ヒューマンウェア、ソフトウェア、ハードウェア』の三位一体論を語り、当時の帝国ホテルに勢いをつけた『策士』であった。

 諄いようだが、『社員の百人斬り』なんぞ、とんでもない話である。軽々に口に出してはならぬ、『禁句』でありはしないか。

▼東肥 赤酒(瑞鷹株式会社)
 故 吉村勲人氏の実家が瑞鷹株式会社(熊本市)
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写真・文責:西田親生

                     

  • posted by Chikao Nishida at 2022/10/30 12:00 am

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