ロゼッタストーン東京ARTブログ

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追伸 : 100年後の森へ

前回ご紹介した、明治神宮の美しい森。  東京ドームが15個すっぽり収まってしまうこの緑の大地は、大正時代に出現した人口の森なのです。

全国からの献木と、ボランティアの方々の力によって、荒れ地だった代々木の地は、訪れる人々の心を潤す森に生まれ変わりました。 

この森が創られる時、100年後には人間の手を入れなくても自ら進化してゆく広葉樹の自然林となるように...、という願いが込められていました。

今、この森は完成に近づいています。

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表参道口の大鳥居をくぐると、森に囲まれた大きな南参道が広がっています。 すぐ隣に山手線が走っており、電車の音が森に響き渡っています。

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森は様々な植物であふれています。 このネズミモチは初夏の花。 5メートルほどになる常緑の小高木です。 カールした小さな花びらが特徴的です。 秋には紫黒色の実を付けます。

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夕暮れの西参道の鳥居。 親切に森を案内してくれた警備員さんが、私服に着替えてこの鳥居を抜けて帰ってゆきました。

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本殿の前の注連縄。 二本並んだ夫婦楠に結ばれています。 静かに祈る若い男性の後ろ姿が印象的でした。

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境内のご神木。 この大楠も、約100年前にどこかの遠い地から運ばれてきたのでしょう。 堂々とこの森を守っています。




100年という壮大なスケールで創られた、かけがえのない森....。 遠い未来の人のために木を植えてくださった方々がいたのです。

これから100年先の時代を生きる人々のために、この森を美しい姿のまま手渡せるように、大切に守ってゆきたいですね。

 


posted by ロゼッタストーン東京ART at 2013/6/23 10:29 pm   commentComment [1] 

明治神宮御苑

ここは、渋谷区にある広大な森...。 明治神宮御苑です。 

江戸時代に、加藤家、井伊家の下屋敷があった場所ですが、明治時代に宮内省の所轄となった美しい大樹の森です。

森の奥には湧水もあり、一歩中に入ると、ここが渋谷区であることを忘れてしまいます。 ある6月の雨上がりの午後に訪れた、森の風景です....。

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東門から、御苑に入ると、大きな南池が見えてきます。 ここにもたくさんの鯉や亀、水鳥などが住んでいます。  
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鬱蒼と生い茂る樹木。 実は、この大きな照葉樹の森には...、かわいいタヌキがいるんですよ。 お天気の良い日には、森からひょっこり現れるのだそうです。

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更に進んでゆくと、細長い菖蒲田が見えてきました。 6月は、花菖蒲の季節。 ブルーや、紫、白...。 池は美しい花の色であふれています。 

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花菖蒲には、いろんな名前がつけられています。 この紫色の花の名は、「五湖遊」(ごこあそび)。 この菖蒲田の花々は、明治時代に昭憲皇太后様の為に植えられ、職員の方々によって今日まで大切に守られてきました。

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午後の日差しに輝く池。 大きな白鷺が頭上を飛んでゆきました。 

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この季節の散策は、夕方の5時まで。(土・日は午後6時まで) 北門から御苑を出て、本殿でお参りをして帰りました。 神宮を出る頃には、森は薄暗くなり、 参道を灯りが照らしていました。


ここには掲載しませんでしたが、森の一番奥には、清正井(きよまさのいど)という泉があり、今も地中から驚くほど澄んだ水が湧いています。 花菖蒲を美しく咲かせているのは、この泉の水です。 まさに今、菖蒲が満開ですから、ぜひこの森を散策してみてくださいね。 


posted by ロゼッタストーン東京ART at 2013/6/18 10:25 pm   commentComment [1] 

根津美術館

港区南青山の、深い谷。 周りを高い塀に囲まれたこの森は、根津美術館の庭園です。 

ここもかつては武家屋敷でした。 明治の後期に、美術館の創始者が荒れ果てていたこの谷を、自宅の庭園として現在の形に整備したのだそうです。

ここにはまだ数カ所の湧水が残されており、その豊かな水が、美しい森を育んでいるのです...。

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谷の底にある水辺。 ここへ来ると、渋谷という土地が、かつては谷であったということを思い出します。

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森の奥へ続く、庭石。 どこからか、水の流れる音が聞こえてきます。

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ここも、湧水のひとつです。 池へ続く小川に流れてゆきます。

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午後の光を浴びて、輝く森。 野鳥の声が聞こえます。

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イロハモミジの古木が、初夏の強い日差しから守ってくれます...。

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まるで、秋のような色合い...。 紅枝垂れ紅葉は、春から夏までは葡萄茶色。 秋には燃えるような深紅に染まります。

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森の奥に咲いていた、未央柳。 梅雨を彩る花です。 雄しべが繊細で綺麗ですね...。



どんな季節に訪れても、美しい表情を見せてくれる、都会の宝石のような森...。 青山へでかけたら、是非、散策してみてくださいね。




★根津美術館★ http://www.nezu-muse.or.jpLink   


posted by ロゼッタストーン東京ART at 2013/6/9 11:52 pm   commentComment [1] 

有栖川宮記念公園

港区の麻布にも、小さな森があります。

梅雨に入る前の、爽やかな森には、たくさんの人が森林浴に訪れていました。

各国の大使館が集まっている土地柄、森の中は様々な国の言葉が飛び交っています。

ここも都会の中にある小さなオアシスです。

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野鳥の声が響く、鬱蒼とした森。ここには、メジロやオナガ、セキレイやシジュウカラなどが住んでいます。

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一足先に、常磐露草(トキワツユクサ)の白い花が咲き始めていました。この花も、もともとは日本には無かったもので、昭和のはじめに、南米から観賞用に持ちこまれて、野生化したのだそうです。帰化植物ですが、お花には罪はありませんものね....。

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これは、何だかわかりますか?実はスミレの種なんです。種を包んでいる莢が乾燥して縮んでくると、その圧力で勢いよく種をはじき飛ばすのだそうです。なんと、こんな小さな体から、軽く4、5メートルは飛ばすことができるんです。

さらに、種にはアリが大好きな成分が含まれていて、地上に落ちた後も、アリに遠くまで運んでもらえる仕掛けがあるとのこと。植物って、本当に賢いんですね...。

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お食事中のスズメにも会えました。子供たちからもらったお米を3粒もほおばっている、食いしん坊さんです。

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ヤツデも、黒い実をつけていました。昔の子供たちは、このヤツデの実を、竹で作った空気鉄砲の弾にして遊んでいたのだそうです。おもちゃも、自然から与えられていたんですね。


森のあちこちで、アジサイやドクダミの蕾を見かけました。植物たちは梅雨の準備を始めています。雨の季節に入ったら、また新しい色彩であふれていることでしょう...。


posted by ロゼッタストーン東京ART at 2013/5/14 01:52 am   commentComment [2] 

春の小石川 最終章

夢中で散策していると、あっという間に時が過ぎてゆきます。森の管理人さんが、そろそろ閉園のじかんですよ、と声をかけはじめました。

ちょっと急ぎ足で、森を歩いてゆきましょう...。

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メタセコイアの森にたくさん咲いていた、ホソバノアマナ。漢字では「細葉甘菜」と書きます。古来、球根は薬用とされて、ほのかな甘みを含んでいるのだそう。

スプリング・エフェメラルと呼ばれる、春の妖精。六本の雄しべが小さなティアラのようですね。
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平地の林の中にはこんな美しい池も...。時々、とても大きな鯉が水しぶきをあげて飛び跳ねています。きっと、この池の主なのでしょう。
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ツツジの花が、森の彩りをさらに艶やかにしてくれます。蝶を待つ麗しい姿。
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もともと、小石川を訪ねてきたのは、菜の花とミツバチに会いたかったからです。この森に来たらきっと会えるだろうと思っていました。春にしか出会えない風景です。
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老木の幹に宿を借りた、ノキシノブ。シダの一種で、葉っぱの裏には胞子がついています。樹齢数百年の桜の大木は、とても懐が深いのですね...。
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森の奥で、ぽつんとひとりぼっちで咲いていたタンポポ。花が終わって、綿毛になったら、また新しい世界へ旅立ってゆきます。



またアジサイの季節が来たら、ここを訪れてみましょう。森にあふれるクチナシの香りや、柘榴の赤い花が雨の季節を美しく演出してくれるでしょう....。


posted by ロゼッタストーン東京ART at 2013/4/22 08:31 pm   commentComment [2]