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泰勝寺跡の紅葉・・・

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 大変久し振りなる、泰勝寺跡。細川家菩提寺として、熊本市内の立田山の麓に佇む、閑静なところである。周囲は森林に囲まれ、溜池には真鴨や青鷺が昼寝をしている。現在、奥の茶室は修復中のようで、茶室全体に足場が取り付けられ、撮影することができなかった。

 溜池なので、水質は言わずもがな。しかし、日頃から人影がないために、野鳥には極楽なところだろうと思われる。青鷺は、八景水谷公園のそれと異なり、とても過敏に人影に反応し、20メートルも離れているのに、こちらを警戒していた。流石に、生粋の野生である。

 温暖化という地球規模の気候変動により、最近の熊本市内の紅葉期間は以前よりも短く、木々の葉が黄や赤に染まり掛かった頃に急に寒くなり、直ぐに枯れ落ちてしまう。銀杏の葉は大丈夫なようだが、近づいてみると、妙に緑と黄色のマダラ模様となり、美しさに欠ける。

 姿形が美しい真鴨を捉えたいが、ここは600mmほどの超望遠レンズでなければ、その可愛い顔をファインダーで確認することはできない。本日は300mmの中途半端なレンズだったために、撮影することを途中で諦めてしまった。

 以前、生まれて初めてルリビタキに遭遇したのは、この泰勝寺跡だった。青い鳥が目の前に降り立ったが、撮影準備をしていなかったために、スマホで済ませたことがあった。確か、熊本地震前の頃だったと記憶するが、それ以来、ルリビタキの姿を見ることはない。

 また、同寺跡には、細川ガラシャが眠っているところなので、日本の歴史に関心がある方は、是非、足をお運びいただければと。ガラシャの廟の近くには、彼女が使用した手水鉢もあり、足を踏み入れると、明智光秀や細川忠興など、歴史上の人物が頭の中を駆け巡る。

 最後に、ガラシャが残した代表的な和歌をご紹介したい。以下の通り。

 「散りぬべき 時知りてこそ世の中の 花も花なれ 人も人なれ

 桜も人も、散るべき時を知り得ているからこそ、桜であり、そして人なのです。これが、世の常というものです。

※細川ガラシャ=明智光秀の三女、細川忠興の妻。


▼泰勝寺後の紅葉
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文責:西田親生

 

  • posted by Chikao Nishida at 2021/11/17 12:00 am

脇宮盛久、究極の世界。(保存版)

▼脇宮盛久料理長(熊本ホテルキャッスル)
※現代の名工、黄綬褒章受章者

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 三十年ぶりの再会での食事をどうするかは、筆者にとってすこぶる難題であった。「朋有り遠方より来る」。ワクワクとドキドキの中でサプライズを仕掛けたいと思ったが、その大役を受けてくれるのは脇宮盛久料理長しかいないと考え、日が差し迫っていたが難題をお願いした。

 同氏は一つ返事で「わかりました。やりましょう!」と応じてくれた。日頃は事前に献立が知らされ、それを頭に入れて当日に臨んでいたが、今回は当日まで一切知らされぬまま、三十年ぶりの会食に臨むこととなった。果たしてどのような組み合わせで挑戦状が届くのか……。

 当日の「朋有り遠方より来る」への挑戦状は以下の通り。「晩秋の宴」というタイトルのもと、粛々と一つひとつの料理がサーブされた。三十年ぶりに会う安西正育氏(ベビカム株式会社 代表取締役)は「御献立」を眺めながら唸り、「この食材の数々、すごい!」と再び凝視していた。

 新型コロナウイルス感染防止のため、いつものテーブルを移動していただいたので照明環境も変わり、さらに三十年ぶりの再会ということもあり、撮影どころではなかった。ただただ運ばれてくる料理に全集中し、カメラに目を向けず、すべての料理をじっくりと堪能した。

 途中、席を外して戻ってきた際に、安西氏が「のどぐろは事件です!」と呟いた。事件と聞いて、のどぐろの口に釣り針でも付いていたのかと一瞬心配したが、その「事件」とは「旨すぎ違反!」という大事件であった。

 それにしても、宮廷料理として超VIPに供されるような素晴らしい料理の数々。以前、同料理長が黄綬褒章を受章した時の記念料理も味わったが、今回は次元が異なる。予約から一週間もなかったため、献立の構想や食材の調達には多大な苦労をかけたに違いない。

 以下の料理写真については大変申し訳ないが、しっかり撮影できていないことをまずお断りしておきたい。午後六時から始まった会食は、これまでの数あるグルメ体験の中でも三本指に入るほどの逸品揃いであった。同ホテルで日本最後といわれた「満漢全席」を主催した料理群を凌ぐ、料理人の「心」が宿っていた。

 面前の安西氏からは当日深夜、「脇宮料理長をはじめ、ホテルの皆様には、美味しく気持ちの良いおもてなしをいただき感謝しております。くれぐれもよろしくお伝えください」とメッセージが届いた。この言葉を受け、「朋有り遠方より来る」が無事完結したことに安堵した。

 嬉しさ半分、驚き半分の会席料理「晩秋の宴」は、筆者の人生において記憶に残り、記録に残る、想い出深き「宴」の一つとなるに違いない。仰々しく聞こえるかもしれないが、自称グルメ通を豪語する筆者の心は、食後の温かい日本茶を飲み干した瞬間のような安堵感で満ちていた。

 この場を借りて、熊本ホテルキャッスル和食料理長 脇宮盛久氏、食堂部長 岩本憲治氏、ダイニングキッチン九曜杏マネージャー 古舘信也氏ほかスタッフの皆様に、深謝の意を表したい。筆者にとって、三十年ぶりの再会は想像を絶するほどのビッグイベントであった。


▼御献立「晩秋の宴」
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▼「晩秋の宴」の各料理
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▼安西正育氏(ベビカム株式会社 代表取締役)
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▼筆者(撮影:ダイニングキッチン九曜杏マネージャー古舘信也氏)
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▼西田親生のKindle電子書籍「脇宮盛久の世界」
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文責:西田親生

                     

  • posted by Chikao Nishida at 2021/11/16 12:00 am

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