▼細川家家紋「九曜紋」をあしらった提灯

「九曜紋」(くようもん)とは、熊本県民にとっては、とても慣れ親しんでいる家紋である。社会人であれば、ほとんどの人たちは、それが細川家家紋であることを知らぬ人はいない。一昨日、紅葉の名所である旧細川刑部邸庭園(12月5日まで無料開放)を散策しながら、「九曜紋」の提灯や瓦などを撮影し、ふと思い出したのだった。
一つは、現代社会における「家紋」の経済効果である。江戸時代の肥後藩主であった細川家の家紋について、Googleなどで「九曜紋」で検索すると、その経済効果が絶大なことが窺い知れる。美味しそうなお菓子の写真等がわんさと抽出され、昔の和のデザインが、今も尚、脈々と生き続けている。
二つは、特に名だたる武将たちの家紋を見てみると、左右対称のものがほとんどだ。とてもシンプルなものから複雑なものまで、多種多様。そのデザインを最初に考案したのは誰なのか知る由もないが、長年にわたり、その一族の威風なる存在を諸国へ伝えるシンボルマークやピクトグラム、アイコンとしての役割を果たしてきたと言える。
今の時代でも、車のエンブレムを眺めてみると、特に高級外車については、インパクトのあるアイキャッチ能力を秘めている。跳ね馬であれば、ポルシェ、フェラーリ。ステアリングイメージであればメルセデス。輪っかが4つであればアウディと、瞬間的にメーカーイメージが伝わり、それぞれのフォルムに魅了される。
しかし、日本車のエンブレムで好印象を与えるものは、なかなか見当たらない。敢えて意表を突くものとしては、スバルの「六連星」(むつらぼし)ではないか。このイメージは、国内外で「スバリスト」と呼ばれる人たちに、この上なく愛され、親しまれていると聞いたことがあった。また、バイクであれば、ヤマハの「音叉」エンブレムが意表を突く。
このように家紋やシンボルマーク、エンブレムなどを考察すると、その家系なり企業なりの歴史と伝統を窺い知るところが、実に面白い。読者の方々も、手隙の時にでも、ご自分の家紋の歴史を辿ってみると、何か新たな発見があるのかも知れないと考える次第。(筆者の母方の家紋「梅鉢」により新たな発見があった)
話は前後するが、熊本銘菓に「九曜紋」を使った美味しい「五十四万石」がある。実は、藩主が加藤家から細川家に渡り、後々の石高は九十万石以上あったと記した書籍を発見。加藤清正の治水事業の賜物に違いないが、江戸幕府への申告は「五十四万石」のまま。その事実関係を調べてみても新たな発見があるかもと・・・。
※因みに、熊本ホテルキャッスル1階レストラン名は、「ダイニングキッチン九曜杏」である。
▼旧細川刑部邸散策







▼熊本ホテルキャッスル(シンボルマークは、県木の銀杏)

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