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25年前に書き綴った原稿・・・

▼イメージ写真

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 倉庫の整理中に、25年前に書いた「マイツール論」などの論文や原稿が見つかった。写真下には、当時のRICOHがパソコンの主力アプリケーションとして推進していたMyToolについて原稿を依頼され、執筆したものがあった。この原稿は、懐かしい内容だけでなく、1988年7月26日にMacintosh(Apple社製/1984年購入)を使用して印刷したものであることが記されている。

 新聞社では殆どがNECのPCを使用していた中で、唯一、筆者のみApple社製のMacを使っており、MacDrawやMacPaint、Sheet、Chart、Thunderscanなどを駆使していた。当時のMS-DOSの支持者から見れば、筆者は異端者かも知れない。それでも、異端者とされた筆者がAppleのMacを使い続け、既に29年が経過している。

 話は前後するが、前出の「マイツール論」を再読してみることに。正直なところ、駄文であることに恥じ入るばかり。他人様に見せるには程遠い原稿だが、25年前の筆者が何を考え、何を伝えたかを見極めるために、特定の要点だけを抜粋して読み直すことにした。

 導入部分では、媒体(メディア)について述べている。「インディアンは狼煙を使って敵の動きを知らせ、鏡で太陽光を反射させ合図を送ったり、近代になるとサーチライトや電信で情報を伝えたりしていた。」とある。言葉遣いは稚拙だが、メディアの進化についての考察であった。

 また、中盤では、「AI(アーティフィシャル・インテリジェンス=人工知能)についても触れている。現在のコンピュータと比較して、人間の頭脳の素晴らしさを強調し、視覚、聴覚、嗅覚、触覚に焦点を当て、戦略的思考を持った人間がコンピュータを「セクレタリ・ツール」(私設秘書)として利用すべきだと述べている。

 更に、「コンピュータは、人間の頭脳に代わりに超速CPUを、視覚や触覚の役目を果たすセンサーを、手の代わりにプリンターを、足の代わりに通信機能を持つべきだ」と述べている。

 総じて、25年前の筆者が伝えたかった要点は以下の通りとなる。

(1)AI(人工知能)が進化しても人間の頭脳に勝るものはない 。(2)メディアの進化に伴い、情報形態は変わるが価値は変わらない。(3)戦略的思考をもってパソコンを活用せよ。 (4)アプリを巧みに使用しパソコンを私設秘書のように活用せよ。

 当時はまだインターネットが存在しない時代である。自らを褒めるつもりはないが、25年前の筆者を一つだけ評価できる点は、「足の代わりに通信機能」を提案し、当時の日本電信電話公社(現在のNTT)の企業通信システム本部ブレインズ(東京霞ヶ関)に連絡を取り、通信事業を調査し、300ボーレートという極めて遅いモデムを使用しながら、実際に通信の実験を行っていたことだろうと。

 1988年に通信に目覚め、1990年に新聞社を経て起業。マルチメディアオフィスを設立し、1995年には熊本県内で初のポータルサイトを開設した。今振り返ると、「通信事業の夢」が何かしらの形で筆者の中に根付いており、それが現在に至っているようだ。


▼1988年7月26日に書き綴った原稿
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  • posted by Chikao Nishida at 2013/12/24 03:04 am

あっと言う間の18年・・・

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 ネット事業を開始したのは1995年8月22日だった。当時、熊本県ではまだ「インターネット」「ホームページ」「メール」といった言葉が珍しかった時代である。しかし、新しい情報に敏感な熊本の経営者たちはインターネットに興味を持ち、そのグループや団体からの講演依頼が相次いだ。

 そのような状況の中で、筆者は未知の領域であるインターネットに果敢に取り組んだ。言葉は適切ではないが「博打」に近いものであった。高額なインターネット専用各種サーバーやダイヤルアップシステムを導入した頃の筆者は、「このメディアが世の中を変えるだろう。そのために命を懸けるぞ!」と決意し、HTMLの研究を行い、毎日スタッフと共にミーティングを重ねながらコンテンツ作りに励んだ。

 その情熱を凝縮したのが、写真のような「The Rosetta Stone」のパンフレット。実は倉庫を整理していて偶然見つかったので、ご紹介することに。このパンフレットはわずか4ページだが、印刷費だけでも100万円掛かり、ネット事業を本格的に展開するための一歩となった。

 当時のネットの世界を、一般の方は「宇宙語」とさえ揶揄していた。全国各地の講演会で東奔西走の毎日だったが、何と、大手航空会社や旅行代理店からの打診もあった。しかし、筆者が主に活動していたのが熊本であり、丁重に断るしかなかった。今振り返ると、非常に勿体ない話である。

 しかし、熊本で活動しているにも関わらず、「オウム真理教の人間じゃないか!?」、「西暦2000年になったら参加してやっても良いよ!」、「あの会社の御輿を担ぐ必要は無いぞ!」など、当時の熊本県では誹謗中傷が絶えなかったのである。

 アンチIT派の言葉は根拠がなく、偽計業務妨害や名誉毀損に当たるほど嫌がらせが多かった。まさに「見えない敵との闘い」である。数千万円のリスクを負いながらも、本格的ネット環境を整え、熊本県内を新しいメディアの拠点として育てたいという強い情熱を抱いていたが、結局は振り子のように振れる毎日で、非常に苦しい時期であった。

 「遣ると決めたら遣り通す!」。これが筆者の信念である。気がつけば18年が経過し、1995年にスタートしたポータルサイト「The Rosetta Stone」は今でも健在だ。助成金や補助金、融資を受けずに、一匹狼で頑張っている自分が、可哀想に思えたのである。

 ある村のホームページを全国で初めて立ち上げようとしたところ、行政が県内市町村を総括するサイトを構築するという事態が発生した。民需圧迫であるが、資金力では圧倒的に不利な弊社。まるで鼠が象と戦っているような状況である。

 現在でも同様に、行政の予算が余ると、意味のないサイトが次々と立ち上がることがある。しかし、数年経つと静かに姿を消していく。これが予算(血税)の使途の実体なのかも知れないが、納得行くものではない。そして、「責任の所在」がないのだから、尚更である。

 最後に、頭を痛めていた頃に唯一救いとなったのは、当時の日銀熊本支店長からの言葉であった。人伝に聞いたのだが、「The Rosetta Stoneをよく見ています。役立つ情報が多くて面白いですよ!」と。

 その言葉(噂)を聞いて、肩の力がスッと抜けたような気がしてならなかった。


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  • posted by Chikao Nishida at 2013/11/26 05:03 am

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