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未完の二十五年(5)

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起業して25年目の今、思うこと・・・

熊本県を情報先進地にしたい気持ちは変わらない!!

 1995年にネット事業に本格着手したのだが、ずっと以前に、私の思いの中心は、「熊本県を情報先進地!!」にあった。もちろん、当時は職業は、マスメディアの中心的存在・・・新聞社勤務。そこで、昨日、Facebook上で30年ほど前に、自ら企画したものの一部をご紹介したのは、その思いを伝えたかったからである。

 コンピューター歴は、1978年に遡る。同年11月に発売されたSHARP製マイコンMZ-80K(198,000円)を入手したのがきっかけで、MACHINE LANGUAGE やBASIC I、BASIC IIなどを独学し、いろんなプログラムを作っては、実験を繰り返していた。それから37年が経ったことになる。

 当時のパソコンユーザーは、SHARP派とNEC派と、大きく二分されており、段々とNECの占有率が高まり(多いときは6割を超える)、私は、少々肩身の狭い思いをしつつ、それにもめげず、MZシリーズ・・・MZ-5500、そして120万円を超えたMZ-6500を使用していた。しかし、1984年、突然、Apple社のMacintoshが日本上陸。よって、私の愛機MZ-6500の横に可愛いペットのようなMacがデーンと居座るようになったのである。

 それが、私のニューメディアに対するベクトルが急変した時期だろうと、今更ながらに思う。衝撃的なMacとの出逢いは、それはそれは、仕事のスタンス、企画書の書き方、図面の描き方、プレゼンの手法なども含め、己の論理的思考さえ変えてしまった。いや、変えざるを得ないほど、斬新な生き物のようなマシンとアプリケーションであった訳だ。今から、31年前のことだた、つい昨日のように鮮明に覚えている。

 その流れの中で、熊本県内において初の東芝やSHARPのワープロセミナーやコンテスト、SORD PIPSセミナー、RICOH MY TOOLセミナー、SHARP電子システム手帳セミナー、暁の大脱走で有名になったコスモ80CADセミナーなど、次から次へと、ニューメディアの啓発(当時は啓蒙という言葉を遣った)のために、東奔西走していたのが私だった。

 当時から己の天職として・・・5年先、10年先を見据えることが宿命づけられたように感じられ、ある意味、新聞社内では、いかんせん、「身勝手」、「風変わり」な人間として、白い目で見られていたのかも知れない。

 時代を変えて行くには、淀み切ったローカルスタンダードをアップグレードするには、凡人たる柔な心では何も成し遂げることもできない訳で、率先して、最先端技術を徹底追究しつつ、新聞社主催のセミナーに没頭し、それらの啓発に努めたのだった。

 その気持ちは、今も尚、全く変わることもなく、その気持ちを一所懸命伝えたいけれども、なかなかストレートに伝わるものでもなかった。何故なら、いつもFacebook上で呟くことだが、「手に持って重さを感じない、イメージ的なところが強い。」ので、一般的にすんなり理解されるものではないと考える次第。。

 しかし、紆余曲折、波乱万丈のキャリアを持ちつつも、無知の第三者より、すこぶる軽視されることもしばしばだった。特に、数年前も、ある後輩から紹介された人物の言葉が脳裏をよぎる度に、日々閉口しっぱなしだったことを思い出す。

 何故なら、このようなニューメディアの深い歴史、経験、ノウハウがないにも関わらず、私を指差して「過去の人!」とか「あの程度なら、カートリッジのように、どれだけでも取り替え可能な人や会社は沢山あります。」とまで暴言を吐きまくっていたようだ。無知なる者の戯言に違いないのだが、実に迷惑な話でもある。

 将来の事を夢幻のように、口先だけで語るのは簡単な事。しかしながら、一つのことを、何十年も続けて探究するのは、並大抵のことでもなく、そこに蓄積されてきたものは、お金に換え難い、山のような宝物となる訳である。

 熊本を情報先進地にしたい気持ちは、今もメラメラと燃え盛っている。私はインターネット業務に従事して20年以上になるが、何とか、この思いとノウハウを、後輩に受け継いでもらえればと思うばかり・・・。

 幸運なことに、20年前にスタートさせたポータルサイト「ロゼッタストーン」は、今も尚、健在である。サーバーは6世代になっているが、コンテンツに関しては、初志貫徹。取材力のあるネット事業を展開し、クライアントの情報発信と本業とのジョイントを円滑にするためのサポート役として、強力に推し進めて行ければと考えている次第。

 他の追随を許さぬほどの優れた情報先進地として熊本県が栄えることを、切に願うばかりである。従来からの箱ありきの発想ではなく、先ずは、ヒューマンウェア、それからソフトウェア、ハードウェアと、それらが三位一体として動き出す土壌を、行政側は早期に創造すべきではないかと・・・。
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【ディー・アンド・エルリサーチ株式会社公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/dandl/Link

               

  • posted by Chikao Nishida at 2015/6/6 01:35 am

未完の二十五年(4)

▼SiliconGraphics Personal Iris

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起業して25年目の今、思うこと・・・

CG制作事業計画における大きな誤算

 1990年10月1日に、当社が事業開始した。マルチメディア事業の中で、本格的なCG動画供給を練っていた矢先のこと・・・眼の前にあるマシンは、Macintosh llfxやllci、llcxである。

 llfxには、ダイヤクェストアニマークのボード(64万円)を挿し、動画制作に取り組もうとした。出力は当時保有していたパナソニックのタイムコードジェネレータ搭載のSVHSビデオデッキである。ところが同期が上手く行かず、直ぐに頓挫したのだった。

 よって、CANON担当者と再度検討会を開き、ニュービスタ+という高額なボードを導入することにした。しかし、Macintosh llfxから出力したとしても、CGが動画に対応するものではなかったので、僅か1本のコマーシャルをワイヤフレームの動画として納品したに止まった。制作費は60万ほど。これじゃ、最初のボード代の元は取れたが、次に導入した200万円を超すボード代の回収なんぞ、全くできない状況となった。

 話は前後するが、CANON担当者も詳細を知らずに、ボードを見つけたようだが、図面通り接続しても同期せず、結局は、当時仙台にいらしたビデオ関連の詳しい人から、「その接続図は逆じゃないですか!?」との連絡が入り、やっと同期したという具合だ。しかし、全国でもMacintoshにニュービスタ+なんぞを導入した企業は皆無に等しかった。

 当時のMacintoshでは静止画のCGであれば、何とか本格的な立体画像が供給できるが、画面で完成したとしても、そのCGを出力しなければならず、更に、昇華型プリンタの導入をしなければならない。当時、三菱が昇華型プリンタでプロ仕様のようなものがあったので、即座に導入することに。しかし、200万円ほど予算を組む必要があった。

 色々と苦慮しながらセッティングに傾注して行った訳だが、どうも、私の望むようなCG制作とは、かなり異なるベクトルで動き出していることに気づいたのだった。

 年が明け1991年となり、東京へ足を運んだ時のこと。たまたま、有楽町の映画館でターミネーター2が上映されていた。液体水銀がプヨプヨトと動くCGの質感に腰を抜かしてしまった。映画終了後、PIXELという専門雑誌を手に取り、本格的なCGクリエイトマシンは、何が最適なのかを調べてみたのである。

 そこで行き着いたのは映像エキスパート軍団のイマジカグループだった。その関連会社がCG専門事業をしていると言う。直ぐに、同専務に面談のアポを取った。それから2ヶ月して、再度東京へ足を運び、同専務と再会し、長時間にわたり話し合いを行い、展示してあったマシンを指差し「これを、ください!」と言ってしまったのだ。それが写真1枚目のものだ。

 値札が見えないので、口頭で金額を聞いてみたら・・・な、何とSiliconGraphics Personal Irisが3200万円だと言う。Macintosh llfx本体と何やかにやで既に640万円ほど費やしたのに、その比ではなかったのである。

 そうしている内に、5月になってしまった。何とか導入したいSiliconGraphics。しかし、CGソフト「リンクス」が別に720万円。1台の怪物のようなマシンを入手するのに、導入教育費などを加えて、4500万円ほどになってしまうのだ。

 私は、本格的なCG制作を甘く見ていた。数百万でできそうな気がしていたが、大きな勘違い履き違い。導入当初から大きな誤算だった。それに加えて、イマジカの専務が心配していたことが生じた。それは、当社の第一回決算もできていない点だ。よって、リースが通るか否かの問題が生じる。(普通ならば不可)

 よって、6月に某リース会社の理事長宅に、日曜日の午後9時に足を運び入れ、午前零時までの3時間、滅茶苦茶な事業計画書を提出し、リースを通して貰うための、大プレゼンテーションを行った。

 起業して、僅か8ヶ月の弱小会社。とんでもないプレゼンだったが・・・翌日の月曜日の正午に、リース会社の理事長より「リースは理事会で通しました。よって、5年間大変厳しいでしょうが、しっかりと仕事を頑張って、リース料を完済してください。その約束を頂ければ、明日、午後から契約書をお持ちして契約に臨みます。」と。

 生汗ものだったが、その連絡を得て、間髪を入れず、イマジカの関連会社専務に電話で「リースが通りました。導入計画をよろしく願います。」と意気揚々に話したことを思い出す。

 しかし、それから5年間が地獄の毎日になるのかなど、全く予測もしていない私が居たのだった。(苦笑)


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▼SiliconGraphics Iris INDIGO
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【ディー・アンド・エルリサーチ株式会社公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/dandl/Link

                 

  • posted by Chikao Nishida at 2015/6/5 01:11 am

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