
何か自分にとって不都合なことが立て続けに起こると、それを直視せず、目を逸らして黙り込む。すなわち、「貝になる」人物がいる。
貝になれば、何の攻撃も受けないと思っているのだろうが、他者からの苦言は攻撃ではなく、改善通知である。それを素直に受け止めることなく、改善に向けて努力もせず、ただ貝になり、黙り込む。
そのような悪循環に甘んじていても、自己防御になるはずがない。むしろ、事態の悪化につながるばかりで、自業自得の道をひたすら歩むことになる。
このような悪しきスパイラルを招いているのも、貝になる本人である。少しでも改善へ向けて動けば、何ら問題はないはずだ。それにもかかわらず、理想だけは高く、現実はどん底であるとすれば、それは自分で仕掛けた罠に、自分がはまっているようなものだ。
自分の罠に自分がかかっているのだから、洒落にもならない。踏ん切りの悪い性格なのか、リセットができず、延々と悪しきスパイラルに絡まれ、二進も三進もいかないのかは知らないが、実にご苦労な挙動である。
そのような愚行の連続であれば、他者からの信頼は失墜するばかりである。「また、性懲りもなく貝になっている。自分自身が分かっていないのだろう」と、同僚は呆れ果てるに違いない。
貝になれば、迷走を助長するばかりではなく、他者からの信頼を失う。仕事もプライベートも、上手くいくはずがない。それも、何度も同じことを繰り返すとなれば、周囲への配慮も全くないということになる。
常にグジグジ、ジトジトとした空気感を放っていれば、そのグジグジ、ジトジトが常態化し、何事も好循環に動くことなど期待できるはずがない。しかも、自分の挙動が全体に悪影響を与えていることさえ気づきがない。
仕事でもプライベートでも、貝になることは、卑怯者がする愚行である。対話を重視し、互いに誤解のないように振る舞うのが、成熟した大人の流儀である。
柳のように心が揺れ動き、天秤にかけては空くじを引き、他者との信頼関係を潰す。「貝になる」という態度は、人生においてルーチンとしてはならぬ悪手であることを認識すべきではなかろうか。
畢竟、自己防御の好手とは、常に自然体で自分の立ち位置を確認しつつ、前向きに一歩踏み出す実行力である。すなわち、言行一致の姿勢である。それを無視して貝になれば、結局、自分自身のお得意技として、空くじを引いてしまうのがオチとなる。
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▼ChatGPTによる感想
本稿は、「沈黙」を自己防御と勘違いする人間心理を、かなり厳しく切り込んだ人間観察のエッセイである。
特に核となるのは、次の一文である。
他者からの苦言は攻撃ではなく、改善通知である。
この一文が、本稿全体の思想を支えている。つまり、問題は「貝になる」ことそのものではなく、苦言や指摘を敵意として受け取り、改善機会を自ら捨ててしまうところにある。ここに、筆者の人間学的視点が強く表れている。
「貝になる」という比喩は分かりやすい。読者はすぐに、黙り込む人、返答を避ける人、都合が悪くなると気配を消す人を思い浮かべることができる。その意味で、導入の掴みは強い。さらに、「自己防御になり得ない」というタイトルが、単なる感情論ではなく、行動原理の誤りを指摘する構造になっているため、説得力がある。
また、「自分で仕掛けた罠に、自分がはまっている」という表現も効いている。貝になる人物は、他者から追い込まれていると思いがちだが、実際には、対話拒否、改善拒否、責任回避によって、自分自身を追い込んでいる。その因果関係が明確に示されている。
読後感としては、かなり辛辣である。特に「卑怯者がする愚行」「ご苦労な挙動」「グジグジ、ジトジト」といった表現は、対象者に逃げ場を与えない強さがある。これは筆者らしい直截な筆致であり、反面教師型のエッセイとしては力がある。一方で、読む側によっては、やや感情の圧が強く感じられる可能性もある。しかし、本稿の目的が「慰め」ではなく「覚醒」であるなら、この強さはむしろ武器である。
構成も分かりやすい。
不都合から逃げる → 苦言を攻撃と誤認する → 改善しない → 信頼を失う → 仕事も私生活も崩れる → 最後に、自己防御の本質を提示する、という流れである。単なる人物批判ではなく、最後に「自然体」「立ち位置の確認」「一歩踏み出す実行力」「言行一致」という解決軸が置かれているため、文章全体が締まっている。
本稿の社会性は、職場教育や幹部社員教育にも直結する。報告しない、相談しない、返答しない、改善しない人物は、組織の中で必ず信頼残高を減らす。本人は黙ってやり過ごしているつもりでも、周囲は「責任から逃げている」と受け止める。ここを明文化している点に、教材化できる価値がある。
特に社員教育用に使うなら、次の教訓として整理できる。
「沈黙は、責任を消さない。むしろ、責任の所在を濃くする。」
この視点は非常に重要である。社会人にとって、対話を避けることは防御ではない。信頼を削る行為であり、改善の機会を放棄する行為である。本稿は、その当たり前だが見落とされがちな事実を、かなり鋭く突きつけている。
最後の「自己防御の好手とは、自然体で自分の立ち位置を確認しつつ、前向きに一歩踏み出す実行力である」という結論も良い。ここで、単に「貝になるな」と言うだけではなく、何をすべきかが示されている。すなわち、対話、確認、改善、実行である。
総じて、本稿は「逃避癖」「沈黙癖」「責任回避癖」を持つ人物への強い警鐘であり、同時に、組織内コミュニケーションの基本を説いた実践的な人間学エッセイである。タイトルも本文とよく噛み合っており、note掲載時にも十分に目を引く。特に、部下指導、報告文化、信頼関係、改善行動をテーマにした記事群の中では、強い一本になる。
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文責:西田親生

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