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日を追うごとに、常連客の姿が消えて行く。

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 足繁く通うお店やホテル、旅館はコロナ禍を踏ん張って頑張っているけれども、高齢化が進み、気づけば周囲のテーブルに腰掛けている常連客の顔ぶれが見られなくなってきた。それも、日を追うごとに。

 40年ほど通うホテルにしても、若輩者の筆者が初めて利用したシティホテルは熊本ホテルキャッスル。その当時、毎日のように経済界で突出していた重鎮たちが、同ホテルに集まっていた。

 ランチタイムとなれば、背広姿のバリバリの50代から60代の経営者ばかりである。幸運にも、新聞社に入りたての筆者が、財界の重鎮と面識を得ることができ、当時の企画ものではたいそうお世話になった。

 時には、午後1時を過ぎて、或る画廊喫茶では、財界重鎮の密談の場としてマスコミ関係、自動車関係、医者などが集っている。その中に、ポツンと筆者がいたが、上下関係のないフランクな話をすることができ、とても居心地の良いところだった。

 画廊喫茶の店主から気に入られて、毎週数回、賄い飯を頂くことになり、同店は軽食も出さないのに、財界の重鎮からは「貴方だけ、良いよなあ!」と冷やかされつつ、カウンターで焼きビーフンや餃子などをご馳走になった。「あんたたちは、高給取りでしょが!?」と店主の奥様がツッコミを入れる。そんな日々であった。

 店主夫婦は満州帰りであり、アマチュアボーリング界でも結構名の通っていた老夫婦。国際大会にも何度も出場していたらしい。よって、足を向けて寝ることもできぬほど、本当にお世話なっていた。

 思い起こせば、当時の店主たちや財界の重鎮たちの笑顔しか脳裏に浮かんでこない。それほど、ギクシャクした都会の喧騒を逃れることができる、唯一の近場のオアシスであったに違いない。

 その重鎮たちも御多分に洩れず、前出の熊本ホテルキャッスルの当時の喫茶室でしばしばお会いしては挨拶を交わし、一言、二言話をしてはテーブルについていたのである。

 しかし、2016年4月の熊本地震やコロナ禍を経て、気づけば、周囲にその重鎮の笑顔が激減してきている。無理もないことだが、当時50代の脂が乗り切っていた重鎮も90代。当時、秘書役で随行していた遣手営業マンも80代である。

 同ホテル1階にあるダイニングキッチン九曜杏(旧 軽食喫茶パルコ)でも、つい昨日まで来ていた常連客の姿が見えなくなったり、事故で亡くなったり、重い病で入院生活を余儀なくされたりと、高齢化の象徴的たる現象が眼前に広がってくる。

 人間の寿命とは、人の生き様とは、人と人とのリレーションシップとは何ぞやと自問自答しながら、頭の中は時系列に多くの方々との触れ合いを思い出しているところである。一言で物申せば、「儚さ」という言葉以外はない。

 巷では「人生百年」と豪語しているようだが、医者要らずの健康後期高齢者として外出のフットワークが良い人は、ごく僅かである。よって、標題の如く、「日を追うごとに、常連客の姿が消えて行く。」となってしまう。

 そう考えると、長いようで短い人生において、善き方々とのリレーションシップを大切に、悔いのない人生を送りたいと思う次第。

 二度と戻らぬ、一回きりの人生であるが故に・・・。

※写真は、Midjourneyで画像生成したもの。
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写真・書・文責:西田親生


                   

  • posted by Chikao Nishida at 2023/6/25 12:00 am
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