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今の時代、地方において敷居の高いホテルが求められるか!?・・・主役を奪う、ビジネスホテル軍団。

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 日本経済力の弱体化により、貧富の差は更に広がり、我々庶民の生活は、MAC指数を見るだけでも、アジアで日本だけが急降下している。

 圧倒的に多数を占める庶民の中でも、40年前には『中産階級』という言葉が存在した。今では死語となり消え去り、バブルが弾け、日本国内は海外と比較すると、全ての面において劣勢に立たされているのが現状だ。

 バブリーな時代は、地方の地元百貨店にも海外有名ブランドがずらりとテナント展開。当時は、世界のルイ・ヴィトン新製品の三分の一を、日本人が購入していた時代もあった。

 しかし、熊本市内の百貨店を見ても、この十数年間に、多くの海外有名ブランドテナントが撤退し、不景気の波に完全に呑み込まれてしまった。よって、百貨店で買い物をするというステータスも薄れ、各地域に点在するモールでショッピングを楽しむという人が圧倒的に多い。

 また、宿泊施設においても、バブリー時代の熊本でも、800人を超える大型宴会やブライダルも派手派手に、大宴会場は日々お客で溢れんばかりであった。人によっては、『宴会梯子』と言って、各ホテルを走り回っていたほどだ。

 ところが、熊本地震を経て、コロナ禍となり、地方経済は更に深刻な状態となっている。しかし、皮肉にも、熊本市内では県外資本のビジネスホテルやマンションが次から次に建っている。

 ホテルに関しては、ここ二、三年で、1500床から2000床増える兆し。全国チェーンのビジネスホテルなどが、宿泊施設の主役の座を奪ってしまう勢いとなっている。

 バブリーな時代は、ブライダルは高級シティーホテルのチャペルで、披露宴はフレンチで。叙勲などの大型祝賀会もまたシティーホテルでというのが定番であった。(東京では、今でも、春と秋の叙勲などは、大手シティーホテルの年間メインイベントになっている。)

 食事も、フランス料理が人気を博し、ホテル最上階では、質の高いフレンチを食すことができ、家族ぐるみで日頃から足繁く通う常連客が多かった。

 ここで、熊本市内ショッピングゾーン鳥瞰図を覗き込むと、昔ながらの上通アーケード街、下通アーケード街、そしてサンロード新市街(アーケード)が『要』(西日本最大級のアーケード街)となっていた。

※下通アーケード商店街は、西日本一の規模を誇る。
(幅15m、全長511m)

 ところが、各地域のモールの登場で消費者の動きも変わり、交通センター付近の『さくら町界隈』と『熊本駅前』の新都市開発が進められ、瞬く間に、人流が変化し、上通アーケードは早い時間帯に閉店するところが多く、照明も暗く、シャッターが閉められている。

 電車通りを挟み、下通アーケードに繋がる。現在、その周囲には星野リゾートをはじめ、県外資本のホテルチェーンの進出が目立つ様になった。勿論、同アーケード街の地元商店街との連携をしっかりとしたコンセプトにて動いているので、昔ながらの商店街にはポジティブ要因となる。

 コロナ禍において、『熊本御三家』のシティホテル(筆者の独自表現)をはじめ、この不況のボディブローがじわじわと効いてきており、従来の『待っていれば客が来る』という世界はなくなった。

 更に、歴史あるホテルレストランには、常連客の姿を日々見掛けるが、ここ数年で高齢化が急速に進み、湯水の如くお金を落としてくれる常連客の姿を目にすることがなくなってきた。

 シティホテルやリゾートホテルの良さは、ホテル直営の素敵なレストランや有名料亭などのテナントの存在である。

 ところが、先般、県内の或る地方の宿で話を聞けば、『食』への拘りのある客が少なく、夕食を止め、朝食はオファーがあれば出す程度に、完全ビジネスホテルと化していた。

 「少なくとも朝食は、必要でしょ!?」と聞けば、「いや、コンビニで済ませる客が多いので、最近は朝食も止めようかと思っています。」とのこと。観光地の宿であるのに、唖然としてしまった。多分、マンパワー不足による苦肉の策であろうか。

 時代は変わったものだ。何のための宿なのか、首を傾げるばかり。それが現実となれば、県内都市部のシティホテルや高級旅館は、戦略を大きく変えるべく分水嶺に立たされていることになる。

 コンビニがスーパーを喰ってしまい、モールが百貨店を押し潰し、更に、コンビニがホテルレストランや町場のレストランを喰ってしまう勢いだ。

 バブリーな時代が終わっているものの、肩で昭和の風切って、夜の帳を闊歩してきた昭和の経営者たちは、この急激な時代の変化について行けないのではなかろうか。

 蜘蛛がせっせと蜘蛛の巣(ハード)を編んでは、その網に餌食が飛んで引っ掛かる。今は、そんな『受け身』で十分潤うような時代でなくなった。

 新しいビジネスホテルは、客室も美しく、大浴場付きのビジネスホテルとなれば、予約がひっきりなしであると聞いたことがある。この場合は、客室の売上が全てとなるので、客室稼働率を最重視することになる。

 シティホテルに関して考察すると、客室の売上は総売上の僅か十数パーセント程度である。よって、都市部のシティホテルの場合は、客室稼働率を目一杯上げようとも、総売上が急増することはない。

 宴会やブライダル、直営レストランの売上が落ちる一方ならば、そこに『秘策』を講じて、梃入れをしない限り、これからの時代はお先真っ暗になってしまう。

 特に、熊本市内の『新都市構想』が、旧ショッピングエリア以外へ向いているのだから、尚更のことである。

 畢竟、筆者がシティホテルへ提唱したいのは、従来の敷居の高さを取っ払い、『普段着、普段履きで立ち寄れるフレンドリーなホテル』を目指すが、これからの時代にマッチするものではなかろうかと。

 ここで意識を変えないと、ビジネスホテル軍団に占領されてしまうのは、時間の問題となってくる。

 また、県外からコンサルを入れるホテルも多いと推察するが、熊本の地元を知らずして、諸葛亮孔明のような『秘策』を講じることなど、残念ながら、夢のまた夢となってしまう。

▼熊本市(中央が熊本城)
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写真・文責:西田親生

             

  • posted by Chikao Nishida at 2022/8/31 12:00 am
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