◎セカンドライフ・熊本ジャパンの熊本城／実寸代


◎セカンドライフ・熊本ジャパンの芝居小屋・八千代座／実寸代



　昨日のお昼過ぎだったか、一人の女性が質問があると言って来た。それは「仮想現実世界において彼氏を作る事ってどうお考えなのか？」という質問であった。

　バーチャル世界における恋愛や結婚に関しては、色んな受け止め方や考え方があると思う。SL（仮想現実世界）とRL（現実世界）をはっきりと分けたい人、SLとRLを融合して考える人、SLにおいて別人格を持つアバターに夢中になる人・・・と、千差万別である。

　どれが正しくどれが悪いという事も判断できかねる筆者だが。前述のような質問があれば当然答えなくてはならない。

　持論から申し上げれば、一言で「ナンセンス」だという結論になってしまう。それはRLの人物を良く把握出来ないままに、SLの容姿や画面の向こうの言葉の綾だけで人を判断するのは少々危険ではないかという事だ。「匿名なら何でも有り！」という身勝手な考え方が悪い方向に拍車をかけてしまう。

　とかく住み辛いRLを離れて出逢い系を求める人も少なく無いSLだが、「ナンセンス」という言葉を敢えて使ったのは・・・理想郷としてバーチャル世界を夢見ているのであれば、それは単なるお伽噺の中の自分自身や相手を見る事になるからだ。

　SLだけに没頭してRLが滅茶苦茶な生活であれば、これまた洒落にならない。RLと全く異なる人格を演じるエネルギーは実に無駄な事ではないか。RLの実体をひた隠して、SLで虚栄をはっても無意味な事であると常々考えているのだ。

　SLとはRLで容易に出来ないことをシミュレーションすること、つまり物理的にコミュニケーションがとれない相手と話し合いを持ったり、情報交換する事に価値がある。

　更に商品開発においてデザインの事前アンケート的な調査の場としたり、ファッションショーなどのイベントを開催する事によって、新作発表を世界に向けて発信するというような、実践的にRLに役立つものとして利用する「ツール」だと考えているのが筆者である。

　タメグチの多い人格が見えないSLの世界。相手の年齢、性別、性格、RLの職業、履歴など見えない世界で、RLでパソコンに入り込んでいる姿は如何なものかと考える。闇夜の烏同士の会話からスタートして、SLで結婚とか恋愛とかは筆者の思慮する範疇には無さそうだ。

　相談して来た女性もその点は同感だと言っていた。その言葉を聞いてホッとしたのだが、SLでナンパとか、SLで殺し合いとか、SLでストーカー行為（RLに発展すると事件性の高いものとなり危険）とか・・・それはゲームの世界そのものであり、RLの我々の世界に決して役立つものではない。

　今後はSLに対する多くの勘違い、履き違いの誤ったベクトルを修正して、より良いSIM環境を整備して行こうと考えている次第。SLには想像を絶するような将来性、可能性があるのだから、それを探求して行くべきではなかろうか。

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