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上五島で出逢った天然物に腰を抜かす。

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 30年ほど前に、上五島(長崎県旧奈良尾町)へ上陸した時のこと。船で島の周遊をしていると、70cmを超える天然真鯛を釣り上げた人と目が合った。その釣り人は筆者へ満面の笑みにて、大物を両手に抱え、天に向かって突き上げた。「こんなの初めて釣りました!」と大声で叫んだ。

 あのような巨大天然真鯛は見たことがない。それから、筆者も船から手釣りにて天然石鯛を狙い、1時間ほどで小ぶりだが三匹釣り上げた。もっと大物を釣り上げたかったが、そろそろ夕餉の時間となるので、宿に戻り、女将に頼んで皮焼きのお造りにしてもらうことにした。夕飯に出された「石鯛の皮焼き」は、自分で釣り上げた天然物であり、すこぶる美味であった。

 二度目の上五島上陸の時だったか、「トライアスロン in 奈良尾」(筆者の企画)運営のために、スタッフ全員を連れての上陸だった。旅館やビジネスホテル、民宿(仮設)などの宿泊施設は、国内外からの参加選手と応援部隊の予約で満館。しかし、当時の町長の「おもてなし」にて、町長ご自宅の別宅に皆泊めてもらうことになった。

 大会も事故なく無事終了。3日目、最終日の朝となった。別宅玄関へ朝食を持ち込んでくれたのだが、最終日の朝食メインディッシュは、一人に丼一杯の早朝獲れたての生ウニである。

 今でもちょくちょく話題になるほど、その当時の「大盛り生ウニ丼」は筆舌に尽くし難いほどに旨かった。やはり、近場のウニやアルコール含有の練り物ウニ(瓶詰め)とは比較にならない。当たり前のことではあるが。

 三度目の上陸時には、アゴ(飛魚)出汁の五島うどんの地獄焚き。五島うどんの乾麺は、15分煮ても腰がある。そこに、天然アゴ出汁なので、至福の極みとなる訳だ。恥ずかしながら、御代わりを2回願った記憶がある。

 同島の自然豊かな海の幸を思い出しながら書き綴れば、枚挙に遑がない。ただ、このように獲れたて天然物を沢山食すことはないので、如何に高級魚を熊本市内で食したとしても、この感激はない。その土地ならではの新鮮な海の幸であり、現地の磯の香と心優しい島の方々に包まれるからだ。

 更に、現地の料理人が、数ある魚介類で一番旨い逸品として腕を奮ってくれるからである。国内でプロの料理人として活躍している人の中でも、五島列島や対馬などの島出身の料理人が多い。子供の頃から父親の背中を見て漁に出て魚を捌き、既に板に付いているに違いない。

 天才フレンチシェフの三國清三氏の著書「三流シェフ」にも、幼い頃に育った目の前の海でホヤなどの天然物(高級魚介類)を食べていたので、舌がしっかりと覚えていると語っている。よって、幼い頃の食のレベルは、その人の将来に大きな影響を与えるのであろうと。

 何はともあれ、天然物尽くしの上五島の想い出は忘れ難きものばかり。あれから知人友人は同じく歳を重ね、現役を退いた政治家もいるが、再会できることなら、当時の料理を再現し、皆で美酒に酔いしれたいものである。

※写真上の魚は、美食 みやじ(熊本市)名物の生きた「黒がらかぶ」を絞めて直ぐに撮影したもの。

黒がらかぶ専門店「美食 みやじ」
〒860-0803 熊本県熊本市中央区新市街2-4 2F
TEL: 096-322-9895
◎営業時間:18:00~翌1:00(ラストオーダー:翌0:00)
◎定休日:日曜日

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写真・文責:西田親生


                   

  • posted by Chikao Nishida at 2023/3/30 12:00 am

料理取材写真が「不快」だと、脅迫メールが飛び込んだ。

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 或る日のこと、筆者が数十年間取材してきた数万枚の料理写真を整理しながら、ZOOM研修素材としてピックアップし掲載していた時のことである。

 当時の全国取材は、(社団)日本鉄板焼協会の特別顧問兼広報戦略アドバイザーを受けていたので、全国各地の五つ星ホテルのレストランや、各地の超人気町場レストランの取材で東奔西走の日々を送っていた。

 中には、世界のホテルのホテルである「ザ・リッツ・カールトン」もあれば、国内ホテルでも老舗高級ホテルの「帝国ホテル」や「ホテルオークラ」、「グランドハイアット」などのレストランを取材して回った。

 滞在日程の関係で、一日目のランチをホテル東急の高級鉄板焼コース料理を取材。夕刻は、浅草方面にある人気鉄板焼レストランのコース料理を取材。翌日のランチでは、ザ・リッツ・カールトン東京の鉄板焼コース料理を取材し、完食して行った。

 更に、3日目は東京から博多へ航空機で移動し、ホテルオークラ福岡の鉄板焼コース料理、夕刻には同ホテル地階の広東料理のコース料理を取材試食するなど、胃袋と腸は爆発寸前となった。

 お陰様で、取材を強行する中で、筆者の「一生の宝物」となったのは、当時の多くの「匠」との出逢いである。そして、「匠」の温かい心が宿った、特別料理の数々。今でも、一つ一つの食材及び料理は、脳裏に色褪せずに焼き付いている。

 それを、「高級料理の写真を見るだけで不快だ!」と不躾なメールを送ってきた人物がいたのである。一見、「嫌がらせメール」のように思えたが、目を疑うような、憎しみが籠った「罵詈雑言」の数々に愕然とした。

 筆者は本業で全国各地を、それも自腹にて東奔西走していたので、取材した高級料理に「難癖」を付けられる筋合いはない。当時、レストランを貸切にして、一所懸命に特別料理を創ってくれていた「匠」への、「非礼なるメール」とも受け止められるので、筆舌に尽くし難いほど激怒した。

 驚いたことに、「嫌がらせメール」を送り込んだ人物本人は、地方の料理人だった。その人物が、他のジャンルの高級食材や料理の写真を見て、「不快」とは如何なものかと!?その人物の人格を疑わざるを得ないが、結局、諄い不躾なメールが3通も届いたのである。

 そこで、筆者は考えた。その人物は料理人ではあるが、全国各地で活躍し、スポットライトを浴びている「匠」への単なる「妬み」なのだろうと。そう考えれば、「不快」という言葉は、逆に、「匠」の崇高さを認めたことになる。

 そうなれば、「不快」の一言は、「私は雲の上にいる方々には敵わない。見ているだけで不快になった。凄い料理だ!」というふうに解釈すれば、何も問題はない。結局、自分の「完敗」を認めたのだから、それで良しとする。

 しかし、他人の仕事に対して、「横槍」やら「難癖」はあり得ない。同じ料理人であれば尚更のことである。この広い料理の世界を見渡せば、天才的な料理人もいれば、普通の家庭料理レベルの料理人もいる訳で、どのような料理を好むかは、お客様次第となる。

 何の根拠もなく、誹謗中傷するものではない。ただ、その人物が、上述のような罵詈雑言を日頃から発しているのであれば、自らの「赤恥」を曝け出すことになり、料理業界からオミットされても仕方ない。

 思い出したくもないが、挙げ句の果てには、「下衆の自慢話」、「貴方の仕事は辞めるべきだ」とまで書かれていた。よって、単なる「嫌がらせメール」が、事件性の高い「脅迫メール」になっていたのである。
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写真・文責:西田親生


                               

  • posted by Chikao Nishida at 2023/3/28 12:00 am

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