先日、レトルト食品や缶詰などを検証してみたが、今回は、菓子類の中身とパッケージを検証してみたい。
先般、子供が喜ぶような菓子類を見て回り、数点購入することにした。昔からある懐かしい駄菓子類、見たこともない新商品など、スーパーやコンビニには、駄菓子からプレミア菓子まで揃っている。
一瞬にして気づくのは、パッケージが大きいのに、いざ開封すると、中は空気だらけ。「輸送中に壊れないようにするためですよ!」という声も聞こえそうなほど、中身のない空間の方が広い。
円筒形のポテトチップのキャップを開くと、既に、三分の一が空間である。円筒形の箱は長くとも、中身はかなり短い。作為的に料金を抑えて、中身を削っていることがよく判る。
一つの袋に6ピースと書いてあるクリームサンドの小さな黒いクッキー。袋を軽く振れば、中身がガサガサと動き、空気の容量が中身よりも圧倒的に大きい。過包装の割には、中身が痩せすぎている。
折角、美味しい菓子として開発されたものが、段々と痩せ細り、商品価値を落として行く姿は、あまり好ましい傾向であるとは言えない。
物によっては、昔から品質や内容量もしっかりと維持しているメーカー品も少なくはない。しかし、季節限定で出されるものの中には、内容量が少なく、幼い子供でさえも満足感のないものが結構多いようだ。
大人になっても、幼い頃に慣れ親しんた菓子類を忘れることはない。そこで、今の幼子たちに夢と喜びを与えるべき菓子類が、とても心無い商品に見えて仕方ないのは、筆者だけであろうか。
勿論、昔から駄菓子と言えば、駄菓子屋店頭のガラスの容器から取り出し、重さを測ったり、個数を数えたりして紙袋に詰めて売っていた。これも、なかなか乙なもので、衛生面は別として、子供たちには夢と喜びを与えてくれた。
菓子ばかりを食べさせるのは食育には良くはないけれども、現在は、子供の夢と喜びを与えぬような菓子類が増えているのは、間違いのない事実。
大人のチョコを手にしても、干し葡萄の実には殆どラム酒が含まれず、痩せ細り乾き切っている。PBとなったオカキや煎餅も同様に、軽すぎて空気ばかりを含み、味も本来のものとは全く別物となっている。餅についても同じこと。
上記のように、空気の容量が少しずつ大きくなり、それが当たり前の商品であるかのように見せ掛けるのは、原価重視の狡賢い商品開発としか言いようがない。
そこまで中身を削って空気の容量を大きくしたいのであれば、極論ながら、消費税は狡賢い生産者側が負担すべきだと言いたくもなる。
やはり、食育を考えれば、本物の食べ物を幼子に与えたくなるのは当然のこと。それを、少しでも儲けるための愚策として、空気の容量を増やす遣り方は、今後ベクトルを変えて頂ければと。
更に、スーパーもコンビニも、オリジナル商品としてPB化に走るのであれば、本物のプレミア商品を開発し、競合他社と堂々と勝負をされては如何なものか。
PBが、安かろう、薄かろう、不味かろうでは、本来のPBの価値を落とすだけの話である。
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写真・書・文責:西田親生
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