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企業繁栄の鍵はヒューマンウェア

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 昔から「企業は人なり」と言うが、まさしく人があってこそ企業は形成される。ところが世間の話題になるのは、企業の顔である経営者ばかりだ。価値の置き所がズレているため、腐敗した経営者であっても、広告出稿が多ければ神輿を担ぐマスコミが現れる。

 2000年初頭、帝国ホテルを立て直したのは熊本県出身の吉村勲人氏である。就任挨拶で示された「ヒューマンウェア・ソフトウェア・ハードウェアの三位一体論」はあまりにも有名であり、筆者にとっても今なお思想の指針となっている。

 我々の世代で歴史に名を残す起業家といえば、海外ではApple社のスティーブ・ジョブズ、国内では筆者が実際に話を聞いた碓井優氏(コスモ・エイティ創業者/国内ベンチャーの草分け)だろう。さらに遡れば、現在再評価が進む渋沢栄一氏に行き着く。

偉大な起業家と「モドキ」の対比

 突出した天才的起業家であれば、その生い立ちや歴史、実績をひも解くだけでも多くを学べる。一方で、そうした存在を知れば知るほど、現代で吠え散らす「起業家モドキ」との落差に驚かされる。

 近年振り返れば、パワハラ・セクハラ、過剰接待や横領などの背任行為、違法行為の証拠隠滅、企業ぐるみの隠蔽、不当解雇、債務不履行、著作権侵害といった事件が次々と報じられてきた。

 時には、演技性人格障害を抱える経営者による犯罪も見受けられる。職位を悪用し、恫喝・脅迫・名誉毀損が常態化し、精神的に病む社員が続出している。それでも体裁を優先し、悪徳経営者を野放しにする企業が現実に存在する。

「黒魔術」が支配する組織

 悪徳経営者がトップに居座れば、周囲の役員も同じ病に感染し、社員や企業の未来など二の次。少数の役員の損得ばかりを優先し、理不尽を正当化して社員に責任を押し付ける蛮行が蔓延する。

 こうした状況を是正するために「リスクマネジメント部門」や「第三者委員会」が設置されるが、多くは形骸化している。パワハラ被害者が相談しても、裏では密室での「個別面談」によって恫喝や洗脳が行われ、結局は「我慢の強要」や「依願退職」に追い込まれる。これこそ悪徳経営者の黒魔術である。

 さらに監査役や顧問弁護士までが感染すれば、被害者は「念書」を書かされ、退職後の発言や訴訟を封じられてしまう。

解決のカギは「敬愛の念」

 しかし、廃絶の方法が全くないわけではない。根本的な原因は、経営陣と社員との間に「敬愛の念」「リスペクト」が欠落していることにある。これを確立できれば、どれほど濁った組織であっても浄化される可能性は残されている。

 経営陣は社員にとって範となるべき存在であり、社員は「ヒューマンウェア」として企業の繁栄に寄与すべきである。筆者がコンサルティング事業で最も重視するのは、この「敬愛の念」と「ヒューマンウェアの確立」である。

 足元を固めれば蛮行は激減し、黒魔術は衰退していくはずだ。しかし、過去に幾度も蛮行を繰り返してきた経営者であれば、即刻解任するのが最善である。性格や病的傾向は容易に治るものではないからだ。

現代版「水戸黄門」

 長寿番組「水戸黄門」を思い出すと、物語の冒頭には必ず「のみ・うつ・かう」「横領・袖の下・乗っ取り」などが背景にあり、悪代官や悪徳商人が暴かれ、弱者が救済されて物語が結ぶ。現代社会も同じであり、黒魔術を使いたがる輩は今なお暗躍している。

 「ヒューマンウェア」の存在なくして企業は存立し得ない。だからこそ、コンサルティングを委託されるのであれば、この点をしっかり理解した上で臨んでほしい。「ヒューマンウェア」は企業の宝であり、その宝を見下し粗末に扱うことは許されない。社員こそが、未来を切り拓く伸び代を持つ存在なのである。


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文責:西田親生

             

  • posted by Chikao Nishida at 2021/6/26 12:00 am

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