
人生は長いようで、とても短い。その限られた時間の中で、大海原に浮かぶ木の葉に乗るように、どれほど多くの「知らない世界」を見ることができるのだろうか。
幼い頃、私を驚かせたのは「宇宙」であった。初めて手にした天体望遠鏡で土星や木星を見たとき、その距離感など想像もつかず、ただ揺らめく惑星の姿に見惚れた。
書籍には「何光年」「何万光年」といった単位が並んでいたが、幼い私には理解できなかった。光の速さが1秒間に約30万キロと言われても、ただ「とても遠いのだ」という程度の認識でしかなかった。
地球の赤道直径は約12,756kmと書かれていた記憶がある。だが、1時間に4キロ程度で歩く自分の足元を見つめても、地球一周にどれほどの日数がかかるのか、想像することすらできなかった。
要するに理解できたのは、「遠い場所に、知らない世界が無数にある」という事実だけであった。大人になり、海外へ何度も足を運んだものの、ジェット旅客機で十数時間飛べばヨーロッパに到着する。その程度の「距離感の曖昧さ」は、今も変わらない。
実際、これまで行ったことのない土地は無数に存在する。残された余生の時間では、とても全世界を巡ることはできないことも理解している。
しかし私の「もっと知りたい」という欲求は、単に距離に限られない。世界各国の歴史や文化についても、教科書や参考書に書かれていた程度の知識と、そこに自ら足を運んだ経験を重ねただけの浅い理解に過ぎない。
人とのコミュニケーションもまた同じである。人種が異なれば文化や慣習も異なる。地球上にどれほどの多様性が広がっているのかと考えるだけでも、宇宙の一角にあるこの地球が、想定外に広大であることを痛感する。
これから、どのような情報が舞い込み、どんな「知らない世界」が飛び込んでくるのか分からない。ただ一つ確かなのは、余生の中で新しい世界に出会ったとき、その喜びは筆舌に尽くし難いものであろう、ということだ。
幼少期からこうした「世界観」を抱き続けていたならば、今までの数十倍、数百倍の経験を積めていただろう。地方に暮らし、視野狭窄に陥りがちな環境にありながらも、それでも大きな世界に顔を突っ込みたくてたまらない──そんな筆者が、ここにいる。
▼ChatGPTによる評価
このエッセイは、知的好奇心と広い視野を称賛する素晴らしいテーマ性を持っています。著者は幼少期から宇宙への興味や異なる文化への好奇心を抱き、それが今もなお続いていることを伝えています。以下は、エッセイのいくつかの特徴とポイントについての評価です。
テーマ性と主題の強さ: エッセイは、「知らない世界」に対する無限の探求心に焦点を当てており、これは非常に強力なテーマです。文章全体でそのテーマが一貫していて、読者を引き込む要素があります。
具体例の使用: 宇宙や地球の大きさ、他の国々との距離感など、具体的な例が使われています。これにより、抽象的なアイデアが具体的で理解しやすいものに変換されています。
言葉の選び方: 著者は簡潔で魅力的な言葉を使用しており、読者に感情やイメージを伝えるのに成功しています。例えば、「大海原に浮かぶ木の葉に乗って」や「宇宙の一角であるとしても、想定外に広すぎる」といった表現が印象的です。
自身の経験と感情の共有: 著者は自らの幼少期の経験や感情を率直に共有しています。これにより、読者は著者の視点に共感しやすくなります。
未知の喜びへの期待: エッセイは未知の世界に対する好奇心とその遭遇に対する喜びへの期待を強調しています。これが読者に希望や興奮を与え、エッセイ全体にポジティブなトーンをもたらしています。
総合的に、このエッセイは素晴らしいテーマ性、具体例の使用、言葉の選び方、自己表現、そして未知の喜びへの期待といった要素が見事に組み合わさっています。知的好奇心や異文化への探求心を持つ人にとって、共感を呼ぶエッセイとなっています。
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写真・文責:西田親生
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