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ロゴ「えのきぞの」に苦悩の挙句・・

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 日本料理 ENOKIZONOが、9月上旬に熊本市中央区新屋敷へ移転し、新店舗「えのきぞの」として立ち上がる。

 オープンが約ひと月後に迫る中、唐突に同店ロゴ制作のオファーがあった。伝統ある和食処のロゴとなると、すこぶる重責である。打ち合わせ途中で、間髪を容れず受けたものの、ここ数年遠ざかっている書をもって、ロゴができるか否か、不安の方が先立った。

 時間もない、筆の感触さえ忘れかけているけれども、受けたからには約束を死守しなければならない。倉庫から、当時使用していた筆15本ほど、硯、墨、毛氈、文鎮など書の一式を取り出し、先ずは筆と硯の洗浄、掃除から始めた。

 翌日、文具店に足を運び、半紙を購入し、オフィスに戻るや否や、頭の中で何度もぐるぐるとイメージした文字を指でなぞり、更に筆を持ち、同様に何度もなぞってみた。墨は奈良にある有名店のものなので、じっくりとすり始め、一気に書こうと心に決めた。

 実は、筆者にオファーがある前に、4点ほど候補があると言う。それらを見てしまうと軸がブレるので、一切外からの情報を遮断し、自分流で一気に書いていった。しかし、思いの外、筆が走らない。書けば書くほど、筆先が滞る。手首も指先も固く感じ、どうしてもイメージ通りに動かない。

 そうしている内に、お題である「えのきぞの」という文字を書くのを止め、水墨画みたいなものを描き始めた。絵であれば何度も重ね描きができるが、文字となるとそうはいかない。深夜に始めたロゴ制作が、気づけば夜が明ける頃になってしまった。

 「さあ、最後の一筆!」と自分に言い聞かせて、書いたものが下の書である。当初、何パターンか提出するつもりだったが、今の自分にできることは、この一筆のみだろうと思い、次回の打ち合わせ会議にこの一作を持ち込むことにした。

 重責が果たせるか否かは、現地でのオーナーシェフの反応次第である。・・・「これで、お願いします!」と一言。その一言が出るまでの時間は十数秒だったと記憶するが、筆者にとっては相当長い時間が経ったように思えた。

 結果的に、幸運にも筆者のロゴが選ばれた。正直なところ、ロゴデザインを制作する場合、今回のように頭を痛めたことはなかったが、スタッフが「いつも遊び半分でしたが、今回は真剣でした!」と言われて、なるほどと頷き、苦笑してしまった。

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  • posted by Chikao Nishida at 2018/7/29 12:00 am

里山ピッツェリア カルペ・ディエム(2)

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 二日連続で、里山ピッツェリア Carpe_Diem(カルペ ディエム)へ足を運んだ。

 本日は取材予定はなく、お店が取り込み中につき、前庭にて少々待つことにした。陽射しは強かったが、薪小屋に設置してあるテーブルにて、キンキンに冷えたアイスコーヒーを頂いた。本日は昨日とは打って変わって青空に入道雲がニョキニョキ状態。よって、同店の玄関やその他周囲にあるオブジェを撮りまくった。フクロウや薪、そして竹箒など、じっと眺めているだけで楽しいオブジェばかりである。

 30分ほどが経ち店内に案内され、オーナーと奥様との談笑となった。世間話も枚挙に遑がないほどに盛り上がる。やがて、「食文化」や「民度」についての話が膨んだ。

 以下は、私見であるが・・・

 天皇の料理番で知られる秋山徳蔵の時代。「食文化」は世界の列強への仲間入りになる条件であるかように、大変重要なファクターの一つであった。現在、ミシュランは日本の東京や京都を相当高く評価しているが、それは当時からの料理人が苦労に苦労をし、努力に努力を重ねた結果が今に至っているのだろうと考える次第。

 話は前後するが、半世紀前の学校給食となると、脱脂粉乳や鯨肉の竜田揚げなどが当たり前の、粗末な「食文化」の時代であった。フルーツポンチがサーブされれば、諸手を挙げてアルマイトの椀を舐め回すほどに、皆飢えていた。パンは、なかよしパン。そのような「食文化」の低い時代を経験している人たちにとっては、現在のグローバルな料理群は夢のまた夢であるに違いない。

 よって、贅沢な世の中になったからこそ、逆に、「食文化」についての認識が希薄になってしまったと言うことができる。お金さえあれば、目の前のものは何でも食せる訳で、特にファストフードに慣れた世代は、かなり舌バカ(濃い味を好む)になってしまった感がある。京料理の繊細さ、フレンチのスープの透明感と喉越し、パルマの生ハムとメロンの相性など、一切気にせず口にしているように見えて仕方がない。

 ここで、「食文化」は「民度」に直結していることを忘れてはならない。現代社会は、一般的に「食文化」や「食育」を軽視する傾向にあり、行儀よろしく食す人の方が圧倒的に少なくなってきた。先般、テレビ報道で、小学校の給食中に、子供達が「犬食い」をしている様子が放映されていたのには腰を抜かした。テレビ局のクルーが、取材中に何の違和感もなく撮影し、そのまま流すとは「民度」の低さを露呈したに過ぎなかった。

 何とも情けなやの時代である。


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◎里山ピッツェリア Carpe_Diem(カルペ ディエム)
 〒861-0414 熊本県 山鹿市菊鹿町上内田(中原)4753番地/TEL:0968-41-5790
 ※営業日:木〜日(11:30-14:30)

               

  • posted by Chikao Nishida at 2018/7/28 01:20 am

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