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ホテル文化に学ぶ(5)

▼西田親生が語る「ホテル文化と食文化」
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<肌で感じる文化発信基地>

 連載5回目は、「肌で感じる文化発信基地」である。

 ホテルのホテルと言われる帝国ホテルが、120年以上の長きにわたり、「文化発信基地」として君臨してきたことは周知の事実。ディナーショー、ブライダル、ショッピングモール、直営レストラン、バイキング料理、シャリアピンステーキ、ホテルメイドの洋菓子などなど、枚挙に遑がないほど、国内津々浦々まで新しい文化を常に発信してきた歴史がある。その影響のほどは絶大なもので、そこから欧米化の波が各地に浸透し、西洋式ホテルが次から次へと生れたことになる。

 高級ホテルやリゾートホテルへ足を運び入れると、玄関に入った瞬間に、黙っていても、その歴史や伝統の重みがダイレクトに肌に伝わってくる。カルチャーショックという安易な言葉では表現できず、鳥肌が立つほど、その魅力が突き刺さってくるのである。

 写真群は、日頃から足繁く通うホテルのスタッフやレストラン、その他施設を撮影したものだ。一般家庭では見ることができない、珍しいCASA、漆器や陶磁器、キリッとしたスタッフのタキシード姿、夢のようなチャペルやウェディングドレス、何を食べようかと迷ってしまうほどバリエーション豊かなバイキング料理、極上黒毛和牛を焼く鉄板のフランベ、鉄製フライパンで作られるトロトロのオムレツなど・・これらの写真では説明できないほど、「ホテル文化と食文化」がずっしりと詰まった「館」の存在に腰を抜かしてしまう。それが、高級ホテルが「文化発信基地」と言われる所以でもある。

 バイキング料理のシーズンとなれば、圧倒的に家族連れや会社関係の団体が多い。子供たちは、夏場はオシャレな浴衣を着て、両親や祖父母に連れられ、キラキラ光る料理群に目を丸々として、体全体で喜びを表現する。たまにはお行儀悪く、走り回る子供たちもいるが、段々とその雰囲気に圧倒され、静かに左手に持った器に、上手に料理を盛って運ぶようになる。無言の躾と言うべきか、子供たちの適応力は素晴らしい。


▼熊本ホテルキャッスルのブライダル
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▼ホテルオークラ福岡の鉄板焼さざんか
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▼熊本ホテルキャッスルのバイキング
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▼クラシックタイプのオムライスを作る料理人
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▼皿やコップを片付けるギャルソン
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▼熊本ホテルキャッスル11階からの眺望(熊本城ライトアップ遠景)
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▼熊本ホテルキャッスル会員制クラブ「エルドラード」
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◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995/熊本県第一号WEBサイト)
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文責:西田親生

                       

  • posted by Chikao Nishida at 2015/10/16 12:00 am

ホテル文化に学ぶ(4)

▼西田親生が語る「ホテル文化と食文化」
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<ヒューマンウェアの重要性>

 「ヒューマンウェア」という言葉は、ホテリエ幹部育成についてコンサルティングを行う時に、初手から遣う言葉である。それは、「ヒューマンウェア」、「ソフトフェア」、そして「ハードウェア」の三位一体論の中で、最重要課題なるものとして熱弁を奮う。

 一方、地方自治体などが絡んだ地域興しなどでは、プライオリティとしては、先ずはハードウェアありきで、ソフトウェアが後から付いて予算配分が行われ、気付けば尻切れとんぼになるケースが絶えない。それは、ソフトウェアよりハードウェアを優先してるのが要因であると考えられるが、助成金や補助金などは、杓子定規にハードウェア先行と成らざるを得ず、旧態依然とした血税の無駄遣いが続いているものがある。何とも理解しがたい。

 写真群下は、この数年間で撮影した、熊本ホテルキャッスルの各レストランのシェフやスタッフの業務中の姿。これこそ「ヒューマンウェア」を構成する精鋭部隊である。適材適所に配属され、各スタッフも天職としてプライドを持ち、日々厳しい業務に立ち向かっている。いつも各人に会う度に、「歴史と伝統を誇るシティホテルを一人一人が支えている!」と、感服しながら取材をさせて頂いている次第。

 一人一人が育ち、常に情報共有の連携が保たれ、各部署のタスクフローと「ヒューマンパワー」が噛み合ってこそ、初めて円滑に諸業務が完結して行く。どこにでも「先輩面」して、頭ごなしに恫喝する人間もいるが、それは論外であり、「ヒューマンウェア」を構成する一員に含める必要はない。何故なら、そういう人物が癌となり、折角築かれつつある「ヒューマンウェア」の礎が足元から崩れてしまうからだ。

 人を育てるには、その場でミスをしたスタッフを徹底的に叩くのも一つの方法(昭和的蛮行)だったかも知れないが、必ず、逃げ道を与えながらアドバイスしなければならない。又、良いところはしっかりと褒めてあげることが必要だ。それは、多くの部署を抱えるホテルにおいては、必要不可欠な人財育成のための鉄則の一つ「称賛のマネジメント」でもある。

 よって、各部署のリーダーやコマンダーの采配ぶりが重要な鍵となり、全体がバランス良くエキスパンドして行くと、そこには、徐々に、揺るぎのない「ヒューマンウェア」が確立されることになる。


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文責:西田親生

               

  • posted by Chikao Nishida at 2015/10/15 12:00 am

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