2009/06/07
メンタルヘルス
心のお薬
風邪をひいて咳(せき)が苦しい時に、咳を鎮(しず)める薬が処方されるように、心が苦しい時には、心の苦しさに合わせて薬が処方されます。
眠る事が出来ずに苦しい時には、眠りに入りやすくする薬や不安を和らげる薬などが処方されます。
また、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が少なくなって感情が乱れている場合には、それらの物質を吸収されにくくして濃度を高めるための薬が処方されます。
と書くと一見簡単そうに見えますが、
心の症状は人それぞれ
であり、作用の現れ方も人によって異なるため、1つの薬で大人だったら何錠でOK、というわけにはいかないのです。
医師は、他人と話す事が苦痛となって、うまく表現できなくなっているあなたの話だけを頼りに、少しでもその状態が楽になるように薬を組み合わせていきます。
ここからが風邪薬とは違うところで、
心の薬は副作用が先に出て、実際に効きはじめたと実感(少し上向いたという感じ)できるまでに2週間くらいかかる
場合が多いのです。
副作用は、医師から聞いていても、感情が乱れ、思考が鈍って記憶も落ちている時なので、薬を飲んでも効かない、またはひどくなると感じてやめてしまう事があります。
実際は副作用に対抗するための処方がありますので、一般的な副作用対策の薬は一緒に処方されますし、その他にどのような副作用が出たのかを医師に伝えれば、それに対するコントロールも出来ます。もし、本当にその薬が合っていないのならば、医師は豊富な選択肢の中から他にあなたに合うと思われる薬を探し出します。
あなたに出来る最良の手段は、詳しく記録を取る事です。
毎日、事実と自分が感じた事を箇条書きで記録していくと、次の診察の時に役立ちます。もし、診察の時に落ち込む波が来て、ろくに話が出来ないような場合でも、その記録を見せれば医師はだいたい状況を確認する事が出来るからです。
通院しながら、この作業を繰り返していくと、最良の薬の組み合わせが見つかるまで、どうしても時間がかかってしまいます。
もし、事情が許せば入院した方が、周囲のプレッシャーなどという余計な要因がなくなるので薬の効き方などがはっきりとわかります。
最良の薬の組み合わせが出来たならば、その人に合った最高の血中濃度にまで薬の量を上げて症状が一時的に消えたように見える状態まで
持っていきます。
この時は、薬が何十錠となる場合があるかも知れません
できたら入院状態の方が安心です。
そして、医師が様子を見ながら、じわじわと薬の量を下げていき、最終的には薬なしで日常生活が送れるところにまで持っていきます。
問題は、この一番最後のプロセスで、退院して日常生活にいますし、また、復職準備、人によっては復帰しているかも知れません。
この時期は「もう治っている」と思い込みたい時期ですし、周囲も「薬を飲んでいる=悪い状態」と勘違いしやすい時期で、なかなか医師の指示通りに薬を継続できずに症状を再燃させたり、ずるずると調子の悪さを引きずったりします。
この時に、役に立つのが精神科の薬や治療法についてある程度の知識のあるカウンセラーで、忙しい医師に変わって日常生活や社会生活の場において、医師の指示を守らせながら本人が社会生活に溶け込んでいけるようにサポートします。
まったく精神医学の知識がない上司や友人や家族に、最初から「理解してくれ」というのは無理な話です。
まずは、理解してくれるカウンセラーに話をしてみてはいかがでしょうか。
■
登録2009/06/07 11:06:37 更新2009/06/07 11:06:37
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プロフィール
産業カウンセラーは、心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。
その仕事は、時代とともに変化してきました。創成期は高度成長時代の初期にあたり、地方から集団就職してくる若者の援助者として。高度成長時時代のピークには、OA革命に象徴される職場環境の激変の中における、メンタルヘルス対策の推進者として。そして現在は、リストラに苦しむ多くの人たちや、過度なストレスにより心身の不調をきたす人たちの良き理解者・援助者として活躍しています。
また、産業カウンセラーには、その学識、技能および素養によって段階があり、資格取得後も日々自己研鑽に励んでいます。
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また、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が少なくなって感情が乱れている場合には、それらの物質を吸収されにくくして濃度を高めるための薬が処方されます。
と書くと一見簡単そうに見えますが、心の症状は人それぞれであり、作用の現れ方も人によって異なるため、1つの薬で大人だったら何錠でOK、というわけにはいかないのです。
医師は、他人と話す事が苦痛となって、うまく表現できなくなっているあなたの話だけを頼りに、少しでもその状態が楽になるように薬を組み合わせていきます。
ここからが風邪薬とは違うところで、心の薬は副作用が先に出て、実際に効きはじめたと実感(少し上向いたという感じ)できるまでに2週間くらいかかる場合が多いのです。
副作用は、医師から聞いていても、感情が乱れ、思考が鈍って記憶も落ちている時なので、薬を飲んでも効かない、またはひどくなると感じてやめてしまう事があります。
実際は副作用に対抗するための処方がありますので、一般的な副作用対策の薬は一緒に処方されますし、その他にどのような副作用が出たのかを医師に伝えれば、それに対するコントロールも出来ます。もし、本当にその薬が合っていないのならば、医師は豊富な選択肢の中から他にあなたに合うと思われる薬を探し出します。
あなたに出来る最良の手段は、詳しく記録を取る事です。
毎日、事実と自分が感じた事を箇条書きで記録していくと、次の診察の時に役立ちます。もし、診察の時に落ち込む波が来て、ろくに話が出来ないような場合でも、その記録を見せれば医師はだいたい状況を確認する事が出来るからです。
通院しながら、この作業を繰り返していくと、最良の薬の組み合わせが見つかるまで、どうしても時間がかかってしまいます。
もし、事情が許せば入院した方が、周囲のプレッシャーなどという余計な要因がなくなるので薬の効き方などがはっきりとわかります。
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問題は、この一番最後のプロセスで、退院して日常生活にいますし、また、復職準備、人によっては復帰しているかも知れません。
この時期は「もう治っている」と思い込みたい時期ですし、周囲も「薬を飲んでいる=悪い状態」と勘違いしやすい時期で、なかなか医師の指示通りに薬を継続できずに症状を再燃させたり、ずるずると調子の悪さを引きずったりします。
この時に、役に立つのが精神科の薬や治療法についてある程度の知識のあるカウンセラーで、忙しい医師に変わって日常生活や社会生活の場において、医師の指示を守らせながら本人が社会生活に溶け込んでいけるようにサポートします。
まったく精神医学の知識がない上司や友人や家族に、最初から「理解してくれ」というのは無理な話です。
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