2010/03/20
メンタルヘルス
「今」を外さないということ
最近カウンセラーや心理関係者のご訪問が多くなったようです。
この辺で、自戒の意味も込めて書き留めておこうと思います。
私たちは計数化しにくい「心」というものを扱っています。
人によってはそれは脳の活動に過ぎない、とか魂であるとかおっしゃいますが、とりあえず「心」という言葉を用いることにします。
基本的にカウンセリングはカウンセラーとクライエントの心の相互作用によって進行していきます。カウンセラーは主訴等を把握して、見立てを行い、問題を解決して終結するまでのプロセスを組み立てて、カウンセリング期間や回数をクライエントに示す、いわゆる構造化を行います。この辺はプロのカウンセラーの皆様には、何を今更といったところでしょうが、プロセスを組み立てる段階で切っても切り離せないのが、この症例にはどの療法を適用していくかということになろうかと思います。
一般的に薬物療法と違ってカウンセリングには副作用がないと思われていますが、転移等に振り回された経験のある方なら、ある種の副作用の実感はお持ちではないでしょうか。
薬局で気軽に買える薬に「説明書をよくお読み下さい」と書かれているように、療法もクライエントをよく見ながら使う必要があります。
私も新しいものにはけっこう興味を覚える方なので、色々と研究はしますが、実際にそれを使うかどうかというと別の次元の話になります。
とくに「過去」や「未来」に焦点を当てすぎると、「今」目の前にいるクライエントの進行中の苦しみから視点が離れてしまう可能性があります。
今の苦しみを過去の原因に遡ることで解決できるクライエントもいますが、そうでない方もいます。問題はそうでない方をいつまでもその技法にこだわったり、更に胎児の時は?生まれる前は?過去生は?と退行させていって、結局何も得ることなく、不信感だけを植え付けるといったことにならないようにということです。
また、あと3年もすれば、とかとりあえず春までがんばって、と軽く口に出す方がいますが、それが出来るくらいならば最初から相談には来ません。今が乗り越えられない苦しみを持った人が目の前にいることを忘れずにいたいものです。
■
登録2010/03/20 09:38:25 更新2010/03/20 09:38:25
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コメント
おはようです(
ちぃ
)
素晴らしい意見だと思いました。クライエント目線で、そう感じました。
そうなんですよねー。。「今」が、しんどいから、カウンセリングしてもらってる。ということ。
ほんとそうなんです。。「今」、心が重いんです。。だから、モヤモヤを軽減するために、
カウンセリングを受けてるんです。本当にその通りだと思いました。
あとは「頑張って」は、気持ちを落ち込ませるか、腹立たしさを覚える人もいると思うんです。
ちぃのカウンセラーのTさんは、いつも「よー頑張ってる。えらいなー^^」って、いってくれます。
そうやって、自分以外の人間に心の底から褒められたら自尊心の芽が育ちます。
Tさんから、「いつも頑張ってるんやから、ぼちぼちいこー^^」って、言ってもらえるだけで、
自分の行動への自信や安心感が湧いて、自己肯定していけるようになるんですー^^
今月で10ヶ月目になるカウンセリングで、最近気付いたことは、やっぱり、自己存在価値の大切さ。
存在価値が見出せないと、どんどんウツ気味になっていくように感じました。
過去があって、今があるし、今があるから未来がある。だけど、生きて存在している、
「今」が、一番大切だという事は、本当にその通りやと思います。
Tさんの、今側で寄り添ってくれてるような、カウンセリングが心地良いのは、
こういうことかーと、田子猫さんの記事を読んで気付きました^^
Tさんを、これからも大切にしていきたいと思います*^-^*
田子猫さん、いつも大切な「気付き」を、「学び」を、ありがとうございます。
2010/03/20 11:40:54
こんばんは(田子猫)
「がんばって」がマイナスに作用するのは、しょせん他人事という態度で言われた場合と、がんばれば出来るだろうという意図が見え見えの時ですね。
そういう時は、それが言葉になっていなくても強烈に伝わりますね。
ところで、自分が何のために生きているのか、というところをつきつめていくと、生きているだけで誰かの役に立てるのだということに気がつきます。自分自身がそういう意味での大いなる存在なのだという価値を見出すことは大切なことだと思います。
2010/03/20 23:10:59
こんにちは(
ちぃ
)
ほんとにその通りやと思いますー!
ありがとうございました*^-^*
2010/03/22 12:29:11
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プロフィール
産業カウンセラーは、心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。
その仕事は、時代とともに変化してきました。創成期は高度成長時代の初期にあたり、地方から集団就職してくる若者の援助者として。高度成長時時代のピークには、OA革命に象徴される職場環境の激変の中における、メンタルヘルス対策の推進者として。そして現在は、リストラに苦しむ多くの人たちや、過度なストレスにより心身の不調をきたす人たちの良き理解者・援助者として活躍しています。
また、産業カウンセラーには、その学識、技能および素養によって段階があり、資格取得後も日々自己研鑽に励んでいます。
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人によってはそれは脳の活動に過ぎない、とか魂であるとかおっしゃいますが、とりあえず「心」という言葉を用いることにします。
基本的にカウンセリングはカウンセラーとクライエントの心の相互作用によって進行していきます。カウンセラーは主訴等を把握して、見立てを行い、問題を解決して終結するまでのプロセスを組み立てて、カウンセリング期間や回数をクライエントに示す、いわゆる構造化を行います。この辺はプロのカウンセラーの皆様には、何を今更といったところでしょうが、プロセスを組み立てる段階で切っても切り離せないのが、この症例にはどの療法を適用していくかということになろうかと思います。
一般的に薬物療法と違ってカウンセリングには副作用がないと思われていますが、転移等に振り回された経験のある方なら、ある種の副作用の実感はお持ちではないでしょうか。
薬局で気軽に買える薬に「説明書をよくお読み下さい」と書かれているように、療法もクライエントをよく見ながら使う必要があります。
私も新しいものにはけっこう興味を覚える方なので、色々と研究はしますが、実際にそれを使うかどうかというと別の次元の話になります。
とくに「過去」や「未来」に焦点を当てすぎると、「今」目の前にいるクライエントの進行中の苦しみから視点が離れてしまう可能性があります。
今の苦しみを過去の原因に遡ることで解決できるクライエントもいますが、そうでない方もいます。問題はそうでない方をいつまでもその技法にこだわったり、更に胎児の時は?生まれる前は?過去生は?と退行させていって、結局何も得ることなく、不信感だけを植え付けるといったことにならないようにということです。
また、あと3年もすれば、とかとりあえず春までがんばって、と軽く口に出す方がいますが、それが出来るくらいならば最初から相談には来ません。今が乗り越えられない苦しみを持った人が目の前にいることを忘れずにいたいものです。