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上五島で出逢った天然物に腰を抜かす。

miyaji2023-0330


 30年ほど前に、上五島(長崎県旧奈良尾町)へ上陸した時のこと。船で島の周遊をしていると、70cmを超える天然真鯛を釣り上げた人と目が合った。その釣り人は筆者へ満面の笑みにて、大物を両手に抱え、天に向かって突き上げた。「こんなの初めて釣りました!」と大声で叫んだ。

 あのような巨大天然真鯛は見たことがない。それから、筆者も船から手釣りにて天然石鯛を狙い、1時間ほどで小ぶりだが三匹釣り上げた。もっと大物を釣り上げたかったが、そろそろ夕餉の時間となるので、宿に戻り、女将に頼んで皮焼きのお造りにしてもらうことにした。夕飯に出された「石鯛の皮焼き」は、自分で釣り上げた天然物であり、すこぶる美味であった。

 二度目の上五島上陸の時だったか、「トライアスロン in 奈良尾」(筆者の企画)運営のために、スタッフ全員を連れての上陸だった。旅館やビジネスホテル、民宿(仮設)などの宿泊施設は、国内外からの参加選手と応援部隊の予約で満館。しかし、当時の町長の「おもてなし」にて、町長ご自宅の別宅に皆泊めてもらうことになった。

 大会も事故なく無事終了。3日目、最終日の朝となった。別宅玄関へ朝食を持ち込んでくれたのだが、最終日の朝食メインディッシュは、一人に丼一杯の早朝獲れたての生ウニである。

 今でもちょくちょく話題になるほど、その当時の「大盛り生ウニ丼」は筆舌に尽くし難いほどに旨かった。やはり、近場のウニやアルコール含有の練り物ウニ(瓶詰め)とは比較にならない。当たり前のことではあるが。

 三度目の上陸時には、アゴ(飛魚)出汁の五島うどんの地獄焚き。五島うどんの乾麺は、15分煮ても腰がある。そこに、天然アゴ出汁なので、至福の極みとなる訳だ。恥ずかしながら、御代わりを2回願った記憶がある。

 同島の自然豊かな海の幸を思い出しながら書き綴れば、枚挙に遑がない。ただ、このように獲れたて天然物を沢山食すことはないので、如何に高級魚を熊本市内で食したとしても、この感激はない。その土地ならではの新鮮な海の幸であり、現地の磯の香と心優しい島の方々に包まれるからだ。

 更に、現地の料理人が、数ある魚介類で一番旨い逸品として腕を奮ってくれるからである。国内でプロの料理人として活躍している人の中でも、五島列島や対馬などの島出身の料理人が多い。子供の頃から父親の背中を見て漁に出て魚を捌き、既に板に付いているに違いない。

 天才フレンチシェフの三國清三氏の著書「三流シェフ」にも、幼い頃に育った目の前の海でホヤなどの天然物(高級魚介類)を食べていたので、舌がしっかりと覚えていると語っている。よって、幼い頃の食のレベルは、その人の将来に大きな影響を与えるのであろうと。

 何はともあれ、天然物尽くしの上五島の想い出は忘れ難きものばかり。あれから知人友人は同じく歳を重ね、現役を退いた政治家もいるが、再会できることなら、当時の料理を再現し、皆で美酒に酔いしれたいものである。

※写真上の魚は、美食 みやじ(熊本市)名物の生きた「黒がらかぶ」を絞めて直ぐに撮影したもの。

黒がらかぶ専門店「美食 みやじ」
〒860-0803 熊本県熊本市中央区新市街2-4 2F
TEL: 096-322-9895
◎営業時間:18:00~翌1:00(ラストオーダー:翌0:00)
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写真・文責:西田親生


                   

  • posted by Chikao Nishida at 2023/3/30 12:00 am

根っこから腐り切った地方行政・・・

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 地域振興の為に長崎県旧奈良尾町で企画開催したトライアストン大会が、筆者の人生の宝物となっている。

 僅か3800人ほどの町に足を踏み入れると、皆が快く受け入れてくれ、採れ立てのウニ、石鯛の皮焼き、上五島特有のちゃんぽんと・・・思い出すだけで、よだれがこぼれ落ちるほど、愛情がこもった美味しい料理を振舞ってくれた。

 当時、上五島では5ケ町(新魚目町、上五島町、有川町、若松町、奈良尾町)あり、同島では若者が高校卒業すると、ほとんど島外へ、更には県外へと出て行ってしまう。そこで、加速度を増す過疎化に頭を痛めていた同町観光協会の笹田専務理事(故人)が来熊し、当時の交通センターホテルで相談に乗ったことを、昨日のように覚えている。

 筆者は、熊本の新聞社に勤務していたけれども、長崎県上五島へ上陸し、他県での「トライアスロン in 奈良尾」企画開催を決意したのは、その島の人たちの熱意が伝わって来たからだが、実は、新聞社内ではあまり良い反応ではなかった。理由は、他県にも地元新聞社がある訳で、それを飛び越えてイベント開催など以ての外と言うことになる。

 地域興しのキーワードを、自分なりに「差別化」、「突出」、「地域の潤い」とし、1年3ヶ月を経て、同大会の開催に漕ぎ着けた。この15ヶ月間の準備期間に、いろんな横槍も入って来た。最後の調整会議にて、ネガティブ人間が「もし事故があったら困るので、取り止めましょう!」という心無い発言に、筆者の頭から血が吹き出した。

 若気の至りで、テーブルを両手で叩き、その人物の弱腰に食いついた。15ヶ月間頑張って来た関係者が愕然とするような、及び腰発言。何とも情けなかったが、最終的に、その軽々な発言をした人物は皆に深々と頭を下げて、深謝した。空気を読めない人物は、どこにでも居るけれども、自腹で7回も島に渡り、実現に向けてひた走って来た筆者が激昂するのは当然のことだった。

 このようなハプニングは大なり小なりあるものの、地域振興のための「トライアスロン in 奈良尾」は、どうにかこうにか、翌年6月開催に漕ぎ着けた。現在も、熊本県内を取材で走り回る中でも、このようなネガティブ発言や、人事権の濫用でぎくしゃくした地方行政の醜態を垣間見ることもある。

 地方において、少数の人間に権力が集中すれば、助成金でもイベントでも公共施設管理問題でも、全てに歪みっぱなしの空白の時が過ぎて行くことになる。昨年も夏場に、某町公的施設のテナント虐め問題が浮上し、結局、行政側担当者の悪意に満ちた屁理屈により、老夫婦が長年営んでいた人気食事処が強制的に追い出されたのである。

 公明正大に地方行政が行わなければ、決して良い結果が出るはずもなく、地域が潤うはずがない。そこにはオンブズマン制度も存在せず、行政という大木が根から腐っていることさえ、話題にもならぬ状況だ。そこには、御多分に洩れず、議員の厳しい監視の眼なんぞ皆無の状態であり、既得権益者は裏でコソコソと、蓮の根っこのように、皆が連なっている。

 公的施設の指定管理者制度においても、「非公開」という文字が並ぶのに、誰も異論を投じないところが不思議でたまらない。勿論、腐った状態を放置しているのは、マスコミ側の鋭いメスがなくなってしまった事も大きな要因と言えようが、それ以上に、気骨ある人物が少ないことが嘆かわしい。

 それに比べ、前述の「トライアストン in 奈良尾」では、町長以下、皆、素晴らしい人物ばかりで、町会議員を11期務めたご老体(当時90歳)も、地域振興の為に、ガラス張りを大前提に、迅速、且つ、大胆に支えてくれたのであった。

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  • posted by Chikao Nishida at 2018/8/1 04:45 am

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