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本日のNHK「新プロジェクトX」には泣けた。

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 新聞社時代から現在に至るまで、「地域おこし」、「村おこし」、「町おこし」が常に頭のどこかにある筆者である。

 理由は、新聞社を若くして辞め起業する前に手掛けたのが、長崎県上五島の旧奈良尾町の「トライアスロン in 奈良尾」であった。

 新聞社を辞める4年前に、同町観光協会専務理事が熊本を訪れ、当時の交通センターホテルで会うことになった。

 相談内容を聞くと、98%若い人たちが島外へ就職や進学のために出ていくので、過疎化が加速しているとのことであった。

 筆者が勤務しているのは熊本県の地方紙であるために、長崎県の新聞社を外して、同専務理事の願いを安易に受けることはできない。よって、重役を口説き、筆者が責任を持って同町にスポーツイベントを企画することになった。勿論、事前に長崎の新聞社に詳細を伝え、了承を得た。

 筆者の頭にあったのは、当時、国内外で話題になっていたスポーツ「トライアスロン」を同町で開催することである。

 開催予定まで1年3ヶ月しかないが、それまで上五島へは、ほとんど私費で7回上陸した。町長ほか各団体の会長らへ挨拶を行い、企画案を持ち込み、「トライアスロン in 奈良尾」開催に向けて、全て承諾を得ることができた。お陰で、「トライアスロン in 奈良尾」の開催に漕ぎつけた。

 前置きが大変長くなったが、本日のNHK「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜"破綻寸前からの総力戦" 海士町」を拝見しながら、当時の奈良尾町を思い出し、見終わった頃には、涙でテレビの画面はぼやけていた。

 海士町の町長以下全職員と町民が一丸となって、破綻を回避した秘策の数々は、その土地の住民の優しさ溢れる心が支えたに違いない。それがテレビ画面から飛び出してきた時は鳥肌ものとなり、涙が止まらなくなった。

 故郷を思う島民の姿を目の当たりにして、自分の故郷に対して期待薄となっている自分がいることに気づく。何とも情けないことだが、自戒を込めての話であるが、海士町の島民の志を手本にしたいものである。

 熊本という土地柄は、「俺が、俺が!」が多すぎて、市町村民や県民のことを、死に物狂いで真剣に考えている人間がどれだけいるのか。

 正直なところ、体裁ばかりを重んじる「俺が、俺が!」が多く、或る学識経験者の言葉を借りれば、独断的な首長が多く、海士町の町長のように腹が座った、素晴らしい人はほんの一握りではなかろうかと。

 素晴らしい番組を拝見し、心が洗われた気持ちになった。気づけば、夕食を忘れてしまったが、機会があれば、少しでも早い時期に、隠岐島の海士町を訪れたい。

※タイトル画は、DALL-Eが上のエッセイを読みイメージしたもの。

▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイは、NHKの「新プロジェクトX」の一エピソードに感銘を受けた筆者が、自身の経験と重ね合わせながら綴ったものであり、地域おこしや村おこしに対する熱い思いが感じられます。以下に、感想を詳しく述べます。

感動の共有
エッセイ冒頭から、筆者がNHKの「新プロジェクトX」に深い感動を覚えたことが伝わってきます。特に、「破綻寸前からの総力戦 海士町」というエピソードが、筆者の心に強く響いた理由は、過去に自らが手掛けた地域おこしのプロジェクトと重なる部分が多いからです。自身の経験を思い出し、涙を流す筆者の姿には、番組の持つ力と感動がいかに大きいかが伝わってきます。

自身の経験と重ね合わせる描写
筆者が新聞社時代に手掛けた「トライアスロン in 奈良尾」のプロジェクトは、過疎化が進む地域を救おうとする熱意に溢れています。奈良尾町での経験は、筆者にとって大きな挑戦であり、多くの困難を乗り越えたことが伺えます。特に、町長や各団体との連携を通じてイベントを実現させた過程は、地域おこしの難しさと達成感を物語っています。

海士町の取り組みへの共感
海士町の町長や住民が一丸となって地域の破綻を回避する姿に、筆者は大いに共感しています。番組を見ながら、故郷を思う島民の姿に自身を重ね、故郷に対する自分の姿勢を反省する筆者の姿は、視聴者としての正直な感情が溢れ出ています。また、海士町の町長のリーダーシップに感銘を受ける一方で、熊本の地域に対する批判的な見方も率直に述べられています。

自戒と未来への決意
筆者は、海士町の取り組みを見て、自分の故郷に対する期待が薄くなっていることに気づきます。この自戒の念は、筆者が今後どのように行動すべきかを考えるきっかけとなっています。海士町を訪れることで、新たなインスピレーションを得たいという希望は、筆者の今後の行動に対する前向きな姿勢を示しています。

結論
全体として、このエッセイは地域おこしの難しさとそれに挑む情熱、そしてその過程で得られる感動や反省を描いています。筆者の個人的な経験と感情が交錯し、読者にもその熱意と感動が伝わる内容となっています。エッセイを通じて、地域おこしの重要性やそれに携わる人々の努力に対する敬意が感じられ、筆者自身の成長と決意も見て取れます。
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プロンプト・文責:西田親生


                         

  • posted by Chikao Nishida at 2024/5/26 12:00 am

NHK(再放送)を観て・・・村おこし、町おこしの難しさ

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<NHKドキュメンタリーについて>

 早朝に町おこしのNHK(再放送)を観ながら、イラっとしてしまった。寂れた町を訪れた有名デザイナーがその町に魅せられて、その町おこしを決意し、町の人たちとの紆余曲折なる接点を描くものであった。実に素晴らしい、ドキュメンタリーである。

 イラっと来たのは、最初の説明会。数人の高齢者が「俺たちが築いた町を、何を今更、ハゲタカのように来て。俺は反対だ!」と非礼なる言葉を発した瞬間に、三十五年前に筆者が手掛けた、長崎県五島列島(上五島)の「トライアスロン in 奈良尾」を思い出したのだった。

 その町に魅せられて足を運んで、もっと盛り上げようというプレゼンテーションであるにも関わらず、過去の栄光を今も引きずる高齢者たち。「俺たちが創った町をとやかく言うな!」と。しかし、昔は昔。今は寂れに寂れ、開いている店がほとんどない状態となっている。

 昔はバブリーな時代もあり、胡座をかいていても、観光客はゾロゾロとその町に集まった。当時、ニュースでも聞いたことのある町だ。現在は寂れるばかりで、その今を直視せず、昔のお伽話に酔いしれているのだから、更にイラっとしたのである。

 そのデザイナーは自ら描く町のイメージを、粛々と進めて行くのだが、初手から対峙の関係にて接する人たちは、視野が広いとは言えず、このままでは町の存亡に関わるほど、若い人が居なくなるのは必至。

 そうなれば、体が弱り動かなくなった高齢者たちは、年金暮らしの延長線として施設暮らしを選ぶに違いない。今直ぐにでも、この町にカンフル剤を打ち込まぬ限り、ゴーストタウンになってしまう可能性が高い。

 一つでも灯りがついた店が増えるように町の様子を伺うデザイナー。そのドキュメンタリーを観ているだけで、胸が痛くも熱くもなってしまう。筆者であれば、最初の説明会の罵詈雑言にキレまくり、さっさと撤退したかも知れない。

<「トライアスロン in 奈良尾」開催に向けて>

 筆者が手掛けた長崎県の上五島でも同じことがあった。「トライアスロン in 奈良尾」の企画の段階から1年3ヶ月を経て、ようやく第一回大会に漕ぎ着けそうになった矢先のことである。(それまで脳内が何回爆発したろうか)

 当時、新聞社に勤務していたが、他県の島の町おこしなので、1年3ヶ月の間に、その島に7回上陸し、交渉に交渉を重ねて、自分の尻を叩いて頑張った。

 それも、全て自費で熊本市から旧奈良尾町に出向き、コース設定をはじめ、町長、総務課長、体育協会長、観光協会長と膝を突き合わせて、町おこしプロジェクトに傾注していた。

 そして、警察、消防、海上保安庁などの許可を得て、ようやく、翌年6月に第1回大会が決まった。

<某協会長の爆弾発言に激昂>

 ところが、最後の説明会にて、某協会長が「やっぱり、もし、事故があったらいかんので、この大会の計画は止めませんか!私は反対です!」と、唐突に言い出したのである。

 一瞬にして火がついた筆者は、長机を両手の掌が痛いほどバンと叩き、その協会長へ詰め寄った。「協会長、あなたは何を言っているのか、理解に苦しむ。この1年3ヶ月の皆の苦労を台無しにするのか!」と。

 筆者がその協会長のところへ近づいて行くと、横から、後ろから十数人が取り囲み、筆者を制止した。

 筆者へ、或る一人が「長崎トライアスロンの私たちに任せて下さいませんか。今の協会長の発言は撤回して貰いたい。何度も熊本からこの島に来られては、一所懸命コースの安全性を確認したり、交渉をしてくれた方に失礼じゃないですか!」と、大勢の人たちが協会長に更に詰め寄った。

 暫くして、その協会長は発言を撤回し、深謝し、翌日のコースの最終安全チェックを行うことを約束し、最後の会議が終了した。

<公用車が勢揃い>

 翌日、早朝から筆者が宿泊していた旅館の玄関先が騒がしい。何だろうと玄関に出ると、先頭にはパトカー、そして町長専用車、町役場車両、更に、体育協会車両や観光協会車両ずらりと待機していた。

 旧奈良尾町の若い担当者が、「30分後に出発しますので、よろしくお願いします!」と玄関にいる筆者に声を掛けてくれた。全身に鳥肌が立つほど嬉しくもあり、町中の人たちの熱意が旅館の玄関にまで飛び込んできたのである。

 村おこし、町おこしは、そう簡単にできるものではない。毎日毎日、何らかの壁が立ちはだかり、それを越えたかと思えば、大きな落とし穴もある。大勢の人たちを説得するのが、これほどまでに大変なことなのかと、その時初めて実感したのである。

<「接遇」への意識高揚>

 田舎の方々を小馬鹿にする訳ではないが、旧奈良尾町は魅力的な土地柄だったが、見えざるローカルスタンダードというものがあり、島外から来た筆者に対しては「余所者」として、なかなか胸筋を開いてくれなかった。

 電話の応対も、名刺交換も知らない小さな町の住人たち。よって、大会開催までに「接遇セミナー」を町の体育館で開催することにした。その指導者として選んだのは、熊本市内にある現在のANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイのインフォメーションレディ2名(コンシェルジュ役)をお借りして、旧奈良尾町に乗り込んだのである。

 一人は元ミス熊本、もう一人もミス○○。170cmほどの二人が、ライトグリーンのスーツにハットを被り、奈良尾町の体育館壇上に足を運べば、どよめきと歓声が聞こえた。

 そこで、旅館や民宿、そして土産店などから来られている島民の方々へ、先ずは、電話の応対から指導を行い、更には、名刺交換や島内案内の仕方など、一つ一つ手を取り足を取り指導して行った。

 「まあ、別嬪さんばかりで、うちの息子の嫁に来てくれんだろうか?」、「うちの旅館の若女将になるなら、お客は増えるばい!」とか何とか、セミナーどころの騒ぎではない。

 会場は、最初はシーンとして「余所者が来た」と思っていた人たちがほとんどだった。しかし、指導が始まると、目を丸々として「こぎゃんお辞儀ばせなんとたい!」、「電話の応対は難しか!」など、ワイワイガヤガヤとなり、2時間に及ぶセミナーが無事終了したのである。

<町のドンと美女二人>

 女性のパワーが素晴らしいと思ったのは、体育館では初めて会う人たちばかりなのに、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の二人を見て、すぐに和気藹々となっている。筆者など、和気藹々となるのに1年3ヶ月も掛かったのが嘘のような・・・。

 村おこし、町おこしのスタート時点では、先ずは、人と人との接点がすこぶる重要である。よって、「接遇セミナー」を企画して、熊本から指導者を運んできたのは、思いの外、町の方々へは高得点であった。

 その日の夜は、11期町議会議員の経歴を持つ、町のドンとの会食の予定となっている。これまた、美女二人に囲まれたご老体(当時90歳)は、満面の笑みにて、何度も座椅子から滑って座卓の中に入り込んでしまう。

 それを美女二人がご老体の両腕を引っ張り、座椅子に戻すの繰り返しを三度ほど行ったような。最初の滑りは本当だったようだが、後の滑りは態とらしい仕草に見えて仕方なかった。

 現在、当時出逢った高齢者の方々は皆他界されているが、このように当時を思い出しながら筆を走らせると、当時の町の重鎮たちの笑顔が脳内を駆け巡る。

<「トライアスロン in 奈良尾」の今>

 それから、筆者が企画した「トライアスロン in 奈良尾」は、旧奈良尾町が統合合併されるまで町主催で23回まで開催され、その後は、トライアスリートである個人が継承し、今も尚続いていると言う。有難いことである。

 最後に、NHKの再放送のドキュメンタリーの通り、村おこしや町おこしは産みの苦しみを分かち合い共有することで、そのプロジェクトは成功裡に必ず動く。私利私欲やプライドを捨て、過去に後ろ髪を引かれることなく、時流を見極めて、情熱を注ぐことが肝要となる。

▼NHK+でご覧ください。
https://www.nhk.jp/p/ts/P71P7Q379L/episode/te/P88M5PX7M4/Link
▼積善之余慶
https://note.com/chikaonishida/m/mb2e94b9e860bLink
▼トライアスロンin五島列島
https://www.kamigoto-triathlon.comLink
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https://www.dandl.co.jp/Link
写真・文責:西田親生


                 

  • posted by Chikao Nishida at 2023/8/13 12:00 am

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