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ヴィンテージ器の検証

▼Warranted/STAFFORDSHIRE/W.ADAMS & SONS/ENGLAND(径22.5cm)
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 写真上と下は、ウィローデザイン(柳の木)の絵柄で有名な皿である。1800年代後期から1900年代前期に掛けて、イギリスで製造されたもの。日本の絵付けと全く異なる製造法・・・即ち、手描きではなく、銅板に絵柄を刻み、量産を可能にしたものだ。現在のプリントで焼く工法の前身となるものだろうと推察する。

 器の質は、陶器と磁器の中間に位置するもので、手に持つと、思ったよりも薄くて軽い。絵柄を見ると、中央に柳の木と城らしき大きな建造物が描かれ、上中央に鳥が二羽。左上に木々に囲まれた小さな家。その下方に船、更に下方には、城とを結ぶ石橋を歩く召使いらしき三人が描かれている。

 実は、皿の絵柄は単なるデザインではなく、昔々の物語が隠されていると言う。・・・高貴な家柄の女性(お姫様?)と身分の低い男性の恋の物語のようだ。世間的に認められない間柄を引き裂こうと、城からの迎えの船が二人の居るところへ迫って行く。・・・二人は引き裂かれるくらいならば、死んだ方が良いと思い、可哀想に心中したという悲しい結末。よって、皿の中央上部に二人の化身である鳥二羽が描かれているのであろうと・・・。(筆者の推察の域を脱し得ないが)

 何はともあれ、100年以上も前に製造された陶磁器を目の前にすると、異次元の世界へ引き込まれそうに、不思議な気持ちになってしまう。勿論、産業革命の頃に、当時の陶工たちが知恵を絞り生み出した新たな製造法。・・・特に皿やスープの器の内側部分の凹凸部分に、上手い具合に絵柄を施している点は、実に見事なアイデアであり、当時としては高度な技術だったと思われる。

 ちなみに、最下方の写真をご覧頂きたいのだが、ある方の話を引用すると・・・「これは、日本(金沢)で1900年代前期に作られたもので、ウィローデザインのコピーなんです。焼きは磁器となっており、可成り分厚く重いものです。絵柄はオリジナルと似てはいますが、少々白い空きの部分が広くなっていて・・・」と。

 なるほど、二羽の鳥の距離もキス寸前のところにあり、身分の低い男性の家はハッキリと見えている。柳の枝の本数や節の数も形も位置も異なり、何となく、絵柄的にはフラットで奥行き感がないようだ。これは、日本で作られ、輸出をしていたと言うから・・・当時は世界的にニーズの高い食器であったことが伺い知れる。今で言う、著作権も版権も知った事じゃない・・・背の高いドラえもんのようなものだったのだろうか!?(苦笑)

 現在でも、このようなヴィンテージの食器はeBayなどで通販しているようだが、皿の裏までよく調べた上で購入した方が良さそうだ。・・・歴史を訪ねて色々と調べ物をすると、あっと言う間に時間が経ち、深夜となってしまった。・・・今回は表層部分の調査しかできていないので、近々、より深いリサーチを掛け、その当時の陶工の知恵と工法を、もっとスポイルしてみたい。

▼Warranted/STAFFORDSHIRE/W.ADAMS & SONS/ENGLAND(径17.5cm)
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◎上の皿について
Warranted
STAFFORDSHIRE
W.ADAMS & SONS
ENGLAND
printed mark c.1891 - early 1900's

▼ENOCH WEDGWOOD (TUNSTALL)LTD / MADE IN ENGLAND / Woodland(カップ径12cm)
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▼ENOCH WEDGWOOD (TUNSTALL)LTD / MADE IN ENGLAND / Woodland(ソーサー径16cm)
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Maker: Wedgwood and Co Pattern:Woodland
Soup Cup and Saucer c1960s
Made by Enoch Wedgwood (Tunstall) Ltd. Typical blue printed backstamp.
Dimensions: Cup 12 cm diameter 4.5 cm high, saucer 16 cm / Cup 4.75 ins diameter 2 ins high, saucer 6.25 ins


▼Warranted/STAFFORDSHIRE/W.ADAMS & SONS/ENGLAND風コピー(径24cm)
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  • posted by Chikao Nishida at 2014/6/23 12:33 am

1800年代〜1900年代のヴィンテージ物

▼Wedgwood Blue & White "WOODLAND"
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 先般、天草大江地区の取材に行ったところ、帰り際に、知人より素敵なプレゼントを頂いた。それも、1900年代中期のWoodlandのスープ碗と受け皿、それと、1800年代後期のW.Adams & Son Antique Willow Patternのケーキ皿である。

 筆者は焼き物が大好きであるが、なかなかこのようなヴィンテージ物に出逢うことはなかった。特に、写真下の皿の裏の焼き印を見ると、希少価値があるようで、ケーキ皿は「Willow pattern(柳)」というデザインを施したもの。その絵柄には「儚い恋」のストーリーが描かれている。

 ところで、熊本県天草地域は、磁器の原料となる陶石で有名な処。・・・実は、有田焼などは、殆どこの陶石を使っている訳だ。また、日本独特の「呉須(ごす)」を使った絵付けは、天草の内田皿山焼などでも見ることができるが、全て小筆を使った繊細な手描きのものばかりである。

 しかし、今回ご紹介する器は、産業革命を起こしたヨーロッパの高度な技法によるもので・・・銅板の型に刻んだものに「呉須(ごす)」を流し込み、エッチングのような手法で、今で言うプリント柄を可能にしたものである。実に繊細で美しい細かい線画がたまらなく素敵だ。

 このような食器は、当時、貴族達が使っていたのだろうと推察するが、百数十年前の器を前にして、とても不思議な気持ちになった。・・・貴族の真似をして、ケーキ皿に洋菓子を置きたいところ、羊羹しかなかったので、それを三枚置いて、写してみた。・・・何となく様になっているのが面白い。(苦笑)・・・


▼W.Adams & Son Antique Willow Pattern
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▼羊羹を置いて撮影
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  • posted by Chikao Nishida at 2014/6/9 04:36 am

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