ロゼッタストーンBLOGニュース

The Rosetta Stone Blog

タグ » グルメ開眼道

如水(グルメ開眼道)其の二・・・広東料理との出逢い

josui-3


 以下は、筆者が2011年3月8日に発刊した小冊子「如水(グルメ開眼道)/非売品」から引用したものです。現在、退職された方や独立されたシェフもいらっしゃいますが、「グルメ開眼道」のタイトルの通り、当時のそれぞれの料理の深みや彩をお楽しみいただければと・・・。

---------

 2009年4月18日は、筆者にとって衝撃的な事があった。それは、ホテルオークラ福岡「広東料理 桃花林」の樋場正人料理長との出逢い。

 たまたまグランドハイアット福岡のチャイナを取材に行き、何となく思い出したのが、ホテルオークラ福岡「鉄板焼 さざんか」だった。当時、キラリと光輝いていたヘッドウェイターの麻生亮という人物の笑顔を思い出してしまったのである。よって、同氏に携帯電話で連絡をとり、突然だったが同ホテルの広東料理を取材させてもらうことにした。

 ホテルオークラ福岡の玄関に足を踏み入れると、麻生亮氏が筆者を玄関まで迎えに来てくれた。早速、同ホテル地階にある「広東料理 桃花林」の個室にて取材準備を始めたのだが、実は、数年前に足を運んだ当時料理は、筆者にとって余り印象深くはなかったので、正直なところ少々不安が頭を過った。

 同レストランの個室で機材を運び終わる頃に、ノックの音が聞こえ、スライドドアが開き、目の前にシェフコートを着た男性が一人、緊張した面持ちで挨拶に現れた。突然の取材依頼だったので無理もないが、その人物がホテルオークラ東京から送り込まれた、切り札の樋場正人料理長であった。

 四川料理に関しては、右に出る者は許さぬほどの食歴ある筆者だが、その個室にてサーブされてくる料理の数々は、盛り付けや彩り、そして味わいと、これは見過ごす訳には行かない逸品揃い。初手から、強烈なインパクトを感じたのである。

 特に印象深いのは、衣笠茸などを食材とした薬膳壷蒸しスープ。その時は突然のオファーによる取材だった為に、流石に同料理長には準備する時間は無かったのではないか。大変申し訳なく思う反面、魅せられてしまった筆者は、その後、9ヶ月連続で計11回(88品)を取材したのである、

 笑いの絶えない取材時間。こんなに旨い料理を、こんなに楽しく取材ができるとは・・・。

 同年5月8日に再び同レストランへ足を運んだ。この時は、互いに充分に擦り合わせを行い、樋場スペシャルを堂々と披露してくれた。「ヨシキリザメ極上フカヒレとウバザメ胸肉コラーゲンスープ」。これは、すこぶるクオリティの高い料理で、筆舌に尽くしがたい逸品であった。

 同料理長との出逢いで、広東料理をもっと探究しようという気持ちが高まり、同年5月17日に三度目の取材をすることにした。前菜の彩りは抜群に切れ味が良く、壷蒸しスープは更に磨きがかかっているではないか。ガラカブのあんかけ、蟹を添えたパーコー麺のフェイントありで、樋場パワーにどんどん引き込まれていく。

 このように5月からの取材は加速度を増し、性懲りも無く5月26日にも取材を敢行する筆者。何かに取り憑かれた様に、一眼レフカメラのシャッターをパシャパシャと切りまくって行った。この日は、干し物の乾燥アワビ、ウバザメ胸肉コラーゲン、衣笠茸、干しナマコ、貝柱、クコの実などの撮影を終え、乾燥状態の食材の色味や香りを嗅ぎながら深掘りを開始。

 梅雨真っ只中の6月になっても、筆者の博多入りがまだまだ続く。何とか同料理長をギブアップさせたいと、執拗に取材を敢行する筆者。どの程度引き出しを持っているのかのチェックである。段々と、同料理長と筆者との闘いが激しくなるにつれ、次第に二人に信頼関係、友情が芽生えて行ったのである。

 結局、6月は16日と26日の2回取材した事になる。このように、2009年は本格的な広東料理の取材及び探究の為にフットワーク良く動き、僅か4月から12月の9ヶ月間で、11回博多入を果たし、短期間に、同料理長の引き出しから88品を引っ張り出したことになるが、全ての写真が今では大切な宝物になった。


▼ホテルオークラ福岡 広東料理 桃花林(樋場正人料理長)
josui-kaigan-05


▼金目鯛の料理
josui-kaigan-06


▼ヨシキリザメのフカヒレとウバザメの胸肉コラーゲン
josui-kaigan-07


----------
◎西田親生@ICTdocotor「Note」プロフィール
 https://note.com/chikaonishida/n/n6513d8114749Link
◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995/熊本県第一号WEBサイト)
 https://www.dandl.co.jp/Link
写真・文責:西田親生

           

  • posted by Chikao Nishida at 2022/6/7 12:00 am

如水(グルメ開眼道)其の一・・・四川料理との出逢い

josui-3


 以下は、筆者が2011年3月8日に発刊した小冊子「如水(グルメ開眼道)/非売品」から引用したものです。現在、退職された方や独立されたシェフもいらっしゃいますが、「グルメ開眼道」のタイトルの通り、当時のそれぞれの料理の深みや彩をお楽しみいただければと・・・。
----------
▼熊本ホテルキャッスル 前代表取締役社長 斉藤隆士氏/四川料理 桃花源 初代料理長

josui-kaigan-01



 新聞社時代(約30年前)の或る日、先輩が本格的な中国料理を食べに行こうと誘ってくれたのが、熊本ホテルキャッスル地階にある「四川料理 桃花源(当時の料理長は斉藤隆士氏/現在同ホテル代表取締役社長)」だった。その頃、毎日の悩みの種が、ランチタイムに何処のレストランで何を食べるかにあったのだが、数人で数種類の料理を選んで食するピリ辛の四川料理のビジネスランチは衝撃的でもあり、実にお得感があった。

 同ホテルは皇族御用達の熊本県内ではトップクラスのシティホテルであり、ランチと言っても周辺の街場の食堂やレストランとは比較にならぬほど値段は高かった。ちなみに、当時、某食堂の「塩鯖定食(ご飯のお替わり自由)」が450円前後に対し、「四川料理 桃花源」のランチは800円と・・・食後に喫茶店へ行くものなら、一日のランチが1000円を楽々超えてしまう。30年も前の話なので、初任給11万円程度のサラリーマンにとっては、ランチ、コーヒー、タバコで毎日1500円の負担は痛かった。

 激しく衝撃を受けた美味い料理は、必ず癖になる。そこで日々のランチ予定表の中で、同ホテルの四川料理メニューは筆者の定番となってしまった。そうしている内に、斉藤料理長が「これ作ったけど、どうですかね?美味かったらメニューに入れようと思うんだけど!」と、筆者が試食担当であるかのように、新しいメニューを作っては、こっそりサービスで熱々新作料理を持って来てくれるようになった。

 それから筆者の「中国料理喰いまくり人生」がスタートしたと言っても過言ではない。先日、過去30年を振り返り、ざっと計算したのだが・・たぶん、「四川料理 桃花源」のランチ、ディナーだけでも、既に1トン以上を食べ尽くしている。まあ、よく食べ続けて来たものだと思いつつ、約100種類のレストラングランドメニューをペロリと平らげ、裏メニューなどを含めると、数百種類の料理が筆者の胃袋に入ってしまった事になる。

 何度も足を運ぶ毎に、だんだんと自分なりの「食の形(かた)」が決まって来る。最近のオーダーは、雲白肉(うんぱいろう)、オマールの香り蒸し(又は伊勢エビの2種盛り)、フロリダ産のフカヒレ姿煮(又はフカヒレと蟹味噌スープ)、アヒルの薫製、乾燥アワビのステーキ、蟹レタス入りチャーハン、古典式杏仁豆腐といった流れになり、ランチで単品となると酸辣湯麺やフカヒレ姿煮湯麺、五目そばなどを食す事が多かった。

 たまに、北京ダック、黒毛和牛のステーキ、衣笠茸とフカヒレスープ、バニラアイスに血燕(赤い海燕の巣)のトッピングなどを食したり、VIP客との会食がある場合は、「冬虫夏草と鳩」の極上スープなどをオーダーする事にしている。

 実は、同レストランには筆者なりの裏メニューが数点あり、それは現在の善家繁総料理長や川上洋信料理長らが色んな工夫をして、常にサプライズを与えてくれる仕組みとなっている。実に、有難いことである。

 一昨年だったか、某テレビ局の常務就任祝いで、西田スペシャルを出す事にした。その時、同常務が発した言葉が実に印象的だったのだが、「えっ?今まで何度も何度もこのレストランに足を運んで色んな料理を食べて来ましたが、このような珍しいメニューは初めてですよ!どうして??」と。

 先日、某天婦羅屋さんで久し振りに同常務とお会いした時の事。「この一年間で、二度ほど西田スペシャルをお願いして、客人に大変喜んで頂きました!素敵な料理をご紹介頂き、本当に助かりました!」と。実は裏メニューに関してはストックが限られているので、注文連発されぬように願いたいものである。

 冗談はさておき、四川料理の醍醐味は、何と言っても眼の覚める様な辛さにある。唐辛子のビリビリした辛さと、山椒の舌が麻痺する様な痛辛さである。思い出すだけでも、額から汗が吹き出してしまうほど刺激が強いが、どんどん四川料理の底なし沼に引き摺り込まれて行ったのであった。

▼冬虫夏草と鳩の極上スープ(熊本ホテルキャッスル 元総料理長 善家繁氏作)
josui-kaigan-02


▼フロリダ産 極上レアなフカヒレ姿煮(熊本ホテルキャッスル 元総料理長 善家繁氏作)
josui-kaigan-03


▼高級魚料理(熊本ホテルキャッスル 元総料理長 善家繁氏作)
josui-kaigan-04

----------
◎西田親生@ICTdocotor「Note」プロフィール
 https://note.com/chikaonishida/n/n6513d8114749Link
◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995/熊本県第一号WEBサイト)
 https://www.dandl.co.jp/Link
写真・文責:西田親生

               

  • posted by Chikao Nishida at 2022/6/6 12:00 am

1995年以来情報発信している老舗ポータルサイト「ロゼッタストーン」のブログをお楽しみ下さい。詳細はタイトルまたは、画像をクリックしてご覧ください。

behanceオブスクラ写真倶楽部ディー・アンド・エルリサーチ株式会社facebook-www.dandl.co.jp