ロゼッタストーンBLOGニュース

The Rosetta Stone Blog

タグ » 焼き物

「くまもと工芸夏まつり」がスタート!

▼熊本県伝統工芸館

DFD_8060


 昨日から、熊本県伝統工芸館で「くまもと工芸夏まつり」が始まった。高浜焼寿芳窯(松江良博さん)は絵付け体験コナーを開き、大勢の子供たちが、絵付けに挑戦していた。
DFD_7973


 先ずは受付。女の子が両親に連れられ、申込書を受け取り、書き始めた。・・・
DFD_7995


後ろでは、既に絵付けが完成間近の男の子。松江さんが筆の穂先の立て方やその走りを何気に指導している。サンプルイラストが沢山ある中で、男の子が選んだのは、マングースとハブの闘い。穂先の動きで、繊細な細い線が描けない。じっと止まっていると、呉須が滲んでしまうのである。そのタイミングは体験と言えども、折角なので良い絵付けができるよう、教える側、習う側、双方真剣そのものである。
MATSUE


 熊本県天草は、上質の陶石で有名なところである。鉄分やチタンの含有量が極めて少なく、焼き上がりにくすみもなく、透明感があるので、有田、伊万里、瀬戸などの焼き物に使用されている。ちなみに、有田焼では、使用する陶石の9割以上が天草陶石なのだ。
DFD_8035


 松江さんの窯は、高浜焼で大変古い窯元であり、1726年に遡る。勿論、当時と現在の作風は異なるものの、透き通るような白磁の美しさは、二百数十年の歴史を経ても変わらず、多くの陶磁器ファンを魅了する。

◎高浜焼寿芳窯 松江良博
〒863-2804
熊本県天草市天草町高浜南598/TEL0969-42-1115


【ロゼッタストーン公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/Link

               

  • posted by Chikao Nishida at 2014/7/30 02:57 am

ヴィンテージ器の検証

▼Warranted/STAFFORDSHIRE/W.ADAMS & SONS/ENGLAND(径22.5cm)
DFD_5652


2014-06-23004601


 写真上と下は、ウィローデザイン(柳の木)の絵柄で有名な皿である。1800年代後期から1900年代前期に掛けて、イギリスで製造されたもの。日本の絵付けと全く異なる製造法・・・即ち、手描きではなく、銅板に絵柄を刻み、量産を可能にしたものだ。現在のプリントで焼く工法の前身となるものだろうと推察する。

 器の質は、陶器と磁器の中間に位置するもので、手に持つと、思ったよりも薄くて軽い。絵柄を見ると、中央に柳の木と城らしき大きな建造物が描かれ、上中央に鳥が二羽。左上に木々に囲まれた小さな家。その下方に船、更に下方には、城とを結ぶ石橋を歩く召使いらしき三人が描かれている。

 実は、皿の絵柄は単なるデザインではなく、昔々の物語が隠されていると言う。・・・高貴な家柄の女性(お姫様?)と身分の低い男性の恋の物語のようだ。世間的に認められない間柄を引き裂こうと、城からの迎えの船が二人の居るところへ迫って行く。・・・二人は引き裂かれるくらいならば、死んだ方が良いと思い、可哀想に心中したという悲しい結末。よって、皿の中央上部に二人の化身である鳥二羽が描かれているのであろうと・・・。(筆者の推察の域を脱し得ないが)

 何はともあれ、100年以上も前に製造された陶磁器を目の前にすると、異次元の世界へ引き込まれそうに、不思議な気持ちになってしまう。勿論、産業革命の頃に、当時の陶工たちが知恵を絞り生み出した新たな製造法。・・・特に皿やスープの器の内側部分の凹凸部分に、上手い具合に絵柄を施している点は、実に見事なアイデアであり、当時としては高度な技術だったと思われる。

 ちなみに、最下方の写真をご覧頂きたいのだが、ある方の話を引用すると・・・「これは、日本(金沢)で1900年代前期に作られたもので、ウィローデザインのコピーなんです。焼きは磁器となっており、可成り分厚く重いものです。絵柄はオリジナルと似てはいますが、少々白い空きの部分が広くなっていて・・・」と。

 なるほど、二羽の鳥の距離もキス寸前のところにあり、身分の低い男性の家はハッキリと見えている。柳の枝の本数や節の数も形も位置も異なり、何となく、絵柄的にはフラットで奥行き感がないようだ。これは、日本で作られ、輸出をしていたと言うから・・・当時は世界的にニーズの高い食器であったことが伺い知れる。今で言う、著作権も版権も知った事じゃない・・・背の高いドラえもんのようなものだったのだろうか!?(苦笑)

 現在でも、このようなヴィンテージの食器はeBayなどで通販しているようだが、皿の裏までよく調べた上で購入した方が良さそうだ。・・・歴史を訪ねて色々と調べ物をすると、あっと言う間に時間が経ち、深夜となってしまった。・・・今回は表層部分の調査しかできていないので、近々、より深いリサーチを掛け、その当時の陶工の知恵と工法を、もっとスポイルしてみたい。

▼Warranted/STAFFORDSHIRE/W.ADAMS & SONS/ENGLAND(径17.5cm)
DFD_5675


DFD_5681


◎上の皿について
Warranted
STAFFORDSHIRE
W.ADAMS & SONS
ENGLAND
printed mark c.1891 - early 1900's

▼ENOCH WEDGWOOD (TUNSTALL)LTD / MADE IN ENGLAND / Woodland(カップ径12cm)
2014-06-23004729


2014-06-23004715


▼ENOCH WEDGWOOD (TUNSTALL)LTD / MADE IN ENGLAND / Woodland(ソーサー径16cm)
DFD_5696


2014-06-23004653


Maker: Wedgwood and Co Pattern:Woodland
Soup Cup and Saucer c1960s
Made by Enoch Wedgwood (Tunstall) Ltd. Typical blue printed backstamp.
Dimensions: Cup 12 cm diameter 4.5 cm high, saucer 16 cm / Cup 4.75 ins diameter 2 ins high, saucer 6.25 ins


▼Warranted/STAFFORDSHIRE/W.ADAMS & SONS/ENGLAND風コピー(径24cm)
DFD_5659



【ロゼッタストーン公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/Link

                                       

  • posted by Chikao Nishida at 2014/6/23 12:33 am

1995年以来情報発信している老舗ポータルサイト「ロゼッタストーン」のブログをお楽しみ下さい。詳細はタイトルまたは、画像をクリックしてご覧ください。

behanceオブスクラ写真倶楽部ディー・アンド・エルリサーチ株式会社facebook-www.dandl.co.jp