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アナログとデジタルの狭間で

▼「山河(さんが)」 書:西田親生

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 近頃、制作活動において、ふと、その作品の価値とは何ぞやと、自問自答することが多くなった。それは、筆者が追究しているクロスメディア世界の中で、アナログとデジタルが混在し複雑に絡み合い、どの時点における作品が、どれだけの価値を持つかに悩んでしまうことがある。

 また、モノトーンの世界を追究して行くと、写真と書との強い繋がりを持たせる為に、徹底的にモノトーンに入り込む。しかし、写真の場合は、特にデジタルカメラを使用すると、アナログな工学レンズで捉えた被写体であっても、C-MOSに映り込んだ時点でデジタル化されてしまう。フィルムを使おうとも、昔のように印画紙を薬品処理して現像機で仕上げる訳でもないので、出力機が完全にデジタル化してしまうのだ。確かに、ファインダーで捉えたここ一番の絵面をプリントアウトすると、水面のリフレクションや色彩に差異が出てくる場合も多々ある。

 書は、一枚の半紙に書き終えた時点で、二度と同じ作品を創り出すことはできない。その一点ものの価値は十分理解しているが、それを不特定多数の方々へ披露するとなると、個展等の展示会を開催するか、更により多くの方々へ披露する為には、デジタルスキャンを使って、デジタル画像化しなければならない。相当高額高精度のスキャナを使わねば、原本に近いデジタル処理は不可能となる。

 筆者がモノトーンの世界に入り込んだ理由の一つは、写真と書のコラボ的な作品を考えたのだった。しかし、デジタルとアナログを繋ぐ為には、どうしても最終的な処理はデジタルに委ねなければならないという、ジレンマが生じてくるのであった。

 書は、著名な作家が創造する作品以外は、殆ど高値で売れることはない。よって、写真そのものや、それをデジタル加工して二次的な作品、例えば、ポスターデザインなどの方が広告業界では高く売れてしまう。しかし、書は一点。写真は一度デジタル化すれば、二次的、三次的な作品を創り出すことが可能となり、際限なく複製が出来る。だったら、書の価値をより高める工夫をすべきだろうと考える筆者が居る。

 まあ、筆者は著名な書家でも写真家でもない訳で、要らぬ世話かも知れないけれども、作品の価値判断が、現状で良いのか否か・・・少々首を傾げることも多くなった。時にはマスコミに囃し立てられたタレント作家がテレビ番組にちょろちょろと出てくる。筆者のような一般人は、そのテレビを見ながら、価値のないものを刷り込まれ、偶像を信じてしまうという悪循環となってしまう。

 正直なところ、国内の書家の実態を全て把握することはできないにしても、柿沼康二氏のような人物を書家として見習いたいと日々感じている。また、写真に関しては、二次的処理を施された作品よりも、ファインダーで捉えた一点ものの作品を価値あるものとして受け入れたいと思う次第。

 デジタル時代となり、IllustratorやPhotoshopなどがデザイン業界を席巻し、日本でも「1億人総クリエーターの時代」と騒いでいるけれども、それは如何なものだろうかと、少々反旗を翻している筆者である。しかしながら、皮肉なことに、筆者の本業はデジタルな業務である。

 何はともあれ、アナログとデジタルの狭間で、現在、踠き苦しんでいるというのが本音である。・・・考えれば考えるほど、筆者にとって頗る難しい課題となってしまった。


▼「水面(みなも)」 書:西田親生
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▼「水面(みなも)」 写真・書:西田親生
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▼「竹林(ちくりん)」 写真:西田親生
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  • posted by Chikao Nishida at 2014/8/16 12:00 am

モノトーンの世界・・・出力例

▼お客さんへカメラ機能を説明する、坂梨予司夫さん。

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 「モノトーンの世界」に目覚めたのは、正直な処、つい最近の事である。一昨年前から「書」に没頭し、「モノトーンの世界」を何とかデザイン化しようと動き、1年半が過ぎた。それから、先見塾に写真倶楽部を新設し、定期的に撮影会を重ねて行くと、段々と欲が出てくる。・・・そういった中で、足を運んだのが「カメラの坂梨」(熊本市中央区上通町9-12)だった。明治五年創業の老舗カメラ専門店である。

 そこで、NIKON Dfに最適なレンズを物色していると、同店社長(坂梨予司夫さん)が・・・「このレンズ、どうですか?」と、何気に持って来てくれたのが、NIKKOR 20mmオールドレンズだった。レトロデザインのDfには持って来い。早速、その20mmの単焦点レンズを装着すると、フィルムカメラ名機を彷彿させるような出で立ちとなった。

 更に、同店社長からNIKKOR 35mmオールドレンズを提供して貰った。レンズの硝子に鉛が練り込んであるのかどうか定かでないが、最新レンズとは全く発色もフォーカスも、四隅の収差も・・・全て異次元の世界に入り込んだような写真が撮れるのである。思い起こせば、この段階で筆者の尻(ロケットの導火線)に火が付いたのだろうと・・・。(苦笑)

 以下の写真群は、昨年から今年に掛けて、尻に火が付いた筆者が撮りまくった写真のほんの一部であるが、その19枚の写真は、「カメラの坂梨」で全てプリントし、額装し、被写体になってくれた人達へプレゼントしたものである。

 筆者は1984年からのMacユーザーとして、印刷物・・・画質、デザイン、フォントなどなど・・・結構やかましい眼を持っている。よって、現在使用しているLetinaディスプレイでプレビューする写真を、その辺の出力屋さんでプリントすると台無しになってしまう事も多々ある訳だ。

 しかし、昨年、ソフィ・タカヤナギの高柳社長に「カメラの坂梨さんの出力クオリティは相当なものですよ。」と聞いていたので、直接足を運び、短期間の内に19枚の拙作を出力して、額装したのだった。

 これから額装したい写真が何十枚もあるが、まだまだ納得の行く「モノトーンの世界」へは到達していないので、新年度からは、より強烈な自分なりの「モノトーンの世界」に挑戦してみたいと・・・。


▼紙媒体へ出力した写真群(カラー写真も含む)
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  • posted by Chikao Nishida at 2014/3/11 12:28 am

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