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只聞き、只呑み、只頼み・・・三つの只

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 人は、占い師にお金を支払い、占ってもらう。初詣に行けば、おみくじを買い、願いを込めて小枝にしっかりと結び付ける。スマートなビジネスマンは、常に割り勘にて、自腹を切って酒宴を供にする。更に、ホテルランチでは、料理代を支払い、珈琲の御代わりをウェイトレスに頼む。当然に、全てマネーフローが生じている。

 しかし、田舎であればあるほど、面識のない人に対して只で質問攻めしたり、合コン(社会人)の一律割り勘に乗じて必要以上に大量に酒を浴びるように呑んだり、お礼も言わず無理難題を第三者へ頼み込む人が結構多い。土地柄と言えば、それまで。低民度といえば、それまでとなる。

 幸運にも、筆者の近しい仲間には、「只聞き、只呑み、只頼み」の人物は一人もいない。しかしながら、時折、突然近寄って来ては「只聞き」をして、そのノウハウを如何にも自分オリジナル発信かのように自慢げに話す姑息な人物もいる。所謂、受け売り大好きで、虚栄心の強い人間である。

 より具体的な例えとして・・・一人5000円の食事会に、女性はあまり酒を嗜まないのに、数人の男だけが女性陣の数倍の酒を呑み、醜態を曝け出す。時には、ズカズカと人の懐に入り込み、無理難題を丸投げして、無償で人の教育やら躾やらを頼み込む人間も少なくはない。

 この世の中は、人が動けばお金も動く世の中であることを、全く理解していない人が多いことに、首を傾げてしまう次第。しかし、これら「三つの只」を悪びれた様子もなく、図太く生きる恥ずかしい人間がいるのも事実。とんでもない勘違いだが、さもしいことに本人は気づかない。

 コンサルを請け負うからには、付け焼き刃的なものでは対応できるはずもなく、特に専門的なコンサルとなれば、過去において、相当額の自己投資を積み重ねて来てこそ可能となる。その理屈が伝わらないのが、地方の「な〜な〜主義」であり、実に滑稽極まりない、悪しき慣習とも言える。

 よって、一端の社会人として「恥ずかしさの境界線」を逸脱しないためには、先ずは、上述の「三つの只」を、日頃からタブー視する意識を持つ必要がある。それが理解できてこそ、スマートな人だと言える。最近、国家公務員への接待が取り沙汰されているが、民度低き人間像が浮き彫りとなり、情けなさが募るばかりではなかろうかと・・・。


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文責:西田親生

               

  • posted by Chikao Nishida at 2021/2/23 12:12 am

本物のプロ意識とプロ職人・・・

▼加藤神社(熊本城内/書は松尾美由紀さん)

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 本日早朝から、NHK再放送番組の「プロフェッショナル/仕事の流儀」を見ていた。実は、錦織圭の全豪オープンの録画放送を見終えて、そのままぼーっと惰性で見ていたのだった。しかし、どんどんと引き込まれるというか、自分の足跡を振り返りながら、いつの間にか、その番組に入り込んでしまったのである。

 http://www.nhk.or.jp/professional/2015/0119/index.htmlLink

 再放送されたのは、「かけつぎ職人 松本孝夫さん」のドキュメンタリーだった。・・・端々に、胸を打つ言葉が遠慮なしに飛び込んできた。「頼まれたものは、断らない!」。「この服には依頼人の何か強い気持ちが伝わってくる!」・・・一つ一つの言葉の強さが、異常なまでに筆者の心に突き刺さってきたのである。

 匠の技とか、拘りの職人とか、そんな軽々しい言葉では形容できない、奥深く、野太く、そして底なしのように温かい心が伝わってくるのである。正直なところ、筆者のボキャブラリーでは、的確に表現できないほどのものだった。

 兎角、日本という国は、無意識の内に「職業差別」をしている、妙な国だ。そして、「職業差別」を大声で語りたがる輩がわんさといる。だから、行政や公的機関にぶら下がって、自分自身を大きく見せようと、外面ばかり、体裁ばかりを気にする、素人集団がこれまたわんさといる訳だ。◯◯コンサル、◯◯コーディネーターと・・・情けないほどの、ずぶの素人が、お構いなしに大手を振ってインチキ商売をしている。周囲に火の粉を散らしてでも、後ろ足で砂を掛けようが、私利私欲だけで動いている輩が沢山いる。

 今回の番組で、すこぶる印象深かったのは、脳梗塞を患い右半身不随となった66歳のご婦人が、かけつぎを依頼してきた赤いカーデガンだった。話によると、昔々、その女性のお母さんが結婚祝いにプレゼントしてくれた、唯一の大切な思い出のカーデガンらしい。数十年も愛用しているがあまり、ボロボロとなっても、ずっと着ていたらしい。

 時代を経れば、全く同じ編み方や同じ色の毛糸は皆無に近いと言う。それでも、「かけつぎ職人」はとことん気が済むまで、かけつぎに専念する。依頼された赤いカーデガンはボロボロとなっているために、かけつぎ料38,000円が掛かるらしい。しかし、どうにかして直して欲しいと、その赤いカーデガンのかけつぎを依頼したのである。その言葉を聞いて、その職人は「このカーデガンは何かがあるんです。今だったら38,000円も出せば、新しく良いカーデガンが買えるでしょ!?・・・でも、何かがあるんですよ!」と。

 数日が経過し、かけつぎを施され出来上がった赤いカーデガンが、そのご婦人に届けられた。・・・手にしたそのご婦人は、感涙に咽びながら、その赤いカーデガンを抱きしめて、亡くなったお母さんを思い起こし、そのカーデガンに染み込んだ母の愛に対して、感謝の言葉を何度も何度も繰り返していた。

 家庭が貧しく、高校も中退し、母親の内職であった「かけつぎ職人」を選んだ松本さん。・・・筆者は、今までに見たことがないような「プロの哲学」を目の当たりにしたのだった。自分が考えていたプロ像、自分が胡座をかきつつあったプロ像・・・何とちっぽけで、何と不甲斐ないものだったかを思い知らされた次第。

 筆者は新聞社を経て、独立して25年目に入ったが、その「かけつぎ職人」である松本さんは、かけつぎ歴50年。合成繊維などが台頭し、周囲からは「そんな仕事あるの?」とか「仕事になる?」とか、心ない輩たちが、見下すように罵詈雑言を放ったらしい。しかし、今では全国から毎日100着ほどの依頼を受注する「かけつぎ専門店」となり、依頼主にとっては思い出深い、お金に換え難い大切な衣服に命を注ぐ仕事を全うしているのだ。

 本当に、本気で見入ってしまった。気づけば、目が腫れるほど涙が流れていた。何故???・・・プロと胡座をかいていた自分が、あまりにも小さく見えて来たからだ。人が喜ぶ仕事を本気で遣って来たのか否か・・・自責の念にかられてしまった。

 一言で、自分自身が情けない。どうしても体裁を重んじ、自らをボロ雑巾のように動かしていない。・・・あの赤いカーデガンの左袖がやけに擦れているのが気になる松本さん。実は、その依頼主は右半身が不随となっており、右手は動かず、左手だけで生活をしているために、特に、カーデガンの左袖が痛んでいたのだった。依頼主が大病に倒れたことなど知る由もない松本さんだが、その左袖のかけつぎだけではなく、左袖の周辺に、更に「補強」を施すという・・・気配りを見た瞬間・・・背筋がぞくっとするほど、唸ってしまったのだった。

 世の中には、資格などが無数にあり、その資格に溺れ、奢りまくった仕事をする人物がほとんどだが、ただそれだけでプロとは言えない。ゴミのような実績を引っさげ、Facebookなどで、研修に足繁く通っている姿や、自分が読んでいる書籍の紹介をしたり、如何にも自分はプロとして日々勉強していますよといったパフォーマンスが見苦しく思えて仕方がない。

 人様のことはどうでも良いのだが、この番組をじっくりと見てしまうと、掛け声やパフォーマンスだけの軽々しい人物が、如何にも衆目を集めるために行っているものなのかが、浮き彫りとなってくる訳だ。

 いやあ、「かけつぎ職人」の松本さん。・・・実にいい顔をしている。その一言一言が、全く奢りなく自然体であることに、感銘を受けてしまった次第。


▼熊本城宇土櫓
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  • posted by Chikao Nishida at 2015/1/23 03:59 am

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