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「オーライ、オーライ!」と言われても、自分の目で直接確認せよという教訓。

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 十数年前、或るホテルAでの出来事。当時、車幅2m近い車に乗っていて、その車でホテルAの外玄関から入ろうとすると、ガードマンから制止された。

 外玄関近くは人の往来が多いので、通行人が通り過ぎるのを待たねばならない。それから、ガードマンがこちらを見て、前に進むように合図をした。

 「オーライ、オーライ!」と、運転席から見れば右前に位置しているガードマン。その指示通りにゆっくりと車を動かしていたのであるが・・・。

 左前輪近くが何かを柔らかくプッシュしたような感触があったので、左前を見ると、何と、重々しい丸っこいプランターが、スロープを下り始め、ビリヤードの玉のように、次から次に5個ほどのプランターを弾いて行ったのである。漫画のような話だ。

 車幅が2m近くあるのも原因の一つかも知れないが、運転席からは、左手前は完全に死角となっている。よって、ガードマンは左下も右下も確認の上、「オーライ、オーライ!」と誘導すべきであった。

 そこでホテルA側へ、ガードマンの誘導の不備とプランターの置かれた場所が気になり、歩道側に出ていたのではないかと指摘したのである。別に、車には少しの傷は付いたかもしれないが、弁償してもらおうとは毛頭考えていなかった。

 応接室へ連れられソファーに座ると、ホテルA側から2名、ガードマン側から2名、計4名が応接室へ慌てたように入ってきた。

 ホテルAの人間が開口一番に、「こちらとしては不備はないと思いますが、監視カメラ映像を見て判断しなければなりません。」と、こちらが加害者であるかのような雰囲気を醸し出している。通常であれば、「怪我はなく、車は大丈夫ですか!?」でしょ。

 妙な雰囲気だと思いつつ、「いえいえ、私が問題にしているのは、ガードマンの誘導も雑ですが、私が一度車から降りて左下を見なかったので、問題ないです。問題なのは、ホテル外玄関から歩道側に突き出て置いてあるプランターのことです!?」と語ると、4名とも顔色が変わった。

 車は殆ど傷が無かったが、ディーラーへ電話をすると、その社長が「験が悪いので、無償でフロントバンパーを交換します!」と言ってくれた。とても有り難かった。よって、ホテルA側へは指摘するだけに留めて、何事も無かったように、帰途についた。

 それから数日経って、再び、ホテルAへ足を運び、上述の件の〆を行おうと。ところが、歩道近くの外玄関から内玄関へ6つほどのプランターが並べてあったのが、全て撤去されていたのである。数日前に、筆者の指摘通り、ホテルA側が不味いと思い、すぐさま撤去したに違いない。

 しかし、サービス業である割には、指摘をする人間を、初手からクレーマーの『難癖』と思い込み、4人がかりで退治しようと思ったのであろうと。これが、サービス業の本来の接遇を忘れてしまい、『犯人探し』をしたがる、田舎熊本独特のローカルスタンダードであると再確認したのであった。

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文責:西田親生

                     

  • posted by Chikao Nishida at 2022/11/25 12:00 am

おめでたい人、そして、嬉しい人。

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 取材ランチの食事処として、足繁く通っている熊本ホテルキャッスル。昨日、長年お付き合いしている岩本憲治氏が、目出たく、永年勤続30年だと言う。学生時代は剣道で鍛え上げられ、立ち姿が素敵な、ホテリエが天職のような人物であり、同僚からの信任はすこぶる厚い。

 同ホテルに新聞社時代から通い詰めて40年になるが、10年経った頃に、同ホテルに新卒として入社したのが同氏となる。それから30年の歳月が流れ、今では食堂部長に昇格し、料飲の要として、同ホテル現場の柱として、若手スタッフが羨望の眼差しで敬愛する、将来の鍵を握る幹部となった。

 初の出会いは、同氏がパルコ(現 ダイニングキッチン九曜杏)のスタッフとして配属になった頃。それから他部署へ異動があり、現在に至っている。誰が吹聴したのか知らないが、気難しい人物としてのイメージが根付いている筆者なので、日々苦労を掛けたに違いない。

 しかし、同氏は常に「自然体」であり、剣道で例えれば、静かに「正眼」(剣先を相手の喉元に向ける)に構え、与えられた仕事は責任をもって完遂するタイプの人間である。時には冗談も飛ばすが、筋金入りの人物として、30年間の長きに亘り接してきた、なかなかの好青年である。

 同ホテルの常連客の中で、最も危険な難癖人間としてのイメージが染み付いているが、同氏のように、「自然体」の人から見れば、普通の優しいオジサンに見えるのではなかろうか。苦笑いものだが、ただ、洞察力だけは鋭いと自負しているので、その点が「気難しい」に繋がっているのかも知れない。

 先般、二十代半ばの女性スタッフに「若いのに、最近落ち着きが出て、仕事が捌けますね!?」と聞くと、「ありがとうございます。岩本部長がこのレストランのマネージャーの時に、厳しく指導をして頂いたので!」と、にこやかに答えてくれた。素晴らしいの、一言。

 今の時代、「厳しい指導を受けて今の自分がある」と豪語できる女性スタッフを見たことがなかったが、一瞬、鳥肌が立つほど嬉しかった。確かに、多くの同僚からの信任が厚いと分かっていても、リアルな「敬愛の念」の存在に、「正眼の構え」の威力を再認識したのである。

 幹部となると、鼻高々と、能力の無さをひた隠し、虚栄に満ちた人生を送る稚拙なる人間も多い。それが雇われの身であれば、僅か数年の命にて、その虚栄も消滅する。幹部とは、常に「自然体」にて重責を果たし、部下の立場を考え気配りできるのが、必要不可欠な条件となる。

 おめでたい人、そして、嬉しい人。周囲にそのような人たちが多く集まれば、きっと、何事も好循環に動き出すのではなかろうか・・・。


▼岩本憲治氏(熊本ホテルキャッスル 食堂部長)
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▼天ざると柿のムース(ダイニングキッチン九曜杏)
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写真・文責:西田親生

                 

  • posted by Chikao Nishida at 2021/10/20 12:00 am

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