ロゼッタストーンBLOGニュース

The Rosetta Stone Blog

タグ » プラザホテルアネックス

フレンチの絵師 牛崎英司

▼牛崎英司シェフ

eiji-ushizaki


 熊本県天草市で出逢ったフレンチ&イタリアンの牛崎英司シェフ(プラザホテル アネックス ピアナイン料理長)。実は、冷製ポタージュスープをコンプレしたのが、初の接点であった。そこで、同シェフは、筆者が食事を終えた頃に、再びスープをサーブしてくれたのだった。見違えるような冷製ポタージュスープに変身していた。(感動ものだ)

 筆者の指摘を真摯に受け止めてくれて、コース料理をサーブしながら、ポタージュをグレードアップさせて、テーブルに運んでくれたのだ。今思えば、このまま口煩い一見客として帰ってもらっても構わないが、即座に改良したスープの完成度を確認させたかったのだろうと。それが、出逢いだった。

 よって、天草へ取材や研修会での講演を行うたびに、同シェフの料理が食べたくなり、現在まで、十数種類のコース料理を食したことになる。熊本市内を出発し、天草五橋を渡る頃に、腹の虫がグルグルと鳴り、「今日はどんな料理を作ってくれるんだろう!?」と、ランチタイムが楽しみでたまらなかった。

 過去において、確か、2008年の3ヶ月間に、ホテルオークラ福岡の広東料理 桃花林(当時は樋場正人料理長)のコース料理を11回、88品取材したことがあったが、それに勝るとも劣らぬ頻度と種類にて、同シェフのコース料理を堪能することができたのである。

 毎回、創意工夫に満ち溢れた食材選びと調理法。地産地消をベースに、至福の極みとなるべくものをサーブしてくれたのだ。下写真群は、その中から抜粋した料理写真である。特に、同シェフが1年3ヶ月ほど掛けて研究した「チョップドビーフハンバーグ」は圧巻であった。

 随分昔の話だが、五十数年前のヒルトン東京の人気メニューとして「チョップドビーフサーロイン」というものがあった。それを熊本へ持ち込んだのが、現在、熊本市にあるフレンチの老舗 Bros.よしむらのオーナーシェフの吉村悌二氏である。筆者の紹介で、吉村氏が同シェフへ伝授。当時、そのオリジナルにどこまで追いついたかの段階だった。

 フレンチの絵師 牛崎英司シェフがサーブしたものは、天草黒牛(当時のブランド名)をベースに創った「チョップドビーフハンバーグ」。甘味、深みある肉質でファンが多い天草黒牛。勿論、塩と胡椒、そしてホースラディッシュだけで大満足の肉質なので、当然の如く、そのハンバーグは筆舌に尽くし難く旨かった。

 そうしている内に、熊本地震(2016年4月14日・16日)が県内全域を襲い、大変な時期だったけれども、定期的に天草へ足を運び、筆者主宰の「先見塾」を同レストランで開催させて頂いた。地震の影響で、いつもならば2時間ほどで到着するところが、当時は3時間半ほど掛かり、天草に到着した時は疲労困憊となった。

 大渋滞で車はノロノロ運転。時には道路が寸断され、迂回に迂回をしながらのドライブが続く。しかし、フレンチの絵師が創作するフレンチに釣られて、性懲りも無く、熊本ー天草間を何度往復したろうか。正直申し上げて、それが切っ掛けで、同シェフのフレンチに魅せられてしまったのだ。

 現在は、残念ながら、コロナ禍により、天草市が地球の裏側にあるかように感じるほど遠い。蔓延防止の制限ばかりで、熊本市から外へ出られないのである。その間、同シェフが筆者オフィスを訪ねて、お土産を持参してくれたりで、ちょくちょく連絡を取り合うものの、料理を食すタイミングを逸している日々を送らざるを得なくなってしまった。

 因みに、同シェフは「先見塾(西田親生主宰)」の塾生でもあり、この数年間で、MacやITを学び、仕事現場にフルに活用できるほどスキルはアップしている。また最近では一眼レフカメラを学び、自らが創る料理写真は勿論のこと、熊本県北にある実家と天草との往復の時に、プロも度肝を抜かれるほどの作品を撮影するようになった。

 昨夜も、「天草の地域おこし」について1時間ほど話し合った。カメラの話になると、どうしてもスイッチが入り、機関銃のように欲しいカメラやレンズの話に花が咲く。これが一番のストレス解消なのだろう。つい、時間が経ってしまう。蛇足だが、塾頭として評価させて頂ければ、MacをはじめとするITノウハウは○、カメラは◎。

 末筆ながら、同シェフの実家は熊本県北部の山手にあり、美しい自然に恵まれ、「棚田」で知られる秘境。ご両親が育てる米は逸品であり、後々、それが「献上米」であることを知ることになる。以前、何気にお土産にもらった米だったが、炊飯器の蓋を開けた瞬間の米の顔が美しく、熱々のオニギリで食し、その旨さに跳び上がった。

 自然に育った人間は、野に咲く花を愛で、森の中で囀る鳥たちに耳を傾ける。更に、清らかな水で育つ野菜本来の味は、生まれた頃からインプットされている。よって、同シェフの創り出す料理は、あたかも絵師であるかのように、食材自体の味を引き出す料理であり、色鮮やかでアーティスティックに盛り付けされている訳だ。

 コロナ禍がある程度収束した頃に、是非、天草在住のフレンチの絵師 牛崎英司シェフを訪ねて頂ければと・・・。


▼リーズナブルだが小洒落たコース料理
cuisine-ushizaki-001


cuisine-ushizaki-002


cuisine-ushizaki-003


▼天草黒牛を素材で作られた「チョップドビーフハンバーグ」
cuisine-ushizaki-010


▼天草黒牛のステーキ
cuisine-ushizaki-006


▼天草黒牛のタンステーキ
cuisine-ushizaki-013



▼童のように可愛いサラダ
cuisine-ushizaki-011


▼ウチワエビ
cuisine-ushizaki-005


▼車海老の料理
cuisine-ushizaki-012


▼健康に良さそうなキッシュ
cuisine-ushizaki-004


▼アーティスティックに編み込まれたサラダ
cuisine-ushizaki-008


▼色鮮やかなデザート
cuisine-ushizaki-007


▼ニンニクのオリーブ焼き(グランドハイアット風)
cuisine-ushizaki-009


▼カメラマンに変身した同シェフ(Nikon党)
D85_1037


▼同シェフの作品
ushizaki-work-002


ushizaki-work-001



▼本日の記事PDFファイルダウンロード
https://www.dandl.co.jp/club/eiji-ushizaki.pdfLink
eiji-ushizaki-1


eiji-ushizaki-2



◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995)
 https://www.dandl.co.jp/Link
◎ロゼッタストーンBLOGニュース
 https://www.dandl.co.jp/rsblog/Link
写真・文責:西田親生

             

  • posted by Chikao Nishida at 2021/9/3 12:00 am

90年前のレシピ再現・・・

gyutan-1


 京料理「えのきぞの」(熊本市中央区新屋敷)は、人気の食事処。創業者である祖父の90年前のレシピ(昭和元年に上野精養軒入社)が、その子、その孫へと受け継がれ、現在に至っており、本日、三代目の榎園豊成さんが、ドミグラスソースについて語ってくれた。

 サーブされたのは、とにかく柔らかく煮込んだ牛タンに、90年前のレシピで作られたドミグラスソースが掛けられている。兎に角、牛タン大好きの筆者なので、煮込まれた牛タンが蕩けるように調理してあると、幾つでも食べたくなってしまう。

 榎園豊成さん曰く、「祖父の時代のドミグラスソースは、私が幼い頃から食べていました。そのレシピは当店の宝であり、京料理店ですが、今回、若い方々にもご賞味頂きたと思い、今月から提供する事に致しましたが、如何ですか?」と。

 また、別に和風の牛タンがサーブされた。上の洋風の牛タンとは全く異なる味わいだが、流石に京料理の職人である。癖のない調理法はどうやっているのか覗いてみたくもなる。しかし、癖になってしまう。

 記事内容は、昨日の記事と重複するところもあるが、以下のように、以前食した旨い牛タン料理をご紹介して、「牛タン食べる会」でも創ろうかと・・・。

 ※上野精養軒:西洋料理草分けの老舗で、明治5年(西暦1872年)の創業(東京)。ちなみに、天皇の料理番で知られる秋山徳蔵氏は築地精養軒で働いていた。


▼榎園豊成 作(えのきぞの/熊本市)
gyutan-7


▼工藤佳吾&堀部豪 作(ダイニングキッチン九曜杏/熊本ホテルキャッスル/熊本市)
gyutan-2


gyutan-5


gyutan-9


gyutan-6



◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995)
 https://www.dandl.co.jp/Link

文責:西田親生

               

  • posted by Chikao Nishida at 2020/1/24 02:27 am

1995年以来情報発信している老舗ポータルサイト「ロゼッタストーン」のブログをお楽しみ下さい。詳細はタイトルまたは、画像をクリックしてご覧ください。

behanceオブスクラ写真倶楽部ディー・アンド・エルリサーチ株式会社facebook-www.dandl.co.jp