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ホテル文化に学ぶ(7)

▼西田親生が語る「ホテル文化と食文化」
nishida


<地域おこしのヒント>

 名だたるシティホテルやリゾートホテルは、「文化発信基地」たる存在であることは、連載(4)で語った。

 写真下のシンメトリーの美しさを放つ料理がある。これは筆者のオリジナル料理で、「万華鏡(Mangekyou)」と呼び、熊本ホテルキャッスルダイニングキッチン九曜杏の料理長が創作してくれたものだ。ワンプレートに、熊本県産の肉、野菜、果物を中心とした食材を盛るもので、炭水化物を極力減らし、バランスの良いタンパク質、果物、野菜を摂るために考案したもの。

 ここに、地域おこしの導火線に火をつけるヒントが隠されている。それは生産農家を契約農家とすることにより、旬の野菜や果物を、逸早くお客に提供し、当然の如く地産地消をも実現する中で、「量の質化・質の量化」を可能にし、ホテル側は競合ホテルとの差別化、生産農家としては安定した供給先を得ることにより、地域がじわじわと活性化されることになる。・・・実は、二十数年前から、ホテル日航福岡のセレブリティが実践している。

 また、次の写真をご覧頂きたい。愛情と拘りを持った生産農家が育てる「天草黒牛」を、高級ホテルレストラン(ホテルオークラ福岡鉄板焼さざんか)の食材としてフェアなどで利用し、そのブランド力を強化するという企画イメージ写真である。

 下3枚目の写真は、ホテル日航熊本のバイキングレストランの手書きメニュー板である。そこには、野菜の産地などが詳しく書かれている。例えば、胡瓜は熊本県の御船、鹿本、阿蘇とある。また、玉ねぎは、佐賀、熊本、北海道とある。同ホテルとして、安心安全の食材(野菜)を使って調理していることを明記することで、お客に対しては、より説得力があり、魅力となる。更に、「文化発信基地」としてのホテルとして、ホテルオークラ福岡では、極上地ビールを開発し、JRの七つ星の列車にも採用されていると言う。なかなかオシャレな五つ星ホテルと七つ星列車とのコラボとなっている。

 更に、下4枚目の写真をご覧頂きたい。左側は、モンサンミッシェルの小粒ムール貝。右側は珈琲とオペラというパリ生まれの有名なケーキ。旬の料理やホテルメイドのケーキなどには、時に、深い歴史とストーリーを発見することができる。それは拘りのあるシェフやパティシエに聞けば、しっかりと解説をしてくれる。ホテルオリジナルなものは、必ず、何か素敵なコンテンツが宿っている。例えば、帝国ホテルのシャリアピンステーキがオペラ歌手の名前であったり、バイキング料理の命名のヒントが当時上映されていた海賊のバイキングという映画(カーク・ダグラス主演)のタイトルだったりする。

 よって、ホテルが「文化発信基地」と言えるのは、上記のような歴史と伝統を誇るところは、特に、その担い手として、長年に亘り上質の文化を利用客に植え付けてきたことになる。そのことだけを鑑みても、周辺地域との連携という、地域おこしのヒントがたくさん隠されていることに気づかねばならない。

 最近では、熊本県内のブランド商品化の流れを見ていても、コラボありきで「黒」に流れたり、「赤」に流れたりしているようだが、単純な色によるカテゴリー分けでどんぐりの背比べするのは、如何なものかと感じてしまう。数千万円ものコンサル料を自治体や外郭団体から盗み取るコーディネーターも後を絶たない。それも県外からの招聘が圧倒的に多く、それが本当に地域おこしに直結しているのだろうかと言えば、ほとんどが空砲に終わっている。全くもって、税金の無駄遣いが、毎年眼前で繰り広げられているだけの話である。マスコミ側も、確と重要案件の裏付けを取り、報道すべき問題となる。

 単に扇動、洗脳により左右されるのではなく、生産者も、加工業者も、調理人も販売店も、勿論、行政側も自ら足を運び、地域連携を重んじ、俗っぽい表現で申し訳ないけれども、お金を落としてくれるホテル利用客や国内外からの観光客(インバウンド)に強烈にアピールするために、「日々変化、日々進化。」を旗印に、研究開発に邁進すべきである。

 因みに、地域おこしに成功しているところは、住民全ての意識改革を試み、大変な苦労をもって実現している。決して税金を無駄遣いする仕組みを採らず、熱意を持って郷土のための情熱が、優れた地域オリジナルブランド力を生み出し、グローバル化に成功しているようである。


▼万華鏡(熊本ホテルキャッスル ダイニングキッチン九曜杏)
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▼天草黒牛フェア(ホテルオークラ福岡 鉄板焼さざんか)
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▼ホテル日航熊本(上)、ホテルオークラ福岡(下)
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▼モンサンミッシェルのムール貝とオペラ(熊本ホテルキャッスル)
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▼チャペル(熊本ホテルキャッスル)、点心(グランドハイアット福岡)、伊勢海老(松島観光ホテル岬亭)、カフェ(グランドハイアット福岡)
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文責:西田親生

                         

  • posted by Chikao Nishida at 2015/10/18 04:26 am

ホテル文化に学ぶ(6)

▼西田親生が語る「ホテル文化と食文化」
nishida


<理想的なホテル利用法>

 先ず、「ホテルじゃお金を払うのだから、無理難題言っても勝手だろ!」と豪語する人は、グローバル標準のホテル利用をご遠慮願いたい。

 連載の中の<礼儀作法と所作>で記したように、「紳士淑女」への接遇が理解できるお客は、その人なりに「理想的なホテル利用法」を見出し、ホテル側の「紳士淑女」として接遇対象になっている。よって、ある程度の歳月を経て相互信頼が生まれると、フレンドリーな「常連客」としての立場を確保することができる。

 さて、これからホテル玄関に入ることに。二重扉となっている正面玄関。扉が開けば、そこは別天地。四季を通じて常春のような、すこぶる過ごしやすい空間として、室温・湿度が一定に維持されている。方や、ベルボーイさんは笑顔で来客応対に大忙し。車の誘導や施設案内などに東奔西走している。

 施設はどのようにあるべきか!?・・・最重要チェックポイントは、レストルーム(トイレ)である。トイレが美しく管理されていないホテルやレストランは、二度と足を運べない。食を初めとする全ての衛生面に通じるものなので、レストルームを先ずチェックする必要がある。勿論、非常口の確認も必須。

 次に、宿泊するための各部屋について・・・。ツイン、ダブル、シングル、エクゼクティブルーム、インペリアルルームなど、大なり小なり各種の部屋が揃っている。星の数が多いホテルは、快適なバスルーム、疲れを癒す大きなベッドを備えており、入室早々、一気に生活レベルがグレードアップしたかのような気分に浸ってしまう。

 人気シティホテルやリゾートホテルでは、長期滞在でも食べ尽くせないほどの美味しい料理が揃っている。<和洋中融合の食文化>で記したように、フレンチ、イタリアン、中国料理、和食、寿司、スイーツと、世界の料理群を食せるのがたまらない。多勢で円卓を囲んで食す中国料理は豪快だ。ナイフとフォークをしなやかに使い、ベストパートナーと食すフレンチは、すこぶるロマンチック。その他、リーズナブルだが、たらふく食べれるイタリアン、加えて、あっさり目の和食や寿司を思う存分頬張ることもできる。

 熊本ホテルキャッスルは、「美味しいホテル」を目指すシティホテルとして、県内外に多くのファンを持つ。実は、筆者の食文化のスタンダードの礎を築いてくれたホテルの一つでもある。お陰様で、あちこち国内外を取材する時に、同ホテルで育まれたグルメのスタンダードが功を奏し、他の五つ星ホテルでの会食やパーティーなどにおいて、一切恥を掻くことはなかった。同ホテルのグルメは食のスタンダードの「基本書」の第一巻でもあり、質の高い生きた「ホテル文化と食文化」を体感させて頂いた。

 ホテルの利用法として、次のようなことをシミュレートしてみた。

 例えば、急ぎでお礼の贈り物をする場合、ホテルメイドの菓子やレトルト食品、その他グッズなどを、伝票1枚書くだけで、全国津々浦々へ簡単に宅配を依頼することができる。また、糖尿病やその他持病があり、摂取危険な食材などの相談をすれば、可能な限り宗教的な食材制限に対して、また、アレルギー体質を刺激しないように、ヘルシーな料理(ブルーサークル)をサーブしてくれる。

 ビジネスで急ぎのファックスなどを送る時に、ホテルスタッフへ依頼すれば、しっかりと対応してくれる。何人もの秘書を随行しているかのように、日常と比べ物にならないほど、心地良いビジネス環境が作れる。自分自身のビジネスライフを、上手い具合にホテルの仕組みや施設と噛み合わせると、誰しもそれなりに「理想的なホテル利用法」(自分流)が作れることになる。

 畢竟、安心安全、快適で信頼のおけるホテルとの出逢いがあり、そこで「理想的なホテル利用法」を発見できれば、至福の極みと言える訳だ。


▼熊本ホテルキャッスルの各施設(一部)の写真
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▼熊本ホテルキャッスル ダイニングキッチン九曜杏の厨房
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▼熊本ホテルキャッスルの料理群(極一部)
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▼熊本ホテルキャッスルのバイキング料理(一部)
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▼熊本ホテルキャッスルのブライダル風景
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文責:西田親生

                         

  • posted by Chikao Nishida at 2015/10/17 02:31 am

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