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好き嫌いでは、本物になり得ず。

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<ホテルや旅館経営者の盲点>

個人的な感情を剥き出しにする経営者

 勉強には得手不得手が誰にでもあるが、自分が選んだ仕事に対して好き嫌いを言うのは甘えとしか言いようがない。好き嫌いを全面に出して仕事に向かうものなら、決して本物(プロフェッショナル)になり得ない。

 特に、サービス業を営む経営者であれば尚更のことである。個人的な感情を剥き出しにし、根拠なく顧客を好き嫌いで判断してはならない。その時点で、サービス業の根幹となるホスピタリティは欠落していると言える。

 これが辛辣な批判になりがちなのは、サービス業において実際に経営者の個人的な好き嫌いが表に出ている人も少なくないということだ。これまでの多くの体験から、サービス業の最高峰と言われるホテルや旅館の経営者の個人的なフィルタリングにより、何度も不快な現場を見てきた。

 カスタマーに非がなく、エチケットを守り、モラルを重んじてその施設を利用しているにも関わらず、カスタマーの一挙手一投足について観察(監視)され、過敏な反応となる経営者やその指示を受けたスタッフの顔色がカメレオンのように変化することがあった。

名門ホテルにおける常態化

 個人的な好き嫌いが表に出ている経営者が、名門シティホテルであることが驚きでもあり、残念ながら、最高のホスピタリティを目指すホテルの常識や良識を覆すことになる。決して存在してはならない個人的な感情移入が、そのホテルでは常態化しているのである。

 よって、表題の通り、そのホテルは「好き嫌いでは、本物になり得ず。」という事態を繰り返しており、どんなにトップが変わろうとも、本質的に誤った方向性は改善されないばかりか、劣悪な環境へと向かいつつある。

 個人的な感情を剥き出しにする人は、懐が深い人間とは言えない。公的施設でありながらも、私物化に走ったり、自らの好き嫌いで人事権を行使したり、常連客を差別扱いするところが、グローバルスタンダードなホテルの常識とは真逆となっている。

 このホテルに限らず、地方の旅館の経営者も一部に同様なる人物が存在する。ホテルや旅館を選ぶのは顧客であるが、それを個人的な感情でフィルタリングする経営者は、初手から悪手を選んでおり、気付かぬうちに自らの品性と民度の低さを露呈させるに留まる。

地域の特権階級と勘違い

 地方の一部の宿の経営者は、自らを地域の特権階級、つまり特別な存在と勘違いしている。土地持ち、財産持ちであるからこそ宿の経営が可能であり、我々庶民とは一線を画するという感覚の経営者の存在は否めない。しかし、県内外から訪れるカスタマーには無関係であり、知る由もない訳だ。

 更に、その勘違いや履き違えにより、個人的な感情を剥き出しにする悪しき慣習が子々孫々に受け継がれ、サービスの原点を忘れ去り、ヒューマンウェアの確立さえできず、ソフトウェアは旧態依然としており、ハードウェアの体裁だけを整えることに傾注しているのである。

個人的な感情に流されやすい人物の無反応

 昨日、久しぶりに個人的な感情に流されやすい人物の一人に、大切なメッセージを実験的に送ってみたが、反応は予想通りであった。「都合の悪いことへの反応=無視」である。

 以前、取材日程が決まっていたにも関わらず、ドタキャンした人物である。これが、旅館業組合などの集まりでは、誤った情報を共有する経営者たちが徒党を組み、「偽計業務妨害」や「名誉毀損」に至るような虚言を伝播させていく。非常に奇妙で厄介な現象であるが、過去において、事実として何度も確認している。

「おもてなし精神」の完全破壊

 ザ・リッツや帝国ホテル、ホテルオークラなどの経営陣が知れば、あり得ないことであり、顔色が変わってしまうに違いない。東京オリンピック招致決定の時に流行した「おもてなしの精神」が完全に破壊された状態である。

 経営者が個人的な感情で宿が運営される場合、我々のプライベートが無闇矢鱈に監視されている可能性もあり、非常に危険としか言いようがない。地方では「どこの誰が誰と一緒に泊まった」と個人情報を垂れ流す経営者も存在する。週刊誌のパパラッチと同様のプライバシー侵害である。

 露天風呂で経営者自身が盗撮するなどの蛮行が絶えないのも事実。よって、利用するホテルや旅館を選ぶ場合は、可能であればその経営陣の日常の素行や人柄などの情報等も入手できれば無難と言える。カスタマーの命を預かる宿泊施設であれば、尚更のことである。

プロフェッショナルとしての志

 以上は、サービス業の原点とも言われるホテルや旅館を誹謗中傷するのではなく、すべて事実として警鐘を鳴らす目的で、敢えて記述したものであり、誤解のなきよう願いたい。

 結局のところ、地域でどんなに財産を持ち、歴史と伝統を誇る宿を経営しているとしても、そこに人格が備わっていなければ、本物のホスピタリティは存在しない。厳しい言葉の羅列になるが、これが実態であり、プロフェッショナルとしての志において、個人的な好き嫌いで仕事に向かっていては、本物になり得ないということである。

期待と危惧

 可能であれば、これまでの個人的感情を剥き出しにするような偏見を超越し、サービス業における真のホスピタリティの追求に傾注して頂ければと思うばかり。もし、これからも企業モラルなき宿が多々存在するのであれば、観光立県の旗など立てられるはずがない。

 最後に、昨年末に旅行業法に明文化された「カスタマーハラスメント」を逆手に取り、これ幸いに、個人的な感情による好き嫌い先行にて、更なる勘違いが生じる可能性もあり、今後、重大な問題が発生しないかと危惧している次第。

※筆者主催「Well Done:ホテル文化と食文化」の講義より抜粋。

▼DALL-Eが上のエッセイを読みイメージしたもの
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▼ChatGPTによる感想

このエッセイは、プロフェッショナリズムとサービス業における個人的な好き嫌いの問題を深く掘り下げています。特に、個人的な感情を仕事に持ち込むことの危険性と、その結果としてのサービスの質の低下を指摘しています。エッセイでは、ホテル業界を例に取り上げ、いかに個人的な感情が顧客サービスに悪影響を及ぼすかを詳述しています。

筆者は、プロフェッショナルとしての態度として、個人的な好き嫌いを超越し、一貫した高品質のサービスを提供することの重要性を強調しています。また、この問題が文化的な側面や企業倫理にも関連していることを示唆しており、特に地方の特権階級と認識される経営者たちの行動が、その地域全体の評判に影響を与える可能性があることを指摘しています。

感情を仕事に持ち込むことの危険性についての警鐘を鳴らし、長期的な視点でその影響を考察することは、どの業界においても重要な教訓です。サービス業では特に、顧客との直接的な関わりが多いため、プロフェッショナリズムを保ち続けることが絶対に必要です。

このエッセイは、ホテルや旅館の経営者だけでなく、顧客サービスを提供するすべての業界のプロフェッショナルにとって、個人的な感情を仕事から切り離すことの重要性を改めて認識させるものです。また、読者に対して、サービス業におけるヒューマンウェアの確立と、真のホスピタリティの追求を促す一方で、それがなぜ重要であるかを理解するための具体的な例を提供しています。
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  • posted by Chikao Nishida at 2024/4/27 12:00 am

時計宝飾業界の重鎮、髙栁隆一氏の逝去を悼む

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 昨日、株式会社ソフィタカヤナギの現代表取締役社長である髙栁隆大氏から、同社の前代表取締役会長である髙栁隆一氏(隆大氏の父)の訃報が届いた。令和6年4月24日に、髙栁隆一氏(享年83歳)急逝の知らせに、筆者を含め多くの人々に深い悲しみをもたらした。

 筆者が最後に同氏にお会いしたのは、昨年3月18日、ソフィタカヤナギ社「髙栁時計宝飾店」の店内であった。その日、同氏は珍しい宝石のコレクションについて熱心に語っており、その瞳には若き日の情熱が宿っていた。同氏の顔には、常に温かな笑顔があり、自身の事業と家族、特に成長を遂げた息子と孫への誇りに満ちた充実した余生を送っていることが感じられたのである。

 10年前に初めて同氏に会った時は、眼光鋭かったが、歳月が経つにつれ、同氏の表情はより和やかなものへと変わり、人生の晩年には家族と共に穏やかな日々を楽しんでいる様子が窺えた。

 家族が愛する人を失うことは、言葉では表せないほどの苦痛であるが、髙栁隆一氏の生前の姿を記録した筆者にとって、同氏の訃報に鎮痛な面持ちとなった。同氏の死は、熊本県の時計宝飾業界において大きな損失であり、同氏が業界に残した足跡は容易に埋められるものではない。

 末筆ながら、髙栁隆一氏のご冥福を心よりお祈り申し上げ、同氏の想い出が、我々の心の中で永遠に生き続けることを願って止まない。

 安らかに・・・。
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▼在りし日の髙栁隆一氏(2023年3月18日撮影)
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  • posted by Chikao Nishida at 2024/4/26 12:00 am

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