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食事処は仕入れが「命」・・・

JOSUI


 コロナ禍となり、遠出をしてまで、色んな食事処へ大勢で足を運べる時代ではなくなった。勿論、アルコールなしで、感染対策万全の店であり、尚且つ、モラルあるお客ばかりのところは、こちらもウィズマスクでルールを守り、安心して通える食事処もいくつかはある。

 東京オリンピックやパラリンピックが無事閉幕したが、その開幕前から、新型コロナウイルス感染のパンデミック発生。現在は大都市のみならず、地方の田舎町にまでクラスターが発生している。よって、観光施設や食事処は大変厳しい状況下に陥り、翻筋斗(もんどり)を打っているのが現状だ。

 近頃の野菜や牛肉の高騰は腰を抜かすほどであり、殆どのホテルや旅館は仕入れで頭を痛めているに違いない。だからと言って、粗悪な食材を仕入れて、不味い料理をサーブすれば、一瞬にして客が離れてしまう。ここで、食事処としては迷走せず、仕入れについての無駄無理検証をしなければならない。

 随分前のことだが、ホテル日航福岡の取締役総料理長 中橋義幸氏(※1)を取材したことがあった。そこで驚いたのは、同氏の食育への拘りと、逸早く、契約農家システムを構築し、野菜や合鴨農法の鴨などをフレンチレストランの食材としてフルに活用いるということだった。

 台風、豪雨、地震、そしてコロナ禍のような大災害時に、必ず、私たちの「命」を支える食材や生活必需品が急騰し、「不安」という文字が、頭のてっぺんに突き刺さってくるのである。今回のコロナ禍では、ガソリン代、牛肉、野菜などが、気付かぬうちに高騰しているのであった。

 食事処の流れを見ると、食材の仕入れによって、各メニューの料金が左右される。品質の高い食材を安値で仕入れることができれば最高だが、長年お付き合いのある卸業者次第では、下手すると、品質の悪い物でも、なあなあの仲良し倶楽部の誼みで、高値で持ち込む業者も無きにしも非ず。

 結局、表題の如く、食事処の仕入れ次第で「命」取りとなったり、好条件の仕入れができなくなれば、食事処のアキレス腱がブッツリ切れてしまう訳だ。その点、契約農家システムを構築した中橋氏の発案と采配ぶりは、すこぶる理に叶ったものとして、当時から注目してきたのであった。

 全国展開する回転寿司チェーンも、漁村で逆転の発想的で、巧妙なる仕入れのテクニックにて大成功を収めており、それに関わる人たちに「恵み」を与えている。中橋氏の契約農家システムも、ホテル側と生産農家との信頼関係が礎となり、その「絆」は今も尚続いていることになる。

 ここで食事処の経営者または勤務する中間管理職の方々へ問いたいのだが、従来の卸業者との信頼関係もさることながら、この時期において、何でもかんでも高騰したから、仕入れ予算を変えないのならば、質を下げよで動かざるを得ないところも有りはしないか!?、と言うことだ。

 自給自足ができない狭い日本列島。よって、国際的な物流の世界において、不安定なる仕入れに悩まされているのであれば、早急に、現状を具に検証し、卸業者の日頃からの卸値が、適正価格であるか否かを検証する必要は有りはしないか。そこで、光明が差すような秘策が見つかりはしないか!?

 どの世界も同じことだが、「馴れ合い」というのが一番癖の悪いものである。昔の話、ある宿のクリーニング代をチェックしたところ、周囲の宿の平均価格の倍額を10年ほど支払っていたことが発覚した。1億円を超える無駄な出費に押し潰されていたことになったのである。

 そこで、「1億円も、まあ、高値で騙してくれましたね!」と宿側が言えば、「いえいえ、5千万円ほどですよ!」と悪びれた様子もなく、「馴れ合い」の水面下にて、「儲かっている宿だから、倍額貰っても問題はないぞ!」と考えていたのだろうと。何という悪徳商売か!

 また、40年ほど前の話。仕入れで成功して、隆盛を極めたレストランがあった。最初は小さなレストランであったが、名物料理が当たりに当たり、既に年商5千万円を超えていた。その後、そのオーナーは北海道など全国を行脚して、上質の食材をダイレクトに激安にて仕入れ可能な契約を結んで行った。

 結果的に、立派な自社ビルを建て、多くのテナントを抱え、当時は、飛ぶ鳥を落とす勢いにて、大成長を遂げた。しかし、その店主が急死したために、何十年もの信頼関係を結んでいた生産農家や漁師さんなどとは疎遠となり、最終的に、自社ビルも売却され、廃業に追い込まれてしまった。勿論、コロナ禍の前の話であるが。

 前述のように、食事処は仕入れが「命」であるが、生産者との太いパイプに繋がれた「絆」があってこその物種である。今からでも遅くはないので、街場の食事処、ホテルや旅館など、今の時期であるからこそ、全ての仕入れの再検証をオススメしたい。そこには、起死回生となる「奇策の種」があるのかも知れず、新たな生産者との絶好の出逢いがあるかも知れないのだから・・・。
 
(※1)中橋義幸氏は、2003年に「ディシプル・ド・オーギュスト・エスコフィエ」を授与されている。


◎以下は、絶対的な仕入れのパイプを持つ五つ星ホテルの食材と料理

▼帝国ホテル東京のローストビーフ(ラ・ブラスリー)
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▼ザ・リッツ・カールトン東京の門崎丑(ひのきざか)
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▼ザ・リッツ・カールトン東京の蝦夷鮑(ひのきざか)
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▼ホテルオークラ福岡の豪華広東料理(桃花林)
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▼グランドハイアットの点心(点心専門中国人シェフの力作)
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  • posted by Chikao Nishida at 2021/9/8 12:00 am

天は人の上に人を造らず、人の下に・・・!?

▼記事と写真は関係ありません

JOSUI


 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず...」とは、余りにも有名な諭吉の教えである。この文節だけを読めば、あたかも、人は天から皆「平等」を与えられていると解釈してしまう。更に、「学問のすゝめ(初編は1872年発刊)」というタイトルで、高等教育を平等に受ける権利を有するかのようにも受け止められる・・・。

 勿論、世の中の全ての人は常に平等であるべきである。しかし、学歴主義であったり、世襲制であったりで、思いの外、人の上に人を造り人の下に人を造っている現実において、我々のような凡人の人生が凹まぬように、しっかりと学問をしなさい!と、諭吉は諭しているに違いない。よって、核となるところは、日本に根付いた封建的なものを痛烈に批判する中で、実用的な西洋学問の必要性を唱えているのである。

 巷にある企業や団体などを見渡すと、地方は特に、昭和縦割り社会のオンパレードにて、人の上に人を造り、黒塗りの高級公用車にて、あたかも海外からのVIPのような出立ちで、ホテル玄関をガニ股で歩く。(運転手は車内待機)また、人の下に人を造り、施設清掃担当者を見下し、「おつかれさま!」の声掛けもできない、偽善者がわんさといる。非礼極まりない罵声を連発し、挙げ句の果てには「虐め」を楽しむ能無し経営者も沢山いる。履き違えもよいところだ。

 社会人となる前に、学問とは縁遠く学びがなかった人は、大抵、この不平等なる社会のドロドロとした中で、苦渋を舐めることになる。それが、現実であるのは、周知の事実。聞くところによれば、子供を東大に通わせている家庭の平均年収は1500万円を超えているらしい。これじゃ、簡単に、人生凹まぬようにするために、学びなさいとは無責任に言えなくなってしまう。

 しかし、どんなに高学歴であっても、人格が備わらず、社会人としての常識に欠ける人たちは、社会人となって墓穴を掘り大失態を繰り返したり、また、詰め込み過ぎた脳内が爆発し、伸び代ゼロで役立たずの人生を送る人もいる。よって、我々凡人は、社会人となっても、常々、自分に不足するものを見出し、日々学びを続ければ、学歴なくとも、資格がなくとも、最前線で突出して活躍することが可能となる訳だ。

 話は横道に逸れてしまうが、そろそろ諭吉の1万円札も、栄一の1万円札に変わるようだ。渋沢栄一は、皆さんがご存知の通り、生涯500社以上の企業を創設した超人でもあり、日本経済の神的存在である。国内ホテルのホテルと言われる、帝国ホテル創設の時も、渋沢は、大倉喜八郎と共に、豪商の一人として、多大なる貢献をしている。よって、政府は日本経済の将来に光が射すことを願い、1万円札に渋沢を選んのかも知れないと、勝手ながら思い込んでいる次第。

 時代は、「令和」。昭和の悪しき慣習は、近頃、システムエラーの連続となっている。時代は秒進分歩の勢いにて、変革を遂げている。そこで、過去の悪しき慣習にどっぷりと浸かっている履き違え族は、じわじわと篩(ふるい)に掛けられ、その存在に「違和感大賞」のレッテルが貼られることになる。次から次へと最新技術が導入され、社会構造も変わりつつある中で、最終的には「学び」を続ける人が、勝ち組に残ることになるのだろうと・・・。


▼一つ目神社(熊本県山鹿市)
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写真・文責:西田親生

         

  • posted by Chikao Nishida at 2021/9/7 12:00 am

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