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アルカリ性の珈琲って!?

▼珈琲アローの玄関とオーナーの八井巌さん
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 昨日足を運んだ「珈琲アロー」。昭和39年、東京オリンピックが開催された年にオープンした、熊本でも屈指の老舗珈琲専門店である。

 オーナーは八井巌さん。年齢を尋ねると「自分は忘れた!」と笑って答えるが、どう見ても70代後半には見えない。肌の色艶は素晴らしく、身なりも洒脱で、まさにダンディズムの体現者である。ライフスタイルも数十年変わることなく、まさに「肥後もっこす」の典型といえよう。

 元々はパティシエだった八井さんだが、いつしか珈琲の世界に魅せられ、研究を重ねに重ねた末、現在の「琥珀色の珈琲」に辿り着いた。ご本人はこう語る。

 「世界で一番美味しいのは熊本の水です。その水で淹れると、アルカリ性で琥珀色の珈琲になるんですよ。真っ黒になる珈琲は違うんです。歌にもあるように、珈琲は琥珀色。冷めていくと、甘みが増してくるんです!」

 筆者が八井さんと初めて出会ったのは25歳の頃。店内には、ジャズシンガー阿川泰子さんをはじめ、有名人の写真が何気なく飾られている。三島由紀夫氏も自決の2年前に訪れたといい、また熊本が誇る直木賞作家・光岡明氏も足繁く通ったという。「珈琲アロー」は、まさに琥珀色の珈琲に魅了された文化人たちの憩いの場であった。

 先見塾の塾生たちもまた、初めて口にする琥珀色の珈琲に感激を隠せず、タイニーな店内で所狭しと撮影に夢中になっていた。

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【ディー・アンド・エルリサーチ株式会社公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/dandl/Link

                       

  • posted by Chikao Nishida at 2014/2/26 12:15 am

珈琲アローを訪ねる・・・

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久しぶりに足を運んだのは「珈琲アロー」(昭和39年11月創業/店主・八井巌さん)。本日は、先見塾写真倶楽部の取材を兼ねて、淀川司朗、奥野心介、田上貴士の三塾生と共に、珈琲を味わいながら八井さんの話に耳を傾けた。

筆者は同店に三十年以上通っているが、若手の塾生たちは琥珀色の珈琲に驚いた様子であった。今まで体験したことのない、新鮮かつ深みのある味わいに感嘆し、皆そろって二杯ずつ(筆者は三杯)をおかわりしていた。

八井さんは現在77〜78歳と思われるが、とても「老人」の枠に収まる人物ではない。一般の同世代に比べて、元気と夢を与えるような独自のライフスタイルを貫いている。一日に20〜30杯の珈琲を飲みながら立ち仕事を続け、午前11時から深夜まで休むことなく働くという。睡眠は短時間で済ませ、食事も大量に摂ることはないそうだ。

筆者としては、機会があれば「八井巌のライフスタイル」を書籍化したいと考えている。新聞社時代の若造だった筆者を、いつも温かい眼差しで見守ってくれた八井さん。その思いを込めて、ここ数年執筆してきた小冊子「如水シリーズ」の第5弾としてまとめられればと願っている。

今日、初めて耳にした話もあった。店内の腰壁部分には、昭和5年に熊本市唐人町の歩道に敷かれていた高級素材が使われているというのだ。これは昭和28年の熊本市大水害「6.26」で流され、所有権が放棄されたものを、あるレストランが床材として再利用し、そのレストランが閉店する際に八井さんが譲り受け、現在まで店の素材として活用している。実に80年以上の歴史を持つ由緒ある素材である。

かつては珈琲嫌いで知られた三島由紀夫も、ここを訪れて喜んで口にしたという(自決する二年前のことと伝わる)。「珈琲アロー」の琥珀色の一杯は、まさに魔法のような味わいである。

ぜひ一度、体験していただきたい。

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  • posted by Chikao Nishida at 2014/2/25 07:27 pm

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