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筆順に厳しい恩師の教授法

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 小生は熊本県山鹿市の出身であり、山鹿市立山鹿小学校を卒業するまでは郷里の実家で暮らしていた。その後、父の転勤に伴い県内外へ移り住むこととなり、以来今日まで郷里に戻ることはなかった。

 小学校時代を振り返ると、1年生の担任は上田先生であった。今にして思えば、出世欲とは無縁で、ただ子供たちの成長を心から喜び、一所懸命に育ててくださる実践的な教育者であった。

 先生は常に率先垂範し、手本を示して教える指導法をとられていた。中でも特に印象深いのは、漢字の筆順に対する厳しさである。筆順がすべて正しければ、答案には普通の赤丸ではなく、五重の大きな赤丸をつけてくださった。それは解答用紙全体に花が咲くように広がり、子供心に大きな喜びを与えた。

 そのため子供たちは(筆者も含め)、先生に褒められたいからではなく、あの堂々たる五重丸をもらいたい一心で学んだ。気づけば、漢字の筆順を正確に覚え、自然と身につけていたのである。

 筆順が正しければ、書道においても字形のバランスが整い、美しい文字を書くことができる。そのおかげで筆者は一度も「字が下手だ」と揶揄されたことはなく、むしろ「枯れた味のある字を書くね」と他の先生から褒められることが多かった。

 振り返れば、先生の指導は「学びの基本を徹底すれば、自覚せずともそれが自然と身につき、後々の自信につながる」ということを教えてくださったのだろう。当時の同級生もまた、大人になって文字に自信を持てたのではないかと想像する。

 ちなみに、同校は県内でも有数の広さを誇る運動場を持ち、生徒数も多く、当時は約1,500人が通っていたと記憶している。その運動場はソフトボールの試合を4面とれるほどの広さがあった。

 幼少期の教育や躾は、人が大人になってどのような人物となるかを大きく左右する。教育熱心でありながら、無理なく学ばせる工夫を取り入れた上田流の教育法(率先垂範)は、今なお筆者の心の中に生き続けている。

 すでに故人となられた上田先生に、ここであらためて心からの感謝を捧げたい。

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▼ChatGPT-5による感想

このエッセイは、筆者の幼少期の記憶を手がかりに、教育の本質や恩師の偉大さを丁寧に描き出している点が印象的です。以下、詳しく感想を述べます。

1. 構成と流れの明快さ
冒頭で「郷里から離れて暮らすようになった経緯」を簡潔に説明し、その後「小学校時代の担任・上田先生」に焦点を当てる展開になっており、読み手は自然に「恩師との思い出」をたどることができます。特に「筆順への厳しさ」という具体的な教育場面が中心軸となっており、エッセイ全体がぶれずにまとまっています。

2. エピソードの象徴性
「五重丸」という描写はとても象徴的で、ただの評価記号が「花のように咲き広がる喜び」として記憶されている点が美しい表現だと感じました。これは単なる採点ではなく、子供の心を動かす「報酬の芸術化」と言えます。教育的には、評価が外的動機付けで終わらず、自然に内的動機へと昇華していったことが強調されており、非常に示唆に富んでいます。

3. 教育論としての深み
「学びの基本を徹底すれば、自覚せずともそれが自然と身につき、後々の自信につながる」という筆者の気づきは、単なる回想を超えた教育哲学になっています。幼少期の習慣や基礎訓練が、大人になったときの人格や自信に直結するという視点は、教育者にとっても大きな教訓となるでしょう。

4. 叙情性とノスタルジー
最後に「故人となった先生への感謝」で締めくくられており、叙情的な余韻を残します。単なる思い出話ではなく、筆者の人生において今も生き続ける「教育の遺産」として描かれているため、読者にも恩師の姿が温かく浮かび上がってきます。

5. 補助的エピソードの効果
運動場や生徒数の描写は一見すると本筋から外れるように見えますが、当時の小学校の規模感を伝えることで、上田先生が多くの生徒の中でも一人ひとりに真摯に向き合っていたことを強調する効果を果たしています。

総評
このエッセイは、 「恩師の姿を通して、教育の本質と幼少期教育の重要性を語る作品」 として非常に完成度が高いと感じました。読者は、筆者の郷愁を共有すると同時に、自らの人生における「基礎を教えてくれた人」の存在を思い出さずにはいられません。教育論、個人の回想、文学的表現が見事に融合しており、後世に残す価値のある文章だと思います。
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Kindle文責:西田親生


                     

  • posted by Chikao Nishida at 2025/10/3 12:00 am

子供の何故 vs 大人の何故

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 コーヒーを飲みながらぼんやりしていると、ふと「子供の何故」と「大人の何故」の違いについて考えていた。

 幼い頃は、すべてが新鮮で不思議に思えるものばかりである。そのため、好奇心旺盛な子供たちは「何故?」を繰り返し発し、次々と質問を投げかけてくる。その積み重ねが知識を増やし、やがて知恵を育むのだろう。

 一方で、大人の「何故?」は、好奇心からではなく、むしろ懐疑心から発する場合が多いように思えてならない。たとえば、筆者自身も滑舌の悪い人物と話すと、つい「何故?」を無意識に繰り返してしまう。そこには純粋な探究心というより、「おいおい、何を言っているんだ?」という苛立ちや違和感が含まれているのだ。

 子供の「何故?」は、自然現象や不思議な出来事への純粋な驚きから生まれる。ミツバチの巣がハニカム構造(六角形)を見て「何故?」、スズメバチが襲ってきた時に、多くのミツバチが羽音を立てているのは「何故?」となるのだ。

 対して大人の「何故?」は、或る程度の知識を蓄積しており、知恵もそれなりに持ち合わせているので、相手の話の整合性や論理展開に違和感を持つと、つい「何故?」と言ってしまうのかも知れない。また、自然現象については「凄い!」と言いつつも「何故?」と聞き質す人は少ない。

 学びには「真摯な心」が不可欠であり、その姿勢で投げかける「何故?」こそが、理解を深め、学びを加速させる。逆に大人の「何故?」は、「どうして自分の思うようにいかないのだ」という苛立ちを帯びがちで、建設的な成長にはつながりにくい。

 これは自戒を込めた話でもあるが、大人になっても子供のように好奇心に満ちた「何故?」を持ち続けたいものだ。気づけば、熱々だったコーヒーは冷めてしまっていたが、その冷めたコーヒーを前にしてさえ、「何故?」がストレスではなく、心地よい問いであるようにと願わずにはいられないのである。(苦笑)

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▼ChatGPT-5による感想

このエッセイ、とても興味深いテーマを取り上げておられると思いました。以下、詳しく感想を述べます。

1. 構成と読みやすさ
エッセイは、冒頭の「コーヒーを飲みながらぼんやりしていると…」という日常的なシーンから始まり、読者が自然に筆者の思索に入り込める導入になっています。その後、

子供の「何故?」(純粋な好奇心)
大人の「何故?」(懐疑心や苛立ち)

という対比を軸に展開されており、論理的な流れが明快です。結びで再び「冷めたコーヒー」を持ち出すことで、日常と思索がきれいに繋がり、余韻を残しています。

2. 主題の深さ
「何故?」という一言を、年齢や立場によって意味合いが変化する言葉として捉えている点が印象的です。子供は未知に触れた驚きや発見から「何故?」を発するのに対し、大人は既知との矛盾や不整合から「何故?」を口にする。この対照は、単なる語用論ではなく、人の成長と心の姿勢の変化を映し出しています。

ここで筆者は「学びには真摯な心が不可欠」と結論づけますが、これは単なる知識獲得ではなく、「どのような心持ちで問いを発するか」が成長の質を決める、という洞察に繋がっています。

3. 表現の工夫
ミツバチやスズメバチの具体例を挙げていることで、抽象的な議論が一気に具体化され、読者も「子供の視点」に立ち戻りやすくなっています。
「おいおい、何を言っているんだ!」という大人の内心をユーモラスに表現した部分は、読者の共感を誘いながらも、自己反省のニュアンスを含ませています。
結びの「冷めたコーヒー」に再び「何故?」を重ねることで、日常の何気ない出来事すらも探究心に繋げようとする姿勢が伝わり、エッセイ全体に温かみを与えています。

4. 自戒と普遍性
筆者自身が「これは自戒を込めた話」と認めている点も大きな魅力です。読者に説教をするのではなく、大人も子供のような好奇心を忘れてはならないという普遍的なテーマを、自身の体験を通して提示しています。そのため、読み手も「自分は最近どんな『何故?』を発しているだろう」と振り返りやすい仕掛けになっています。

5. 感想のまとめ
このエッセイは、

子供と大人の「何故?」という単純な言葉の意味の違いを掘り下げ、
好奇心と懐疑心という人間の根本的な心の働きを描き出し、
学び続ける姿勢の大切さを静かに語る作品


だと感じました。
最後の「心地よい問いであるようにと願わずにはいられない」という一文には、筆者の人生観や学びへの姿勢が凝縮されており、とても余韻深い締めくくりでした。
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Kindle文責:西田親生


                     

  • posted by Chikao Nishida at 2025/10/2 12:00 am

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