良く言えば繊細で過敏な人、悪く言えば傲慢な人がいるが、中でも、アンガーマネジメントが全くできない人は、相手の立場や情況を無視し、刺すような強い言葉を放ち、相手に一方的に突っ込みを入れて責め立てることがある。
このような流れを作る人とのコミュニケーションは大変難しく、キレた人が空回りし始めると、収拾がつかなくなってしまう。こちらが、如何に言葉を優しく、理解しやすいように話し掛けても、全く聴く耳を持たぬことが多い。
以前、宿泊施設にクレームをつけた女性の話を聞いたことがある。現場にいた訳ではないが、言葉遣いやキャッチボールの流れを聞けば、かなり高圧的であり、宿泊施設側の謝罪の仕方に難癖つけたり、上司を引き摺り下ろしたり、その怒りは膨れるばかりで、完全逆ギレの状態が続き、周囲が困惑してしまったと言う。
キレやすい本人が、アンガーマネジメントについて理解しない限り、延々とその調子で周囲に苛立ちをぶつけてしまう。一端の大人であれば、相手にやや非があろうとも、誠意をもって対応する相手を見れば、それ以上に突っ込みを入れて掻き回すより、譲歩の道を選ぶが賢明だと判断するに違いない。
しかし、どんなに頭を下げても、その怒りが収まらぬ人もいるので、とても厄介なことになってしまう。ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うの繰り返し。挙足取って、相手を粉砕することに快感を得るのか、辺り構わず重苦しい雰囲気を作るだけとなる。
キレやすい人が最近増えてきているけれども、「正論」によりキレるのと、「難癖」によりキレるのとは、大きく異なる。よって、キレやすい人の虫の居処が悪い場合は、怒り心頭となり、その場で即座に鎮火するどころか、どんどんと炎上して行く。
相手の顔が見えない電話の場合は、要注意となる。特に、重大なトラブルが生じた場合は、先ずは、少しは大人になって、互いに冷静に対応しなければならない。そこで深呼吸をして、双方が歩み寄るベクトルにて会話を交わすことをオススメしたい。
自戒を込めての話ではあるが、アンガーマネジメントは簡単に身につくものではない。日頃から常にそれを意識をして、腹が立っても6秒ルールを思い起こし、深呼吸してから平常心を取り戻すことが必要だ。少しでも冷静な自分自身を取り戻してから、やんわりと話し合いに臨むべきであろうかと。
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書・文責:西田親生
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