松屋本館の西上佳孝社長と久し振りの愉快な話に笑い転げながら、淡々と料理の取材は続く。写真のように同旅館の料理は進化を遂げ、新しい「季節会席」という姿で旬の食材がお客の眼を楽しませてくれるようだ。
和の中に、さり気なく洋の味わいを楽しめる「季節会席」。今回印象深かったのは「帆立コキール」の芳ばしさとまったりとした濃厚な味わいだ。料理の流れのグラデーションが実に鮮やかである。
更に、アラカルトとして「馬刺ときざみ野菜のカルパッチョ」はなかなかの味わい。なま肉が苦手という方にも、このカルパッチョは抵抗無く食す事が出来るのではないかと思った次第。
本日の取材した全ての料理が従来のイメージを継承しつつも、全く別物として松屋本館オリジナル料理へと進化しつつある。経営側のアイデア戦略に料理人たちの拘りのパワーがシンクロした結果であろうか。
今後、同旅館や姉妹ホテル・アネッソマツヤがどう打ち出すかが楽しみであるが、若女将の「王手飛車取り」を狙う繊細且つ大胆な戦略が待ち遠しい。
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