昭和の香りが漂う珈琲アロー。同店は昭和39年11月、東京オリンピックが開催された年に生まれた。東洋の魔女がバレーボールを制し、遠藤が体操男子を引っ張り、そして円谷がマラソンで銅を勝ち取った歴史的瞬間だ。また、東京オリンピックでは、帝国ホテル東京が料理の「量の質化と質の量化」を可能にして、選手村にケータリングしていた時でもある。
今でも昭和の時代は良かったと言われるが、日本という国が敗戦の混乱期を経て、自由を目指して伸び伸びしていた時代でもある。今の様な猟奇的殺人事件やタメグチ、援助交際など全く無かった平和な時代でもあった。
珈琲アローは知る人ぞ知る、本物の「琥珀色の珈琲」を出すところ。10席ほどのカウンターがいつも満杯になる。今日も若い女性から学者、医者、そして現役を退きゆったりとした生活の香りがする老人と様々だ。
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