![]() きつねやつが、いつも彦一ィだまされちばっかりおっとば見かねち、たぬきやつが萩原ン土手で、彦一ば待つとったげな。 「彦一ちゃん。」 「オー、たぬ公かい。」 「きつねやつぁ、ちったばかばいな。いっでん彦一ちゃんにかつがれち・・・。」 「ハッハッハッ・・・・・・ぬしゃ りこさんのごたるね。」 「エー きつねとにゃちがいますばい。」 「そぎゃんかい、なんにばくっとが得意かい。」 「わたしゃ一つ目小憎でん大入道でん……。」 「ほんならいっちょ、ばけくらんごばしてみゅうか。」 「うん、そらおもしろかな、やりまっしゅ。」 「ねーたぬ公見てんさい、あっちかりつえばちいて、としよんの来よらすどが、あんひとば、ぬしが大入道でたんがらせきんなら、おるが負けたい。」 たぬきやつぁ笑うて、 「アッハッハッハッ……わしが大入道になんなら、どぎゃンもんでンひったまがるけんな、まあ見とってみなっせ。」 たぬきやつが雲ンとどくごたる大入道にばけたばってん、じいさんな、なんのこつもなかごつして歩いていかすげな。 「彦一ちゃん、こぎゃんきもン太かもんな、はじめっな。」 たぬきやつぁ、いきばせっきってか「フウフウ」言うたげな。 「そんならこんだぁおるがすっけん、よう見とけよ。」て、いうて、 「ヒヒーン・・・。」 て馬んなきまねばしたげな。 とこるが、じいさんなひったまがって、道のかたすみィちぢくれらしたげな。こんじいさんな、あけめくらのあんまさんだったてたい。 ★話の中に不適切な表現がありますが、昔話ですのでお許しください。 |